外国人社員の生活に関する不安を払拭するには?

外国人社員が日本で生活する上どんなことを不安に感じているのか、どんなことを一人で行うことが難しいのかを説明しています。その不安を払拭するための支援方法や具体的に必要な支援について解説します。

外国人社員の生活に関する不安を払拭するには?

目次

  1. 外国人が抱える不安
    1. 公的手続きや病院などでの日本語が理解できない
    2. 生活のルールが分からない
    3. 住宅探しが困難
    4. 災害に対する不安
    5. 日本語力への不安
    6. クレジットカードの作成
    7. 携帯電話契約ができない
  2. 不安への解決策
    1. 外国人社員と積極的にコミュニケーションをとる
    2. 生活支援担当を設ける
    3. 日本語支援をする
    4. 登録支援機関と支援契約を締結し、支援を依頼する

外国人の採用を考えているが、仕事以外での面をサポートできる自信がない、どんなことをサポートしたらいいのか分からない、という方も多いと思います。
この記事では外国人が日本で生活しながら感じている不安とその不安を払拭するためのサポート方法を紹介します。

1.外国人が抱える不安

1-1 公的手続きや病院などでの日本語が理解できない

  • 役所で行う手続きの日本語が難しくて理解できない
  • 銀行の口座開設の作成方法が分からず、手続きができない
  • 日本語ができず、電気、ガス、水道の契約ができない
  • 具合が悪く病院へ行ったが症状を日本語で伝えることができない

日本に来たばかりの外国人がよく直面する問題です。日本では特に日本語以外の言語で対応してくれる役所や病院などが少なく、まだ日本での生活をはじめたばかりの外国人にとっては難易度が高いです。日本に来てすぐ手続きをしなければならない住民票の届け出、銀行の開設などは一人で行うことは難しくサポートが必要です。

1-2 生活のルールが分からない

外国人が生活のルールが分からず、よく困ることはゴミの捨て方です。

  • 自治体指定のごみ袋の存在を知らない
  • ゴミの分別方法が分からない
  • ゴミを出すタイミングが分からない

外国人が初めて日本で生活をするとき、上記の点を理解できていないことが多いです。
入居時に大家さんから、ゴミの回収曜日と時間の案内をされていることが多いですが、可燃ゴミと不燃ゴミの区別などの細かいルールを理解していることは少ないです。
大家さんや近隣の方からゴミ出しについて注意されているかもしれませんが、日本語が十分に理解できていないうちは、何が悪くて注意をされているのか理解できていません。
こちらに関しても身近な日本人のサポートが必要です。

もう一つ生活のルールで外国人に理解が必要なのは交通のルールです。
日本と外国では交通のルールが異なります。
私たち日本人が当たり前と思っている交通ルールでも外国人にとっては当たり前ではなく、日本で生活していくときには日本の交通ルールを理解して守らなければなりません。
外国人社員がよく利用する交通機関のルールや日本の独特なルールなど教えてあげてください。
また、交通ルールの理解のために、母国と日本の交通ルール文化を話題に日本のルールを教えてあげるのもいいかもしれません。

1-3 住宅探しが困難

外国人が日本で賃貸住宅を探し、契約することはとても大変です。
外国人だからと大家さんや管理会社に入居を断られるケースがたくさんあります。

  • 日本語能力が不十分だから
  • 言葉が通じないのでトラブルが発生した時に対応できない
  • 契約内容を理解してもらえないのではないか
  • 日本の不動産システムや慣習を理解していない
  • 日本の生活ルールを知らない
  • そもそも外国人の入居を全面的に断る大家さんが相当数存在する
 

このように、様々な理由で外国人は簡単には賃貸住宅に入居できません。

中には見た目だけで外国人だからと門前払いをする大家さんもいます。
日本語の能力が不十分な外国人は特に住宅探しと契約などの手続きが難しいです。
外国人を採用する企業の方々には住宅探しが非常に難しいことを理解していただき、少しでもサポートしていただけたらと思います。

1-4 災害に対する不安

日本は災害大国として有名です。
私たち日本人は地震や台風、大雨などの災害と隣合わせで生活していて、避難の知識や防災対策が植え付けられています。
しかし、外国人からしたら地震や台風は怖いもの、危ないものという認識はあるかもしれませんが、それぞれにおける避難の知識や防災対策は知らないことが多いです。
もし地震が来たときはどのような行動をするべきなのか、台風が来る前の日にどんな対策をしないといけないのか危険からの身の守り方の教育が必要です。
初めての災害、知らない土地での災害はとても怖いものです。
普段理解できる日本語も理解できず災害に対する情報収集ができない可能性もあります。
災害に遭遇した際は、外国人社員を気にかけてあげる、正しい情報を提供してあげるなどのサポートが必要です。

1-5日本語力への不安

今まで紹介してきた外国人が生活で抱える悩みはここに行き着きます。
日本語力があればこれらほとんどの悩みは解決できます。
外国人社員の生活に関する不安を払拭するためには日本語教育支援が重要なのです。

≪解決方法はこちら≫

1-6クレジットカードの作成

日本のクレジットカードを作成するのは外国人にとってハードルがとても高いのが現状です。
クレジットカードはたくさん種類がありますが、ほとんどのクレジットカードは外国人が申し込んでも審査が通りません。しかし、あまり知られていませんが、一部のクレジットカード会社は外国人会員勧誘に積極的です。
その情報を日本に来たばかり外国人自身が収集するのは難しいです。
また、申し込み自体も記入項目が多く、日本語での説明ばかりで一人で行うのは難しいです。
審査では申込用紙の記入で日本語力が確認され、合否に関わるケースもあります。
作成するクレジットカード選びや申し込み用紙の記入等、クレジットカードの作成にも日本人の支援が欠かせません。

1-7携帯電話契約ができない

日本人として日本で暮らしていると、携帯電話の契約携帯電話会社に行って契約すればいいだけだと思いますが、外国人は携帯電話の契約は簡単にはできません。
日本では少し前まで携帯端末とSIMカードをセットで購入し、携帯電話契約することが一般的でした。
しかし、海外では携帯端末とSIMカードは別々に購入と契約をします。
日本でも最近は格安SIMが普及してきましたが、大手キャリアの携帯電話会社での契約の場合従来の携帯端末とSIMカードのセット販売での購入、契約となるケースが多いです。
その文化の違いを理解できず、SIMカードだけの購入を望んでいたのに、セット販売での購入、契約をしてしまうことがあります。

また、携帯電話の契約の審査は外国人に対して厳しいです。
特に分割での契約の場合審査が通りにくいです。

審査基準の例は以下のようなものがあります。

  • 支払いはクレジットカード決済または口座振替でできるのか
  • 在留期限が、分割支払いが終わるまで残っているのか
  • 契約者が、日本語が流暢であるのか

日本に来たばかりの外国人が一人で自分が望んでいる携帯電話の契約をするのはかなりハードルが高いです。特に、日本の携帯電話契約はプランも多く、複雑であるため、日本人のサポートが必要です。

2.不安への解決策

2-1外国人社員と積極的にコミュニケーションをとる

どなたでも今すぐに実践できる方法です。
業務以外の内容で積極的にコミュニケーションをとってあげてください。
日ごろのコミュニケーションから外国人が生活に対して不安があることを感じたり、相談してきてくれたりすることで今どんなことに不安を感じているのか理解してあげてください。
不安の内容に応じて難しい手続きはサポートしてあげたり、正しい情報を探してあげてやさしい日本語で説明してあげたりして抱えている不安の手助けをしてあげてください。
また、入国したばかり、入社したばかりの外国人社員にはこの記事であげた不安について、順調に物事を進めることができているのか確認してあげるのも有効的な手段です。
新しい場所での生活は、最初は誰にでも不安があります。
何も言っていないから問題なく順調に進んでいるのだろうではなく、些細なことでも気にかけて本人に確認してあげてください。

2-2 生活支援担当を設ける

外国人社員の生活をサポートするために、生活支援担当を設けている企業も多くあります。
生活支援担当とは、外国人社員に対して、職員や社員の担当者を決めサポートすることです。
技能実習生を受け入れる際は、生活支援担当の設置が義務付けられていますが、他の在留資格での受け入れの場合、義務ではありません。
しかし、外国人社員としては誰に相談していいのかわからない、忙しそうなので聞くタイミングが分からず相談できないケースが多いです。
サポートする担当者を決めておき、定期的に面談を行うことができる環境があると、外国人社員も不安に感じていることを相談しやすいと思います。

生活支援担当者は1.外国人が抱える不安で挙げた項目を1つ1つ丁寧に支援、サポートしてあげてください。
特に日本に来たばかりの外国人には手続きなどを一緒に行ってあげる必要があります。

2-3日本語支援をする

日本語ができるようになると、先ほど紹介した外国人が生活で抱える不安のほとんどが解消されます。
不安を少しでも失くしてあげるためには日本語支援が欠かせません。
日本語の支援といっても何をサポートしてあげたらいいのか分からないという企業の方は、「MJ Space」を紹介してあげてください。
「MJ Space」はミャンマー人向けに開発した日本語の教育が無料で受けられるオンラインサイトです。
また、Facebookページには日本語の教育のほかに日本の文化や観光などの紹介をしています。
MJ SpaceのFacebook 
MJ SpaceのYoutube 

2-4 登録支援機関と支援契約を締結し、支援を依頼する

  • 支援業務への労力と時間削減
  • 特定技能の雇用打ち切りとなる可能性が下がる
  • 転職される可能性が低くなる

    特定技能外国人人材を採用した場合の支援計画の概要

  • 特定技能外国人への事前ガイダンス
  • 出入国する際の送迎
  • 住居探し支援
  • 銀行口座開設支援
  • 役所住民登録支援
  • 電気ガス水道契約支援
  • 携帯電話契約支援
  • クレジットカード作成支援
  • 日本語教育支援
  • ゴミ出しルール指導
  • 医療機関情報提供
  • 日本人との交流促進支援
  • 相談・苦情に対する母国対応
  • 災害・防犯情報提供
  • 定期的な面談
  • 交通ルール教育
  • 特定技能雇用契約を解除された場合の転職支援
  • 行政機関への通報

外国人社員が不安なく生活できるためには、一緒に働く方々のサポートがかかせません。
今何を不安に感じているのかヒアリングしてあげて、日本人だから取得できる情報を共有してあげる、日本人だから力になれる部分をサポートしてあげてください。

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