【介護職種】特定技能1号と技能実習の違いーメリット・デメリット

介護職種の特定技能と技能実習において制度の違いとメリットとデメリットを徹底解説。両者の特徴を比較しながら、ケース別でどちらの在留資格を選ぶのがよいかや、おすすめなどをご案内いたします。これから外国人の雇用を検討している事業者様は必見の内容です。

【介護職種】特定技能1号と技能実習の違いーメリット・デメリット

目次

  1. 介護職種において技能実習と特定技能1号はどちらがよいか
  2. 特定技能のメリット(技能実習のデメリット)
    1. 人員配置基準に配属後すぐに算入できる
    2. 新設から3年間未満でも導入できる
    3. 初年度から常勤介護職員数まで採用できる
    4. 法的な制限が少ない
    5. 配属までの手続きにかかるコストが安い
  3. 技能実習のメリット(特定技能のデメリット)
    1. 在留期間が長く、最大で合計10年働ける
    2. 転職ができないので雇用が安定する
  4. 介護職種での特定技能1号と技能実習の選び方
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介護職種において特定技能1号と技能実習はどちらがよいか

特定技能1号と技能実習はどちらがよいかとよく聞かれます。

答えは「双方にメリット・デメリットがある」と言えるでしょう。
事業者様の事情などにより、そのメリット・デメリットの判断は分かれるようです。

ここではその介護職種における、それぞれの在留資格の違い(どちらがよいか?、メリット・デメリット)について、下記の関連ページをもとに解説します。

特定技能のメリット(技能実習のデメリット)

人員配置基準に配属後すぐに算入できる

特定技能で外国人を雇用した場合は、事業所に配属後すぐに人員配置基準に加えることができます。

一方で、技能実習で外国人を雇用した場合は、実習生を事業所に配属してから、6ヶ月間は人員配置基準に算入できません。

度重なる介護報酬の削減や人材不足などにより、経営状態が悪化している事業者様もあるようです。
そのような中で、外国人を雇っても、国から介護士として認めてもらえない(人員配置基準にカウントできない)ということは、つまり、もうひとり介護士を雇わなければならなくなるということです。

日本政府が技能実習において、6ヶ月間人員配置基準に含めないという判断をした理由は、EPA(経済連携協定)と同様な人員配置基準にしないと、EPA制度を利用する人たちから苦情が来るからと言われています。
この日本政府の判断は事業者にとってはとてもつらいものですが、すぐには覆すことはできません。

ですから、外国人介護士を配属後すぐに人員配置基準に入れたい、とおっしゃる事業者様は、技能実習よりも特定技能を選ぶことになります。

つまり、人員配置基準の観点からは、技能実習よりも特定技能に軍配が上がるということになります。

新設から3年間未満でも導入できる

特定技能においては、新設の事業所でも外国人の雇用が可能です。

一方で、技能実習においては、施設開所後3年間は技能実習生の受け入れができません。

特に事業展開を積極的に実施している事業者様においては、新設事業所で外国人介護士を受け入れることができないのは、とても困ることのようです。
なぜなら、新設事業所こそが一番人手を集めるのに苦労するからです。

ですから、新設事業所をお持ちの事業者様において、外国人の雇用をする場合は、特定技能を選ぶケースが多くなると思われます。

つまり、新設事業所で外国人介護士を導入できるかどうかにおいては、技能実習よりも特定技能に軍配が上がるということになります。

初年度から常勤介護職員数まで採用できる

次に、外国人介護士の雇用における受け入れ人数枠については、技能実習よりも特定技能のほうがメリットが多い(雇用できる人数が多い)です。

技能実習においては、初年度は例えば1事業所の常勤介護職員数が60名の場合は、外国人技能実習生を6名しか採用することができません。
次年度になれば、最初の6名が技能実習2号に移行するため、技能実習1号の枠が空き、また追加で6名採用できます。
3年目も同様で、二期生の6名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、さらに追加で6名採用できます。
つまり、常勤介護職員数が60名の事業所においては、3年間で18名まで技能実習生が雇用できます。

対して、特定技能は初年度から、常勤介護職員の数まで一気に雇用ができます。

1号特定技能外国人の受け入れ人数枠は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を超えないこととされます。

「日本人等」については、次に掲げる外国人材はそれに含まれます。

  • 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
  • 在留資格「介護」により在留する者
  • 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格により在留する者

つまり「日本人等」の中には、技能実習生・EPA介護福祉士候補者・留学生は含まれません。

介護業界では、深刻な人材不足に悩んでおられる事業者様がとても多い状態です。
いくら待っても人材が来ない。
いくら費用をかけても人材が採用できない。
よい人材が採用できない。
入社してもすぐに辞めてしまう・・・

人材獲得に関する悩みは尽きないようです。

技能実習においては、受け入れ人数枠の制限が大きいので、外国人を採用したとしても、それでも職員が足りないという状況はすぐには解決できない場合があります。

したがって、人材不足に困っている事業者様は、常勤介護職員数まで一気に外国人を雇用できる特定技能を選ぶことになります。

つまり、採用できる人数枠(受け入れ人数枠が大きいかどうか)においては、技能実習よりも特定技能に軍配が上がるということになります。

法的な制限が少ない

2019年の初め頃から、日本政府(外国人技能実習機構)の技能実習に対する締付けが厳しくなりました。

技能実習認定取り消し(朝日新聞)
技能実習認定取り消し(朝日新聞)

それまでは事実上許されていたことが、外国人技能実習機構の取り締まりが突然強化され、次々に新聞沙汰になるほどになったのです。

具体的には、技能実習計画に基づいた作業を忠実に実施していないと法律違反として、実習取消処分になるようになりました。
また、36協定など、労働基準法に違反すると、これも実習取消処分になるようになりました。

実習取消になると、これはもう悲劇です。

まず、企業は技能実習生を全員雇えなくなります。つまり人材不足に陥ります。
そして最も悲劇的なのは、技能実習生の行き場がなくなることです。
技能実習生が日本に来るためにかけた時間、費用が無駄になってしまうのです。
中には日本に来るために借金を背負った技能実習生は、その借金が返せなくなってしまいます。

ですから、このような悲劇が起こらないように、監理団体は企業に対して法令遵守をチェックするため、厳しく監査・巡回をしなければなりません。

具体的には、監理団体は毎月、技能実習先の企業を回り、事業者と実習生にヒヤリングを行います。
そして賃金台帳や出勤簿をチェックして労働基準法違反がないかどうかチェックします。
そして国に報告できるよう、記録を残すのです。

対して、特定技能においては、そのような厳しい規制はありません。
仕事内容についても、一度出入国管理庁(入管)の審査が通れば、事業所内のどのような作業をしてもほぼ許されます。
毎月の巡回・監査は不要ですし、3ヶ月に1回の国への報告が必要なだけで、技能実習と比べると、制限はとても少ないのです。

つまり、雇用上の制限が少ないという観点においては、技能実習よりも特定技能に軍配が上がるということになります。

配属までの手続きにかかるコストが安い

次に、コストの面から見ると、外国人の雇用においては、技能実習よりも特定技能のほうがメリットが多い(コストが安い)と言えます。


  • コスト安の要因①:巡回・監査コストがかからない
  • コスト安の要因②:入国後講習が不要
  • コスト安の要因③:外国人技能実習機構への申請が不要

コスト安の要因①:巡回・監査コストがかからない

前項で述べたとおり、技能実習においては制約事項が大きく、監理団体が毎月厳しい巡回・監査を実施しなければなりません。
これが直接的に技能実習生を採用する事業者のコストにはね返ってきます。

技能実習の1名当りにかかる月額費用は、監理団体にもよりますが、約5万円が相場のようです。
対して特定技能においては、登録支援機関に支払う月額費用は約25,000円が相場です。

つまり、巡回監査コストがかからないことから、月額費用は、技能実習よりも特定技能のほうがコストが安いと言えます。

※但し、特定技能においては、職種別協議会への入会が必須であり、その入会金および月額会費が別途必要になることが予想されます。介護分野はその費用は未発表です。

コスト安の要因②:入国後講習が不要

また、特定技能においては、入国後講習が義務付けられていないため、入国後講習にかかるコストが全くありません。

対して技能実習においては、原則320時間の入国後講習が義務付けられており、これは約2ヶ月に相当します。
ミャンマー・ユニティは、介護技能実習における厳しい講習講師要件をクリアした講師をミャンマーで雇用していますので、ミャンマー・ユニティから送り出された技能実習生は入国後講習が160時間(一ヶ月)で済みますが、通常は約2ヶ月の入国後講習が必要になります。

入国後講習は、入国直後の技能実習生に寮に住んでもらい、研修施設で研修をするというものです。
その寮の費用と研修費用で10万円程度かかることが多いようです。
実習生は研修期間中は収入がないため、生活をするために「研修手当」を支給する必要があります。
この手当は一ヶ月6万円が相場のようです。

したがって、技能実習においては、入国後講習が義務付けられているために、一ヶ月の入国後講習の場合は約16万円、二ヶ月の入国後講習の場合は約32万円かかるということです。

つまり、特定技能は入国後講習が不要という意味においては、技能実習よりかなりコストが安くなります。

コスト安の要因③:外国人技能実習機構への申請が不要

技能実習においては、技能実習計画を外国人技能実習機構に提出して認可を得る必要があります。
技能実習計画の認可のためには、膨大な資料を準備する必要があり、相当な手間や時間がかかります。

そしてその後さらに入管に申請して、在留資格認定証明を取得して、やっと技能実習生が入国できます。

対して、特定技能においては、外国人技能実習機構への申請は不要で、入管に在留資格認定証明の申請が必要なだけです。

ですから、当然特定技能のほうが技能実習よりも申請にかかる時間や手間という点でコストがかからなくなります。

申請コストを企業から徴収する方法は、監理団体や登録支援機関によってまちまちではありますが、いずれにしてもどこかでこの申請コストがかかってきます。

つまり、特定技能は、外国人技能実習機構への申請が不要という意味において、技能実習よりもコストが安いと言えるのです。

技能実習のメリット(特定技能のデメリット)

在留期間が長く、最大で合計10年働ける

技能実習のメリットは「合計10年働ける」ということです。

技能実習は最長5年です。
しかし、技能実習を3年(技能実習2号まで)実施していれば、無試験で特定技能1号に移行することができます。

特定技能1号では5年働くことができるため、技能実習を3年実施した後、特定技能1号へ在留資格を変更すれば、技能実習期間と合わせて合計8年働くことができます。
また、技能実習を5年(技能実習3号)実施した後、特定技能1号へ在留資格を変更すれば、最大で合計10年働くことができます。

一方、特定技能については、現状介護職種は特定技能2号への移行対象ではないため、1号期間のみの雇用となり、最長でも5年の雇用期間となります。

1人の外国人介護士をできるだけ長い期間雇用したい事業者様は、まず技能実習での受け入れを行い、特定技能1号へ在留資格を変更することで長期雇用が可能となります。

つまり、働ける年数で考えますと、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。

技能実習最大10年雇用の例

転職ができないので雇用が安定する

次に、技能実習のメリットは「転職がない」ということです。

技能実習は、日本政府(外国人技能実習機構)が、特定の事業者(事業所)において、特定の技術を習得する目的で外国人に日本在留を許可するというスタイルです。

ですから、仕事の種類(作業)も就業場所も自由に変えることができません。

つまり、転職という概念がないのです。

事業者様の一番の悩みは、離職率が高いことです。

採用しても、採用しても、辞められてしまう。その繰り返しに困り果てている事業者は少なくありません。

事業者様の声を聞くと、離職率が30%、35%というお話もよく聞きます。
そうなると、事業者様の人事部は、年中採用活動に忙殺されます。

それでも、なかなか採用できない。
採用コストはかさむし、すぐに辞められてしまう現状があります。

そのような状況の中、「転職」という概念がない技能実習は、事業者様にとっては大きなメリットを感じるようです。

逆に特定技能においては、転職はほぼ自由です。(特定技能を受け入れることを許可されている事業者に転職可能です)

多大な費用・手間・時間を費やして外国から招き入れた外国人に、一瞬のうちに転職されてしまうとしたら、それは事業者にとっては「絶対に避けたいこと」と映ることが多いようです。

つまり、転職があるかないか、という観点で言えば、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。

介護職種での技能実習と特定技能1号の選び方

以上をまとめると、下記のようになります。

★特定技能1号がおすすめ

  • 雇用後すぐに人員配置基準に参入したい場合
  • 新設の事業所で外国人を雇用したい場合
  • 雇用初年度から最大人数を雇用したい場合
  • 法的な制限を最小限にとどめたい場合
  • コストを抑えたい場合

★技能実習がおすすめ

  • 1人の外国人を長期雇用したい場合(最大10年)
  • 転職の心配を最小限にとどめ安定的な雇用をしたい場合

介護職種に限定しても、特定技能1号と技能実習のどちらで外国人を雇用するのがよいかは、事業者様の状況によってこれだけ変わってきます。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解し、何を重要視するかで判断することが求められます。

ご自身の事業所において、どちらの外国人材を雇用するのがよいか等、ご不明な点がありましたら、ミャンマー・ユニティまでお気軽にお問い合わせください。

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