特定技能「ビルクリーニング」|外国人を雇用するには?

在留資格「特定技能」のビルクリーニングで外国人を雇用するための方法について解説します。ビルクリーニング業界の現状から特定技能で受け入れる企業側の雇用条件・業務内容など詳しく説明します。

特定技能「ビルクリーニング」|外国人を雇用するには?

特定技能とは、特定産業14分野で働く外国人に雇用が認められる在留資格です。特定技能では人手不足の企業で即戦力となる人材を受け入れています。

「ビルクリーニング」の分野では特定技能1号での雇用と在留資格5年間での就労が可能となります。

「ビルクリーニング」業界では、他の業界と同様に人手不足の深刻化が進む中、外国人労働者に焦点を合わせて、業界への受け入れ体制が始まっています。

目次

  1. 「ビルクリーニング」業界の人手不足
  2. ビルクリーニング」分野での雇用条件
  3. 「ビルクリーニング」技術水準と日本語能力水準について
  4. ビルクリーニング」分野の特定技能外国人のために
  5. 特定技能1号での「ビルクリーニング」業務について
  6. 特定技能「ビルクリーニング」に必要な試験について
    1. ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
    2. 日本語能力試験
  7. 「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」実施予定
  8. 「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」海外でも可能
  9. さいごに

「ビルクリーニング」業界の人手不足

「ビルクリーニング」業界も人手不足の問題を抱えている産業です。
日本政府の方針では、特定技能「ビルクリーニング」分野での受け入れ人数は37,000人を見込み、特定技能外国人の募集を積極的に始めています。

ビルクリーニング業界では、今、若い労働力の確保に苦戦し、65才以上の高齢の労働者に頼らざるを得ない状況であり、労働者の高齢化が進んでいます。ビルクリーニング業界では女性や高齢者の雇用を積極的に進めていますが、他の業界でも同様になかなか人材確保までに及んでいない状況です。

近年、ビルクリーニング業界では、産業ロボットや清掃機械などの導入などを進めていますが、同業界での人手不足はまだ解消されていません。2017年には建物清掃員の有効求人倍率は、2.95倍に達し、ビルクリーニング業界での人材確保が追い付かない状況では、清掃の行き届かない建物の衛生面の問題も生じています。

ビルクリーニング業界では、技能実習生の受け入れも行っていますが、現状は人手不足の問題は残ったままです。今回、在留資格特定技能外国人の受け入れが始まったことで、特定技能で認められる在留期間5年の間に人手不足が改善されることが期待されています。

「ビルクリーニング」分野での雇用条件

特定技能「ビルクリーニング」で外国人を雇用したい場合には、一定の雇用条件にそって行う必要があります。

  • 受け入れ機関は、特定技能外国人を受け入れ日から4か月以内に、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。
    厚生労働省のホームページから申請手続きが可能です。
    ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入申請について
  • ビルクリーニング分野特定技能協議会の行う調査と指導に対しての協力する必要があります。
  • 建築物清掃業、または 建築物環境衛生総合管理業の登録がされていることが必要です。
  • 厚生労働省の行う調査と指導に対しての協力することが求められます。

「ビルクリーニング」技術水準と日本語能力水準について

厚生労働省が定義する「ビルクリーニング」を運用要領については以下の通りとなっています。

特定技能「ビルクリーニング」で外国人を雇用する場合には、以下の基準をもとに受検合格者を採用することとなります。

  • 技術水準について:多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、 方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベル
  • 日本語能力水準:ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有する

「ビルクリーニング」分野の特定技能外国人のために

特定技能「ビルクリーニング」では、外国人対象にベトナム語、ミャンマー語、タガログ語(フィリピン)クメール語(カンボジア)で、特定技能制度の説明と「ビルクリーニング」の業務内容が紹介されています。
この内容は、受入機関向け、外国人向け、送り出し機関向けに紹介されています。

厚生労働省:各国翻訳のリーフレット

特定技能1号での「ビルクリーニング」業務について

清掃管理業務のうち、建築物内部清掃業務(床、天井、内壁、トイレ、洗面所など)と客室以外のベッドメイク作業が対象となります。
YouTube動画でビルクリーニング業の紹介をしています。

特定技能「ビルクリーニング」に必要な試験について

特定技能外国人を「ビルクリーニング」で雇用するためには、試験と日本語能力試験が必須条件となります。

ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験

試験は全国ビルメンテナンス協会主催の「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」で判定します。

試験内容

判断試験
写真やイラストなどで判断する試験17問で40点
実技試験
12分の試験時間に3つの課題を解く問題で60点
床面の定期清掃作業について/ガラス面の定期洗浄作業について/洋式大便器の日常清掃作業について/

合格水準

判断試験が40点。作業試験が60点。それぞれ60%以上が合格の基準です。

教材

ビルクリーニング外国人材受入支援センターが発行のテキストとDVDが活用できます。

ビルクリーニング外国人材受入支援センター:特定技能評価試験対策教材

手数料

2.200円(消費税 10%込)銀行振り込み。
試験の合格者に対しては合格証明書が発行されます。
合格した場合、合格証明書発行手数料14,300円となります。

受験資格

17才以上。在留資格取得者。短期滞在者でも可能です。

申し込みの方法

公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HP:申し込み申請

「ビルクリーニング」分野で技能実習2号修了者は、「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」の受験は免除されます。

技能実習生で「ビルクリーニング」分野での経験者は、技術的にも、また在留日数から日本語能力のレベルが高いことが想定できます。

雇用の際には、特定技能外国人と技能実習生からの移行からも雇用できるので、検討されると良いでしょう。

日本語能力試験

日本語能力試験は、独立行政法人国際交流基金(JFT-Basic)の「日本語能力判定テスト」
または、独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会(JPLT)の「日本語能力試験」N4以上において判定します。

JPLTは、国内・国外で受験可能。JFT-Basicは海外のみの試験実施となっています。

「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」実施予定

2021年11月に実施された受検結果では、受験者数 332名/合格者数 279名/合格率 84.0%となっています。

最新の情報は、以下の公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HPより確認できます。

公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HP:試験実施予定

「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」海外でも可能

2019年にミャンマーで、2020年にフィリピンで「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」が実施されています。

さいごに

在留資格、特定技能の「ビルクリーニング」分野での雇用について説明いたしました。

各業界に共通する人手不足には、特定技能外国人が即戦力として活躍できることで解消されることが期待されています。

日本人従業員に代わって外国人を雇用する際には、制度上の規定にそって行うことと、外国人が長く働ける労働環境と体制づくりが必要となるでしょう。

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