特定技能介護|就労できる条件・1人夜勤について
特定技能「介護」で外国人材が就労できる条件、今後の特定技能「介護」の動向、特定技能「介護」外国人が従事できる業務、夜勤の条件・夜勤する時の注意点について解説します。

目次
「介護業界で特定技能外国人を受入れる方法は?」「介護で特定技能外国人は1人夜勤をしても大丈夫?」など、 介護業界における特定技能介護外国人の就労条件や1人夜勤について気になる方も多いのではないでしょうか。 実際、介護業界の人材不足により、外国人を雇用して1時間でも長く働いてもらいたい思いが強い企業も多いはずです。 とくに夜勤であればなおさらでしょう。この記事では、介護業界における特定技能介護外国人の就労条件や1人夜勤を中心に解説していきます。
1.特定技能「介護」外国人の就労は今後より活発になる!?
現在の日本は少子高齢化の影響もあり、産業界で深刻な人手不足を抱えています。労働力不足の背景もあって、 2019年4月に「特定技能」と呼ばれる在留資格制度が誕生しました。特定技能は日本の担い手不足を解消するために、スキルを兼ね備えた外国人が日本で就労する制度です。 技能実習と違い、本格的に戦力として期待される外国人であるのも特徴。政府が外国人に頼って、日本の労働力不足を解消するために動いたのです。
介護業界はとくに特定技能外国人の受入は朗報であり、2024年までに6万人を上限とする特定技能外国人を受入れると発表されました。 介護業界はどの企業も喉から手が出るほど人材を確保したいため、今後介護業界における特定技能外国人の活躍は増えていくでしょう。
2.特定技能「介護」で2号資格はない
特定技能にはスキルや在留期間に応じて1~2号まで存在します。1号より2号がより熟練された技能を持っている証とされているのです。 しかし、介護分野では特定技能2号対象の職種からは外れました。後ほど紹介しますが、介護業界には「介護福祉士」があり、介護福祉士が特定技能2号に相当するためと言われています。 そのため、介護業界における「特定技能」は特定技能1号のことを指します。
3.特定技能「介護」外国人が従事できる業務
特定技能外国人ができる仕事は「身体介護」と呼ばれる業務です。具体的には食事・排泄・入浴・移乗などの介助が対象となります。 加えて、介護施設で行われるレクリエーション・リハビリ・簡易トレーニング・などにも従事できるのが特徴。基本的には日本人と同様の業務範囲であるため、育成次第では戦力として計算が立つでしょう。 しかし、特定技能外国人は訪問介護には従事できませんので、その点は念頭に置く必要があります。 サ高住(サービス付き高齢者住宅)は、外部の介護サービスを使う住宅という扱いですので、サ高住も特定技能外国人は雇用できません。
4.特定技能「介護」外国人が就労できる条件
特定技能外国人が日本で就労するには4つの方法があります。それぞれ順番に見ていきましょう。
試験に合格する
特定技能外国人が日本で就労するためには、試験に合格する方法があります。試験には「介護技能評価試験」と「日本語試験」、 そして「介護日本語評価試験」があり、これら3の試験に合格してはじめて特定技能1号の在留資格が得られるのです。日本語試験は、 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上のどちらかに合格する必要があります。
技能実習2号を修了する
介護分野で技能実習2号を修了すれば、前述の試験なしで特定技能1号の在留資格が得られます。 技能実習2号の修了条件は技能実習を2年10か月以上修了し、所定の試験に合格するか現場管理者の評価が一定以上なされた場合に該当します。 所定の試験合格者が多くない事実があるため、実際には現場管理者の判断によって特定技能1号の在留資格が得られています。
EPA介護福祉士候補者として在留期間満了(4年間)の方
特定技能1号の在留資格はEPA介護福祉士候補者としての在留期間満了した方も得られます。 EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定(EPA)に基づいて日本の介護施設で研修を行い、介護福祉士資格取得を目指し来日した外国人です。 対象国はベトナム、インドネシア、フィリピンの3か国になります。
介護福祉士養成施設を修了する
介護福祉士養成施設を修了した外国人も特定技能1号の在留資格を得られます。技能実習2号やEPA介護福祉士候補者としての在留期間満了と同じく試験なしであることも魅力です。
5.特定技能「介護」外国人の1人夜勤は可能?
特定技能外国人は介護職の1人夜勤が可能です。厚生労働省は「介護分野における『特定技能』の保持者は、 人員配置基準に就労と同時に算定することが可能とする」と発表しており、特定技能1号在留資格保持者は日本人と同等のスキルを持っていると認識しています。 夜勤についても「日本人職員とチームでケアに当たり、サポートを行うこと」とあり、容認しているのが分かります。 そのため、現在は特定技能外国人に夜勤1人で行わせている企業もあり、労働力確保につながっているのです。 介護技能実習生については1人夜勤が認められていませんので、特定技能「介護」は使い勝手のよい制度と言えます。
6.特定技能「介護」外国人に1人夜勤を任せる際の注意点
特定技能外国人に1人夜勤を任せるのは非常に業務効率が良いです。しかし、デメリットや注意点も存在しますので、 確認した上で業務に取りかかりましょう。具体的な内容について次から順番に説明していきます。
体調に気を配ってあげる
特定技能外国人に1人夜勤を任せる際、体調管理には気を配ってあげましょう。日本に何年も在留していると言っても、 やはり母国とは違いプライベートでもストレスがかかるもの。加えて仕事のリズムが変わったり、1人夜勤で頼れる先輩が居ない状況だったりすれば体調を崩してしまう可能性もあります。 そのためにも、日頃から優しい言葉をかけて労わってあげるのが大切です。そんな一言から救われ、仕事のモチベーションアップに繋がっていくでしょう。
日頃からロールプレイングをしておく
特定技能外国人に1人夜勤を任せる際、日頃からロールプレイングをしておくといいでしょう。1人夜勤は同僚や上司が誰もおらず、 すべて1人で判断して業務を行っていく必要があります。思わぬ事態に巻き込まれたり、日勤ではありえない業務があったりと、夜勤は予想もしない状況が起こるのも事実。 そのため、特定技能外国人の判断力向上の為に、あらゆる事態を想定したシミュレーションをしておくのがおすすめです。在留期間が長いため、 日本語が流ちょうに話せる特定技能外国人が一般的ですが、中には対応できない方もいます。夜勤はトラブルがつきものなので、日々ロールプレイングをしておくといいでしょう。
仮眠を取っておく
特定技能外国人に1人夜勤を任せる際、仮眠が取れなくなる場合は想定しておきましょう。夜勤は日によって業務量にバラつきがあります。 夜勤は仮眠ができるのが一般的ですが、業務過多になれば休憩が取れないケースも。あらためて体調管理は手徹底しておく必要があります。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は介護業界における特定技能介護外国人の就労条件や1人夜勤を中心に解説しました。 介護業界は慢性的な労働力不足を抱えていますが、解消手段の一つとして特定技能外国人の雇用があります。特定技能外国人は技能実習2号修了や試験に合格できれば採用可能。 直近は政府の後押しもあり、特定技能外国人の雇用に踏み切っている企業が多いです。上手く雇用すれば1人夜勤として業務がまわるだけでなく、企業全体の業績アップにも繋がります。本記事をあらためて参考にし、介護業界で特定技能介護外国人の雇用を検討していきましょう。
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