-
2024.12.02日本と海外のビジネスマナーの違いとは
目次
日本と海外のビジネスマナーの違い
まずは、日本と海外のビジネスマナーの違いについて見ていきましょう。
挨拶の違い
日本と海外のビジネスマナーでは、挨拶が違います。
日本では名刺を渡すのがマナーとされていますが、東アジアを除く海外では必ずしも名刺を渡すのがマナーとは限らず、握手だけで済ませることも珍しくありません。
形式的な挨拶が主流の日本と比べて、海外は人情的な挨拶が主流です。
相槌の違い
日本と海外のビジネスマナーでは、相槌も違います。
日本では「えー!」「はー!」とオーバーリアクションをする傾向にあり、ペコペコと何度もお辞儀するのも日本人ならではのリアクションと言えるでしょう。
対して、アジア諸国を含む海外では目を見ながら耳を傾けて聞く傾向にあり、リアクションも控えめな場合が多いです。
言い回しの違い
言い回しが違うのも日本と海外の違いと言えるでしょう。
日本は曖昧な表現で回りくどい言い回しをする人が多く、上下関係を意識するあまりなかなか意見できない人がいますが、海外はストレートな表現をする人が少なくなく、アジアの国でもあっても、個人主義が大切にされている国も多いです。
人によって言い回しは変わりますが、本音や建て前はあまり通用しないため、飾らないコミュニケーションが求められます。
仕事の価値観の違い
日本ではプライベートを犠牲にして仕事をする人が多い一方、海外では仕事よりプライベートを大事にする人が少なくありません。特にアジア諸国では、家族と楽しい時間を過ごすことを最重視する傾向があります。
例えば、日本では残業する人が称賛される傾向がありますが、海外では定時で帰る人ほど仕事ができると認識される傾向にあります。
人間関係の違い
日本と海外では、人間関係の違いも顕著と言えるでしょう。
日本では職場の人は職場の人と割り切っている人が多いのに対して、海外は職場の人と家族ぐるみの付き合いをする人も少なくありません。
どちらかというと仲間意識があり、ビジネスというよりはファミリーのような関係性が求められることがあります。日本人からすると不思議な感覚かもしれませんが、外国人からすると「一緒に働く人=仲間」なのです。特にアジア諸国出身の方にとっては、日本での職場の人との付き合いは物足りなく思うかもしれません。
飲み会の違い
日本と海外では、飲み会にも違いがあると言えるでしょう。
日本では上司・部下・同僚など、仲の良さに関係なく飲み会に参加する傾向にあります。対して、海外では仲の良い人同士で飲みに行く傾向にあり、強制参加の飲み会はほぼありません。飲み会を強制するとハラスメントと捉えられることがあるからこそ要注意です。特に東南アジアでは宗教上・習慣上お酒の席が一般的でない国もあります。ギャップに対する対処法
次に、ギャップに対する対処法について見ていきましょう。
わかりやすい日本語を使う
日本で働く外国人労働者の中には、日本語を流暢に話せない人が一定数いるため、わかりやすい日本語を使うのが良いです。
最近では瞬時に翻訳してくれるアプリやサイトもあるので、よりコミュニケーションを取りやすい環境を整えておくのも良いと思います。
オノマトペをすぐに用いない
日本人のコミュニケーションでよく見られるオノマトペは、外国人に通用すると思っている人もいますが、実はほとんど通じません。
オノマトペとは「ワンワン」「ニャンニャン」「サラサラ」「ぷにぷに」など、自然の音や動物の声、植物の見た目などを音で表現した言葉です。
一見するとオノマトペは国際的な場でも通用しそうな響きがあるのですが、ワンワンと聞いて犬、ニャンニャンと聞いて猫と思い浮かべられるのは日本人だけとされています。
外国人にいきなり擬音語・擬声語・擬態語を使用しても余計わかりにくくなるだけなので、極力オノマトペは使わないようにしましょう。
コミュニケーションを取る
日本人と外国人との溝を埋めてくれるのは、やはりコミュニケーションです。
「言葉が通じないから」とコミュニケーションを避けていると、両者の溝は一向に埋まらないどころか、壁ができてしまっても仕方ありません。大切なのは言葉ではなく、心と心で通じ合えるかどうかなので、正確な単語や文法を用いようとしなくて良いでしょう。
お互いに笑顔で話しているだけで何を言っているか100%理解できなくてもコミュニケーションは成立するため、ぜひ積極的に話しかけてみることを推奨します。
もちろん、恥ずかしいと思う必要は一切ありません。
ジェスチャーで伝える
オノマトペは通用しませんが、ジェスチャーならある程度は通じます。
例えば、メモして置いてほしい際は「ペンを持った手で紙に書くジェスチャー」をすることである程度通じますし、電話してほしい時は「受話器を耳に当てるジェスチャー」をすることである程度通じるはずです。
喜怒哀楽も表情である程度は読み取れるからこそ、無理に英語や日本語でコミュニケーションをしないようジェスチャーを交えるのも良いでしょう。
ただ、相手の出身国によってはジェスチャーの意味が変わるため、気を付けなければいけません。例えば、日本では人を呼びたい状況で手招きすることがありますが、国によっては「あっちに行け」とやっているように見えるので、注意しなければなりません。
親指を立てるサムズアップや人差し指・中指を立てるVサインも国によっては余計な誤解を耐えることがあるからこそ、ジェスチャーは慎重に行いましょう。ビジネスマナーでの注意点
最後に、ビジネスマナーでの注意点について見ていきましょう。
従来のやり方に固執しない
従来のやり方に固執すると、余計な誤解を生むことがあります。
日本にはまだまだ現代の働き方に順応できていない会社が多く、古くからのやり方に固執している企業も少なくありません。例えば、海外では電子的なやり取りが主流になってきているのに対し、日本では未だに紙の書類でやり取りしているところもあるでしょう。
必ずしも新しいやり方に順応すべきとは言いませんが、外国の人と働く場合は従来のやり方に固執しないことも考えておきたいです。
ハラスメントに敏感になる
海外は日本よりもハラスメントに厳しい国があり、地域によってはちょっとした発言や行動がセクハラ・パワハラとして訴えられることがあります。
ちょっとしたコミュニケーションのつもりで行った行動や放った発言が誤解を招き、信頼関係が崩壊してしまうこともあるでしょう。そのため、ことハラスメントにおいてはセクハラ・パワハラに十分ご注意ください。
気を付けていても相手の捉え方次第でハラスメントになることがあるので、信用を失わないためのコミュニケーションを身につけることが肝心です。
理想を押し付けようとしない
日本の理想的な働き方と海外の理想的な働き方とでは乖離があって当然で、どちらかが理想を押し付けようとすると衝突の原因となります。
実際に外国人労働者に対して日本のやり方を押し付けることでトラブルに発展していることがあるため、理想は理想として一度切り離して考えることが重要です。
仕事の進め方は人によって違うため、理想的なやり方を押し付けたからと言って効率よく仕事ができるとは限りません。むしろ、アドバイスや助言が委縮させてしまうことに繋がることもあるので、理想ではなくお互いに働きやすい環境作りを進めていくことが大切ではないでしょうか。まとめ
日本と海外のビジネスマナーは、挨拶や相槌、言い回しや仕事の価値観、人間関係や飲み会など多種多様な場面で違います。
育ってきた環境が違うだけに、仕事のやり方もそれぞれ違って当然です。
ただ、そのまま放置するとお互いに気持ち良く仕事ができなくなってしまう可能性があるため、お互いにギャップを埋めていくことが求められるでしょう。
例えば、正確な単語や文法を用いようとせずに話したり、オノマトペをすぐに用いないようにしたりするだけでも違います。他にも積極的にコミュニケーションを取ったり、ジェスチャーで伝えたりすることで信頼関係を育むことが可能です。
まずは信用を築くことが求められるので、誤解を生まないよう注意しつつ積極的に会話・交流してみましょう。 -
2024.11.29日本語能力試験(JLPT)はどんな資格なのか?
目次
日本語能力試験(JLPT)とは?試験の概要と特徴
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない学習者の能力を測定するための試験で、N1からN5の5段階で構成されています。
JLPTはどんな試験?基本情報を解説
JLPT(日本語能力試験)は、日本語を母語としない人々を対象に、その日本語能力を測定するための試験です。主に「読む力」と「聞く力」の2つを評価し、N1からN5まで5段階のレベルで構成されています。N1が最も難しく、日常会話やビジネスでの高度な日本語を理解する能力を求められ、N5は基本的な単語や表現の理解を重視しています。
この試験は、日本での就職活動や大学入学に役立つだけでなく、特定技能ビザの取得にも必要とされています。また、JLPTの結果はスコア形式で提供されるため、自分の強みや弱点を具体的に把握することが可能です。試験は年2回、日本国内外のさまざまな地域で実施され、多くの受験者にとって日本語学習の目標となっています。
JLPTと日本語検定の違い
項目 日本語能力試験(JLPT) 日本語検定 主な対象者 日本語能力試験(JLPT) 日本語を母語とする日本人、および日本語学習者 試験の目的 日本語を母語としない外国人 日本語の知識や運用能力の評価(文法、語彙、漢字など) レベル区分 日本語能力の測定と認定(特に読む力と聞く力) 1級(最上級)から7級(初級)までの7段階 試験内容 N1(最上級)からN5(初級)までの5段階 語彙、文法、漢字、敬語、表記、言葉の意味・使い方など 実施頻度 言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解 年3回(6月、10月、2月) 実施地域 日本国内および海外の多くの国と地域 主に日本国内/td> 評価方法 合否判定(各セクションでの基準点をクリアする必要あり) 点数制(各分野ごとの得点で総合評価) 活用例 日本での就職、進学、在留資格申請など 自身の日本語力の確認、企業の社員教育、教育機関での指導など 主催団体 日本国際教育支援協会(JEES)および国際交流基金(JF) 特定非営利活動法人日本語検定委員会 公式ウェブサイト 日本語能力試験公式サイト 日本語検定公式サイト JLPT(日本語能力試験)と日本語検定は、日本語能力を測る試験ですが、目的や評価基準に明確な違いがあります。JLPTは主に日本語を母語としない外国人を対象とし、実用的な日本語能力を測定します。日本語検定は日本人・外国人を含む層を対象とし、日本語の知識や運用力を深く評価する試験です。
また、評価方法も異なります。JLPTは「合否制」で、「できること」を重視します。例えば、N1では複雑な文章の理解力が求められます。
日本語検定は「点数制」で、文法、漢字、語彙などを細かく採点します。このため、日本語能力試験(JLPT)は実務における日本語能力証明に向きで、日本語検定は学術的な日本語の理解力を示すのに適しています。
これらの違いを理解し、自分の目的に合った試験を選ぶことが重要です。
日本語能力試験の受験者数と人気の背景
日本語能力試験(JLPT)は、世界で最も受験者数の多い日本語試験として知られています。2023年時点で、年間の受験者数は約120万人を超えており、その人気は年々高まっています。この試験が多くの人々に選ばれる理由は、日本語学習者にとって具体的なメリットがあるからです。
まず、JLPTは日本の大学入学や企業での採用時に、日本語能力を証明する資格として活用されます。就職活動において高い評価を受けるN1やN2は、受験者の多くがこれらのレベルを目指します。また、特定技能ビザや高度人材ポイント制など、日本での滞在や就労にも影響する試験であるため、外国人労働者や留学生にとって重要な資格となっています。
さらに、試験は80以上の国と地域で実施され、受験しやすい環境が整っています。この国際的な普及率と実用性がJLPTの受験者数を押し上げる要因となっています。日本語能力試験を受験するための条件と試験情報
日本語能力試験(JLPT)は年齢や国籍を問わず受験可能で、N1からN5までのレベルに応じた柔軟な受験が特徴です。
日本語能力試験を受験するための条件
日本語能力試験(JLPT)を受験するための条件は、基本的に年齢や国籍に関わらず、誰でも受験が可能という点が特徴です。特に、日本語を学ぶ目的や能力レベルに応じて、N1からN5までの5段階の試験レベルを選べる柔軟な制度が整っています。これは、日本語を母語としない学習者を広く受け入れるための配慮といえます。
ただし、同一年度内に複数の試験レベルを受けることはできません。受験者は自分の実力に合ったレベルを慎重に選ぶ必要があります。また、試験の申し込みには、各試験会場が指定する期限内に手続きが必要です。特に海外で受験する場合は、地域ごとに申し込み方法が異なるため、公式サイトで詳細を確認することが推奨されます。
これらの条件を理解し、早めに準備を進めることでスムーズに受験が可能になります。
試験申し込み方法と注意点
日本語能力試験(JLPT)の申し込みは、主にオンラインで行われます。日本国内では、日本語能力試験公式サイトにて専用アカウントを作成し、希望する試験レベルや会場を選んで申し込む流れです。支払い方法にはクレジットカードやコンビニ払いなどが利用でき、手続きの簡便さが特徴です。
一方、海外での受験では、地域ごとに指定された窓口やウェブサイトを通じて申し込みます。申し込み期間は国内外で異なるため、早めに確認することが重要です。また、期限を過ぎると受付が一切行われないため、スケジュール管理が求められます。
注意点として、申し込み後の試験会場や試験レベルの変更はできないため、事前に慎重に選ぶ必要があります。また、定員制の会場が多く、人気の高い都市では早期に定員が埋まる可能性があるため、可能な限り早めの申し込みを心掛けましょう。日本語能力試験のレベルと難易度
日本語能力試験(JLPT)はN1からN5までの5段階に分かれ、レベルが上がるほど高度な日本語能力が求められます。
日本語能力試験のレベルと理解目標(N1~N5)
レベル 理解目標 N1 抽象的な文章や専門的な内容を理解し、会話や文章を正確に解釈できる高度な日本語能力を目指す。 N2 日常的な会話やニュース記事などをある程度理解できる能力を求められる。 N3 日常生活で使われる日本語を理解し、簡単な会話や文章を扱えるレベル。 N4 基本的な表現や文型を用いた日本語が理解できる段階。 N5 日本語学習の基礎となる単語や表現を理解し、簡単な文を読む、聞く能力を持つ学習の入口レベル。 日本語能力試験(JLPT)は、N1からN5まで5段階のレベルに分かれています。それぞれのレベルには、具体的な理解目標が設定されており、受験者の日本語能力を総合的に評価します。
最も高度なN1は、抽象的な文章や専門的な内容を理解し、会話や文章を正確に解釈できることを目指します。N2では、日常的な会話やニュース記事などをある程度理解できる能力が求められます。N3は、日常生活で使われる日本語を理解し、簡単な会話や文章を扱えるレベルです。N4は、基本的な表現や文型を用いた日本語が理解できる段階で、N5はその基礎中の基礎を学ぶための入口となります。
このように、各レベルは学習者の進捗に応じた目標を設定しており、自分の能力や学習目的に合わせて挑戦できる仕組みです。
日本語能力試験の難易度と合格率
日本語能力試験(JLPT)の難易度は、N5からN1に向かうほど高くなります。N5は基本的な単語や文型を理解する初級レベルで、比較的短期間の学習で合格を目指せる一方、N1は高度な読解力や聴解力が求められ、専門的な日本語能力が必要です。
合格率は、レベルによって異なります。N5やN4では比較的高い傾向があり、40~50%の受験者が合格しますが、N1になると合格率は約30%前後まで下がります。この差は、試験内容が難易度に応じて大きく異なることが要因です。
2024年の試験結果
レベル 受験者数 合格者数 合格率 N1 117,940人 39,272人 33.3% N2 171,162人 65,575人 38.3% N3 177,151人 71,792人 40.5% N4 157,053人 64,207人 40.9% N5 57,147人 28,586人 50.0% 試験は総得点だけでなく、各セクション(言語知識、読解、聴解)で基準点をクリアする必要があります。そのため、全体的な実力が求められる試験であり、バランスの取れた学習が合格への鍵となります。
日本語能力試験N1がもたらす利点
日本語能力試験(JLPT)のN1取得は、日本語を学ぶ上での最終目標とされ、多くの利点をもたらします。その中でも、特に就職や学術分野での評価が高いことが挙げられます。日本国内外の企業では、N1が高度な日本語能力を証明する資格として認識されており、ビジネスシーンでの信頼性を向上させる大きな武器となります。
さらに、日本の大学や大学院への進学を希望する場合、N1の取得は入学要件の一つとして求められることが多く、学問分野での可能性を広げます。また、N1は高度人材ポイント制の対象となり、在留資格の取得や永住権申請においても有利に働く点が特徴です。
このように、N1取得は学業や仕事、さらには日本での生活全般において多くのメリットをもたらすため、多くの学習者が目指す目標となっています。日本語能力試験を受検する目的とメリット
日本語能力試験(JLPT)は、日本語学習の成果を測るだけでなく、就職や進学、在留資格取得において大きなメリットをもたらします。
日本語能力試験を受検する主な目的
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を学ぶ多くの人々にとって、学習の成果を確認し、目標を達成するための重要な試験です。受験する主な目的として、まず自分の日本語能力を客観的に測定し、学習の進捗を確認することが挙げられます。
さらに、JLPTの認定資格は、学業や仕事でのステップアップに直結します。特にN1やN2の取得は、日本国内外での就職活動において高く評価され、採用条件として掲げられる企業も多いです。また、進学を目指す学生にとっては、大学や専門学校の入学要件として活用されます。
そのほか、JLPTの合格は日本の在留資格申請や、永住権取得の際にも有利に働きます。このように、JLPTは学業、仕事、生活のあらゆる面で役立つ目的を持つ試験として、多くの人々に利用されています。
就職で有利になる資格としての活用法
日本語能力試験(JLPT)は、日本国内外での就職活動において非常に有用な資格です。特にN1やN2のレベルは、多くの企業で日本語能力の証明として認識されており、履歴書に記載することで応募者の強みをアピールできます。
例えば、国内の企業では、N1を取得している場合、ビジネスレベルの日本語を扱える証拠となり、職場での即戦力として評価されやすくなります。一方、N2でも日常会話や業務でのやり取りができることを示せるため、接客業やサービス業など幅広い分野で役立ちます。
また、海外の企業においても、JLPTの認知度は高く、日本との取引を行う企業では特に重要視されます。この資格を取得することで、日本語スキルの証明だけでなく、異文化理解やコミュニケーション能力の高さを示すことができます。
在留資格「特定技能」に必要なN4の重要性
在留資格「特定技能」を取得するためには、日本語能力試験(JLPT)のN4合格が必須条件となっています。この資格は、日本での就労を希望する外国人労働者が、一定の日本語能力を証明するための基準として活用されています。
N4レベルの日本語能力は、基本的な日常会話が可能で、簡単な文章を理解し、自分の考えを伝えられる力が求められます。このスキルは、実際の職場でのコミュニケーションや生活の中での問題解決に直結します。そのため、N4を取得することで、日本での職場環境や生活にスムーズに適応できる準備が整います。
さらに、「特定技能」は介護や製造業など、日本国内で人材不足が深刻な業種への道を開く資格でもあります。N4の取得は、これらの分野で働きたい外国人にとって、初めの一歩として極めて重要な意味を持ちます。日本語能力試験と実務での活用ポイント
日本語能力試験(JLPT)の資格は就業や採用での評価に活用されますが、実務では試験だけでは測れない実践的な日本語能力が求められます。
日本語能力試験と実務で求められる会話力の差異
日本語能力試験(JLPT)は、日本語の「読む力」と「聞く力」を中心に評価する試験であり、特定のスコアや合格ラインで能力を証明します。しかし、実務ではそれ以上に「話す力」や「適応力」が求められる場面が多く、この点で試験の結果と実際の業務能力に差異が生じる場合があります。
例えば、JLPT N1を取得している人であっても、ビジネスシーンで使われる丁寧語や敬語を自然に使いこなすのが難しい場合があります。一方で、N2やN3の取得者でも、日常業務での実用的な会話をスムーズにこなせる人もいます。このように、試験結果が必ずしも即戦力を意味しないことに注意が必要です。
そのため、企業や職場では、JLPTの結果に加えて、受験者の実務経験や会話練習の頻度を確認することが重要です。試験と実務の違いを理解し、具体的な育成プランを立てることが効果的です。
採用後の日本語教育が必要な場合のポイント
外国人を採用した場合、JLPTの結果だけでは職場で必要とされる日本語能力が十分でないことがあります。そのため、採用後に適切な日本語教育を実施することが重要です。教育のポイントとして、まず業務内容に直結する専門用語やフレーズのトレーニングが挙げられます。業務に必要な表現を優先的に教えることで、早期に実務へ適応させることが可能です。
さらに、会話練習も欠かせません。特に、顧客対応や社内でのコミュニケーションに焦点を当てたロールプレイ形式の練習は、実践力を高める効果があります。また、日本特有のビジネスマナーや文化的な背景を理解するための研修も併せて行うと、職場での摩擦を減らすことができます。
定期的な評価とフィードバックを取り入れることで、教育の進捗を確認し、改善点を柔軟に調整することも大切です。これらの取り組みにより、採用後の日本語能力向上が効率的に進むでしょう。日本語能力試験の勉強方法と試験対策
日本語能力試験(JLPT)で合格を目指すには、レベルに応じた効率的な勉強方法と試験対策を実践することが重要です。
日本語能力試験過去問の効果的な活用法
日本語能力試験(JLPT)で合格を目指すには、過去問を活用することが非常に効果的です。過去問を使うことで、試験の形式や出題傾向を理解し、効率的な学習計画を立てることができます。
まず、試験直前に過去問を解くだけでなく、学習の初期段階から定期的に取り入れることが重要です。例えば、初めて過去問に取り組む際は、全体の時間配分や難易度を把握することに集中しましょう。その後、間違えた箇所や理解が浅い分野をピックアップし、重点的に復習することで弱点克服に繋がります。
さらに、リスニング問題を練習する際は、繰り返し音声を聞いて、内容を聞き取る力を養うことが効果的です。また、過去問を解いた際の得点を記録し、進捗を可視化することで学習モチベーションを維持できます。過去問は試験対策において欠かせないツールと言えるでしょう。
レベル別の試験勉強のポイント
日本語能力試験(JLPT)の学習では、各レベルに応じた勉強法を取り入れることが成功の鍵です。N1からN5までのレベルごとに必要なスキルが異なるため、自分の目指すレベルに適した学習計画を立てましょう。
N1を目指す場合は、専門的な読解力とリスニング力が重要です。新聞記事や学術論文などの難易度の高いテキストを読むことで、内容を深く理解する練習を積むと効果的です。N2では、日常生活や職場で使用される文章に触れ、語彙や文法の幅を広げることに注力します。
一方、N3やN4を受ける人は、基本的な文法や会話表現を確実にマスターすることが必要です。N5では、日本語学習の基礎となるひらがなやカタカナ、簡単な漢字の読み書きに重点を置きましょう。各レベルに適した教材を選び、計画的に学習を進めることが合格への近道です。まとめ
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を学ぶ多くの人々にとって、能力を証明し学習目標を達成するための重要な試験です。N1からN5までのレベルごとに設定された目標に沿って、効率的な勉強法や過去問の活用が合格への鍵となります。また、試験の結果は就職や進学、在留資格取得において大きなメリットをもたらし、日本国内外での認知度も高いです。JLPTは単なる試験を超え、日本語を学ぶ上での道しるべとして、多くの学習者にとって価値ある挑戦と言えるでしょう。
-
2024.11.27外国人と上手くコミュニケーションをとるポイント・コツ
目次
外国人との上手なコミュニケーションの取り方
まずは、外国人との上手なコミュニケーションの取り方について見ていきましょう。
相手の話に対して真摯に対応する
外国人とのコミュニケーションで最も重要なのが、相手の話に対して真摯に対応することです。日本にいる外国人の中には英語や日本語がある程度話せる人もいますが、労働者として来日した方の中には、言葉が誤っていたり表現が間違っていたりすることがあります。
それでも相手が何を伝えようとしているのか理解しようと努めることでお互いに気持ち良いコミュニケーションが取れるようになるからこそ、真摯な対応を心がけましょう。
英語を交えて話すようにする
英語を交えて話すことで、外国人とのコミュニケーションがスムーズになります。
日本にやってくる外国人労働者の中には、英語を勉強してから来日する方も多く、英語だけなら話せるという人が少なくありません。
日本人にとって英語でのコミュニケーションはやや大変かもしれませんが、単語だけでの会話もできるため、要所に英語を交えて話すのがおすすめです。
日本語をシンプルにまとめる
日本語をシンプルにまとめることで、外国人とのコミュニケーションがよりスムーズになります。
日本にやってくる外国人労働者の多くは日本語を勉強してから来日するので、簡単な日本語であれば理解できる人も少なくありません。
外国人にとって日本語でのコミュニケーションは難しいですが、限りなくシンプルにすることでより理解が深まるはずです。
明確な表現で伝えるようにする
外国人と日本人のコミュニケーションで決定的に異なるのが、曖昧な表現をする点です。
全員が全員そうではありませんが、外国では言葉や表現を濁すことはあまりしません。日本では相手の感情に寄り添ったり、忖度したりする際に曖昧な言葉を使用することがあるのですが、外国人に対して行うと真意が伝わりません。
曖昧な表現で相手に察してもらおうとすると余計な勘違いが生まれる原因となるからこそ、本音と建前には気を付けることを推奨します。
やり取りしやすい環境を作る
最近では瞬時に翻訳できるアプリやソフトがあるため、コミュニケーションの時に活用するのがおすすめです。翻訳アプリや翻訳ソフトを使用すれば、多種多様な言語に対応できて、あらぬ誤解を生むことを避けられます。
翻訳の精度は年々レベルアップしており、最近では口語・文語のどちらにも適した言葉・表現にしてくれるものが登場しています。アプリやソフトによっては簡単な単語であれば難なく翻訳してくれるため、よりスムーズなコミュニケーションが可能と言えるでしょう。もちろん、お互いの母国語を勉強して、よりやり取りしやすい環境を作るのもおすすめです。
やり取りしやすい環境を一度構築すればお互いに気を遣わずにコミュニケーションできるようになり、さらなる信頼関係の構築に繋がるのではないでしょうか。
外国人との会話で大切なこと
次に、外国人との会話で大切なことについて見ていきましょう。
アイコンタクトを行う
外国人との会話では、アイコンタクトを行うようにしてみてください。
日本人は大抵の人が「人の目を見て話しなさい」と教わるため、相手の目を見てきちんと話す人がほとんどだと思います。ただ、外国人が相手だと「うまくコミュニケーションが取れるのか」との懸念から、目を逸らしたまま会話する人もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本人同士であれば、目を見て話さなくても「人見知りなのかな」と勝手に察してくれますが、外国人だと「会話を拒否された」と感じる人もいるので、注意が必要となるでしょう。コミュニケーションを行うなら、しっかりと相手の目を見て話すべきです。
言葉や表現が多少すれ違っても、目を見て話すだけでお互いに信用できる相手だと認識できるのではないでしょうか。
ジェスチャーを入れる
外国人との会話では、ジェスチャーを入れるようにしましょう。
ただ顔をじっと見て話されると相手も気圧されてしまうため、身振り手振りを入れながら会話することを心がけてみてください。一見するとただのジェスターには意味がないように見えますが、相手の注意を引いたり、会話に抑揚を持たせたりする効果が期待できます。
身振り手振りで説明することで相手に紳士的な態度が伝わるのはもちろん、うまくリアクションを引き出すことが可能です。自分自身がオーバーにリアクションすることで相手も会話しやすくなるので、普段より大袈裟に返答するのが良いでしょう。
内容を適宜確認する
本人が言わんとしていることと自分自身が受け取った言葉・表現の間には齟齬が生まれている可能性があるため、業務の確認や作業の指示は適宜確認するのが望ましいです。仕事で外国人労働者と会話する場合は、ミスが発生しないようより細かく確認することが求められます。
日本人とは仕事に対する考え方そのものが違うからこそ、内容に関しては細かく伝えておくのが良いでしょう。
マニュアルを作成するのはもちろん、間違いやすい業務・作業についてアドバイスを行って置くことで、より仕事に取り組みやすくなります。コミュニケーションの一環として助言すれば相手も真剣に聞いてくれるので、ぜひ内容確認を含めて「何が必要なのか」を具体的に伝えておくのがおすすめです。
間違いを恐れない
日本人が英語でコミュニケーションを取ろうとする際、大抵の人は「正しい文法でなければいけない」と考えがちです。本来、英語は単語だけでも十分通じますし、多少文法が間違っていても伝わります。
しかし、日本人は言葉や表現の間違いを恐れるあまり、外国人との会話については口下手になってしまう人が珍しくありません。
確かに正しい文法を使用するのは大切ですが、必ずしもすべての文法が合っていないといけないわけではありません。外国人が間違った文法の日本語を話していても特に気にならないように、日本人が間違った文法の英語を話していても指摘されることはありません。
単語の間違いなどは誤解を生みやすいからこそ注意が必要ですが、正しい言葉や表現を使用しようと意識しすぎるのは避けるのが良いでしょう。
ゆっくりと話す
日本語は同じ意味にもかかわらず違う単語を使用することがあり、外国人にとってはその点が何回と受け取られることがあります。中には、早口で説明する人もいますが、難解な日本語を外国人が100%理解するのは困難です。
そのため、ゆっくりと話すように意識してください。
1つ1つの単語や表現が伝わるようゆっくりと話すことで、相手も聞き逃すことなく頭で理解しながら受け止めてくれます。外国人が相手だと緊張して早口になる人もいるかもしれませんが、ゆっくりと会話できるようになれば意思疎通もスムーズになるはずです。外国人との交流の注意点
最後に、外国人との交流の注意点について見ていきましょう。
誤解を生まないようにする
日本語は英語と違って似たような発音のものが多く、話し手の活舌や聞き手の聴力によって歪曲して伝わることがあるため、誤解を生まないよう細心の注意が必要です。
例えば、よくあるのが「大丈夫」という言葉です。日本人は許諾する意味で「大丈夫です」と言うことがありますが、反対に断る意味で「大丈夫です」と言う場合もあります。
これは日本人同士なら何となくニュアンスで伝わりますが、外国人にとってはなかなか伝わりにくい言葉・表現と言えるでしょう。上記の例で見ると「いいです」なども同様の誤解が生まれやすいので、どういうニュアンスで発したものなのかわかるようお伝えください。
孤立しないように工夫する
外国人労働者の中には、慣れない異国で孤立していることがあるため、職場の人たちは本人が孤立しないよう工夫してあげると良いでしょう。
例えば、食事に誘ったり、勉強に誘ったりするなど、単に仕事の場以外でコミュニケーションが取れる場を設けることで、より相手と意思疎通しやすくなります。連絡先を交換して普段からメールやラインをするなど、文面でのやり取りも効果的です。
お互いに繋がっていると意識することで孤立を防ぎ、お互いに助け合える関係になれるのではないでしょうか。
文化や歴史の違いに配慮する
文化や歴史の違いに配慮することは、とても重要です。
日本の常識が外国で通用するとは限らず、ちょっとした文化や歴史の違いからお互いに誤解が生まれてしまうことがあります。
日本人はプライベートよりも仕事を優先する傾向にありますが、外国人は仕事よりもプライベートを優先する傾向があるなど、働き方1つでも価値観は変わってくるため、両者がお互いのことを尊重する必要があるでしょう。まとめ
外国人とのコミュニケーションでは、相手の話に対して真摯に対応する、英語を交えて話すようにする、日本語をシンプルにまとめる、明確な表現で伝えるようにする、やり取りしやすい環境を作ることを意識しましょう。
加えて、外国人との会話ではアイコンタクトを行う、ジェスチャーを入れる、内容を適宜確認する、間違いを恐れない、ゆっくりと話すことが重要です。
他にも、外国人との交流では誤解を生まないようにする、孤立しないように工夫する、文化や歴史の違いに配慮することが求められます。
まずは相手が外国人であるということにあまり気負いせず、コミュニケーションを楽しむ気持ちで接してみてください。そうすることで、きっとお互いに良い人間関係が築けるのではないでしょうか。 -
2024.11.27特定技能2号とは何?取得条件と試験情報を解説します
目次
特定技能2号とは?その概要と目的
特定技能2号とは、人手不足が深刻な分野で、熟練した技術と経験を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。特定技能1号からステップアップした形で、より高度なスキルが求められます。主に長期的な就労やリーダーとしての役割を期待され、更新回数の制限がなく、家族帯同も可能になる点が大きな特徴です。
特定技能2号の定義
特定技能2号は、特定技能1号と同じく、特定の業種において外国人労働者の就労を認める在留資格の一種です。ただし、1号と異なり、特定技能2号では、より高度な専門知識や熟練した技能が求められます。この資格を持つ外国人は、現場での指導者や管理者的な立場を担い、業務の効率化やチームのまとめ役として貢献することが期待されています。
特定技能2号の最大の特徴は、在留期間の更新に制限がないことです。これにより、外国人労働者が長期間日本で働き、生活基盤を築くことが可能になります。また、条件を満たせば家族を日本に呼び寄せることも可能で、永住権取得の道を開く可能性もあるため、外国人にとって非常に魅力的な資格と言えます。
この資格が適用される業種は、建設、農業、自動車整備など幅広く、2023年には対象分野がさらに拡大しました。特定技能2号は、外国人労働者だけでなく、企業にとっても人材不足解消や事業の安定運営に寄与する制度です。
特定技能2号が求められる背景
特定技能2号が導入された背景には、日本の深刻な人手不足があります。特に建設業や農業などの分野では、少子高齢化の影響で若年労働力が減少し、業務を維持するための労働力確保が課題となっています。そのため、これらの分野で専門知識や高度な技能を持つ外国人材を活用する必要性が高まりました。
また、特定技能1号だけでは、短期間の労働や単純作業に限定されるケースが多く、熟練者を育成することが難しいという課題がありました。特定技能2号は、その解決策として設計されており、外国人労働者が長期間にわたって就労できる制度として機能しています。
さらに、日本政府は特定技能2号を通じて、外国人労働者の職業スキル向上と現場のリーダー人材の確保を目指しています。これにより、単なる労働力の補填ではなく、日本の産業全体の競争力強化や持続可能な成長を支援することが期待されています。
特定技能1号との違い
特定技能1号と2号は、求められる技能や資格の面で大きな違いがあります。1号は比較的簡単な試験や実務経験で取得可能ですが、2号は高度な専門性と熟練技能が必要です。また、在留期間や権利にも重要な違いがあります。
1号では在留期間が通算5年までと制限されていますが、2号には更新回数の上限がありません。そのため、2号取得者は長期にわたって日本で働くことが可能です。また、1号では家族の帯同が認められていませんが、2号では条件を満たせば家族を呼び寄せることができます。
さらに、特定技能1号では企業が支援計画を策定し、生活や業務のサポートを行う義務がありますが、2号ではこの義務がなくなります。これにより、外国人労働者が自主的に生活を送ることが前提となります。
これらの違いにより、特定技能2号はより高い責任を伴う仕事や長期的なキャリア形成を目指す人材に適した資格となっています。特定技能2号の取得条件
特定技能2号を取得するには、分野ごとの技能試験に合格し、必要な実務経験を証明することが求められます。分野によっては日本語能力試験を要する場合もあるため、事前の確認が重要です。
各分野における技能試験と要件
特定技能2号を取得するためには、対象となる分野ごとに指定された技能試験に合格する必要があります。この試験は、外国人がその分野で熟練した技能を有していることを証明するためのものです。試験内容は分野ごとに異なり、建設分野では「建設分野特定技能2号評価試験」が行われ、外食業では「外食業特定技能2号技能測定試験」が実施されます。試験は、学科試験と実技試験の両方を含む場合が多く、業務の実務的なスキルが問われます。
また、一部の分野では試験に加えて、技能検定1級やビジネスキャリア検定などの認定資格を取得することで、特定技能2号を申請できる場合もあります。特に製造分野では技能検定1級が求められることが一般的です。
受験資格には、一定の実務経験が必要とされるケースが多いため、試験申し込み前に要件を確認し、十分な準備を行うことが重要です。
実務経験の具体例と証明方法
特定技能2号を取得するには、分野ごとに定められた実務経験を満たす必要があります。この実務経験は、単に働いた年数ではなく、具体的な業務内容や役職が求められることが一般的です。例えば、外食業では店舗管理を補助する副店長やサブマネージャーの役職で、2年以上の経験が必要とされています。また、建設分野では、班長や職長として現場の指導・管理に携わった実績が求められます。
証明方法としては、在職証明書や業務内容を具体的に記載した文書を企業に作成してもらう必要があります。この書類には、勤務期間、役職、担当業務の詳細が記載され、場合によっては管理業務の実績を明記することが求められます。これらの書類は、試験申し込み時や在留資格申請時に必要となるため、事前に企業と相談して準備を進めることが大切です。
日本語能力の必要性と試験の有無
特定技能2号の取得には、分野によって日本語能力が要件となる場合があります。具体的には、外食業や漁業などでは日本語能力試験(JLPT)のN3レベル以上が求められます。これは、業務での日本語使用頻度が高く、コミュニケーション能力が重視されるためです。
一方で、建設や農業といった分野では、日本語能力試験の合格を必須としていない場合もあります。ただし、試験自体はすべて日本語で実施されるため、専門用語や試験問題を理解できる程度の日本語力が必要です。
また、日本語能力試験の代わりに分野特有の専門知識を問う試験が実施されることもあるため、自分が目指す分野で何が求められるかを事前に確認することが重要です。企業からのサポートを活用して、日本語力向上に努めることが成功への鍵となるでしょう。特定技能2号の対象分野と試験情報
特定技能2号の対象分野は11に拡大されており、それぞれの分野で技能試験が実施されています。試験内容や実施状況は分野ごとに異なり、最新情報の確認が重要です。
対象分野一覧とそれぞれの特徴
特定技能2号は、2023年に対象分野が2分野から11分野に拡大されました。これにより、より多くの業界で熟練技能を持つ外国人材の受け入れが可能となりました。対象分野は以下の通りです。
-
1. 建設:工事現場での指導や管理が必要とされ、特定技能2号では特に高度な専門知識が求められます。
-
2. 農業:耕種農業や畜産において、作業者を指導・監督する役割を担います。
-
3. 漁業:漁船での操業管理や養殖場の作業工程の指導が主な役割です。
-
4. 外食業:店舗管理や複数の従業員の指導など、飲食店の運営に貢献します。
-
5. 飲食料品製造業:食品加工ラインの管理者として活躍する場面が多いです。
-
6. 宿泊:フロント業務や接客だけでなく、スタッフの教育やシフト管理を担当します。
-
7. 自動車整備:整備業務に加え、若手スタッフへの技術指導が求められます。
-
8. ビルクリーニング:清掃業務のリーダーとして、作業者を管理します。
-
9. 造船・舶用工業:溶接や造船の現場での高い技術力が必要です。
-
10. 製造業:金属加工や電気機器組み立てなど、精密な作業の指導が求められます。
-
11. 航空:航空機整備や空港グランドハンドリング業務における指導的な役割が期待されます。
各分野では異なる技能や役割が求められるため、自分の経験や目指すキャリアに合った分野を選ぶことが重要です。
分野別の試験実施状況と試験内容
特定技能2号の試験は分野ごとに異なり、2024年現在、多くの分野で試験が実施されています。ただし、試験の進行状況や実施頻度には分野ごとに違いがあるため、注意が必要です。
例えば、建設分野では「特定技能2号評価試験」が全国的に実施されており、試験内容は学科試験と実技試験で構成されています。農業分野では、耕種農業や畜産業に関する実践的な試験が行われ、実務経験の証明が必須となります。一方、航空分野では2024年時点でまだ試験が開始されておらず、試験実施の予定を確認する必要があります。
試験内容は、基本的な技術や専門知識を問う学科試験と、現場での作業を想定した実技試験が一般的です。また、試験言語は日本語が主流であり、専門用語や技術に関する理解力が問われます。
試験の詳細情報やスケジュールは、各分野の試験運営機関や省庁のウェブサイトで確認可能です。試験実施の頻度や申請締切が分野によって異なるため、事前にスケジュールを把握しておくことが重要です。
最新の試験情報を得る方法
特定技能2号の試験情報を常に最新の状態で把握することは、受験を成功させるために欠かせません。情報収集には、以下の方法が効果的です。
-
1. 公式ウェブサイトを確認する
各分野の試験運営機関や関連省庁の公式ウェブサイトが最も信頼性の高い情報源です。例えば、農業分野なら農林水産省、建設分野なら建設技能人材機構のサイトを確認することで、試験のスケジュールや申込方法を把握できます。 -
2. 試験運営団体のメール通知サービスを利用する
多くの試験運営団体では、最新の試験情報をメールで通知するサービスを提供しています。登録しておくことで、新しい試験スケジュールや変更情報を見逃すことがありません。 -
3. 関連するニュースやセミナーに参加する
特定技能関連のニュースや情報セミナーでは、最新の試験情報や対策が共有されることがあります。特に業界団体が主催するセミナーは、試験の実務的なアドバイスも得られるためおすすめです。 -
4. 企業からのサポートを活用する
受験者が所属する企業は、試験に関する詳細情報を入手していることが多く、試験の申し込みや書類準備に協力してくれる場合があります。企業と密に連絡を取り合い、必要な情報を共有してもらいましょう。
これらの方法を活用して、確実に試験情報を入手し、計画的に準備を進めることが大切です。
特定技能2号取得のメリットと注意点
特定技能2号は、外国人労働者にとって長期的な就労や家族帯同が可能な大きな利点があり、企業にとっても熟練した人材を確保できる点で魅力的です。ただし、要件の厳格さや準備の必要性には注意が必要です。
外国人労働者にとっての利点
特定技能2号を取得することで、外国人労働者はより安定した日本での生活とキャリア形成を実現できます。主な利点は以下の通りです。
-
1. 在留期間の制限がない
特定技能1号のような5年間の在留制限がなく、更新を続ける限り長期にわたって日本に滞在できます。このため、帰国を考えることなく、安心して生活や仕事に集中できます。 -
2. 家族の帯同が可能
一定の条件を満たせば配偶者や子どもを日本に呼び寄せることができ、家族と共に生活することが可能になります。これにより、単身赴任による精神的負担を軽減できます。 -
3. キャリアアップの道筋が明確
特定技能1号からのステップアップとして、特定技能2号は高いスキルと経験を証明するものです。これにより、企業内での昇進や他業界への転職の選択肢が広がります。 -
4. 永住権取得の可能性
特定技能2号の在留資格は、永住権取得の条件を満たしやすい点も大きな利点です。永住権を得ることで、さらなる安定した生活が可能となります。
このように、特定技能2号は外国人労働者にとって、生活面でもキャリア面でも多くのメリットを提供します。
受け入れ企業にとってのメリット
特定技能2号を取得した外国人労働者を受け入れることで、企業にも多くの利点が得られます。
-
1. 熟練した人材の確保
特定技能2号は高い技術や知識を持つ労働者に付与されるため、業務の効率化や品質向上に貢献します。特に、専門性の高い分野では即戦力として期待できます。 -
2. 長期的な雇用が可能
在留期間の上限がないため、特定技能1号よりも長期的な雇用が可能です。これにより、教育やトレーニングにかけたコストを回収しやすくなります。 -
3. マネジメントの負担軽減
特定技能2号を取得した労働者は、経験豊富なため、他のスタッフの指導や現場の管理を任せることができます。これにより、企業の管理負担が軽減されます。 -
4. 国際的な競争力の向上
多様な人材を受け入れることで、企業の国際的な競争力が高まります。特に、グローバル展開を目指す企業にとって、外国人労働者の雇用は重要な要素となります。
これらのメリットにより、特定技能2号の労働者は企業にとって重要な戦力となります。
注意すべきポイントと課題
特定技能2号には多くの利点がありますが、取得や雇用にあたって注意すべき点も存在します。
-
1. 取得要件の厳格さ
特定技能2号は高い実務経験や技能試験の合格が必要であり、準備に時間と労力がかかります。受験者のキャリア計画を早めに立てることが重要です。 -
2. 実務経験の証明
申請には企業側が実務経験を証明する書類を用意する必要があります。これに伴い、過去の雇用データや評価を正確に管理しておくことが求められます。 -
3. 試験情報の取得
試験は分野ごとに実施されるため、最新の試験情報を把握し、受験者に適切なサポートを行う必要があります。 -
4. 文化や言語の壁
労働者が高い技能を持っていても、日本語や文化の理解が十分でない場合、コミュニケーションの課題が生じる可能性があります。これに対応するための社内研修が重要です。 -
5. 法律や手続きの理解不足
企業が特定技能2号の制度や手続きに十分な知識を持っていない場合、雇用に関するトラブルが発生する可能性があります。専門家や行政機関のサポートを活用することが推奨されます。
これらの課題をクリアすることで、特定技能2号の利点を最大限に活用できるようになります。
特定技能2号取得を目指すためのステップ
特定技能2号の取得には、試験準備から実務経験の証明、そして企業と労働者の連携が不可欠です。取得後はキャリア形成や永住権取得の道も開けます。
受験準備のポイントと学習方法
特定技能2号取得には、分野ごとに設定された試験への合格が必要です。そのため、効果的な学習と計画的な準備が重要になります。
まず、試験範囲の把握が最初のステップです。各分野には専門的な試験内容が設定されており、公式資料や過去の問題例を確認することで、試験の傾向を理解できます。また、試験言語が日本語である場合が多いため、日常会話レベル以上の日本語能力も求められます。
次に、学習方法の選択です。参考書やオンライン教材を利用して独学するほか、特定技能試験のための専門学校やセミナーに参加する方法もあります。これにより、実技や理論について実践的な学習が可能です。
さらに、時間管理の重要性を忘れないでください。特定技能試験は働きながら受験準備をするケースが多いため、スケジュールを組み、無理なく継続できる計画を立てることが成功の鍵となります。
企業と外国人労働者の協力の重要性
特定技能2号取得の過程では、労働者と企業の協力が欠かせません。企業の支援がなければ、試験準備や必要な書類の提出が難しくなる場合があります。
例えば、実務経験の証明が重要な要素です。特定技能2号の申請には、企業が発行する実務経験証明書が必要であり、適切な書類作成のためには企業の協力が不可欠です。過去の実績や役割を正確に記録し、書類としてまとめることが求められます。
また、労働者が試験に合格するためには、企業によるサポート体制も重要です。試験に必要な知識や技術を現場で学ぶ機会を提供したり、外部セミナーへの参加を推奨したりすることが効果的です。これにより、労働者のモチベーションが向上し、試験準備が円滑に進むでしょう。
さらに、コミュニケーションを密にすることも必要です。労働者が目指しているキャリアパスを共有し、それを支援する企業の姿勢を示すことで、信頼関係が深まります。
取得後のキャリア形成と永住権取得の可能性
特定技能2号を取得した後のキャリア形成には、多くの可能性が広がります。この資格を活用して長期的なキャリアを築くことが可能です。
まず、特定技能2号は在留期間に上限がないため、長期間の就労が可能になります。これにより、安定した雇用環境のもとでスキルを磨き続けることができます。また、現場での経験を重ねることで、リーダーや管理職への昇進も期待できます。
次に、特定技能2号は永住権取得の条件を満たしやすい資格です。永住権を得ることで、在留資格の更新手続きが不要となり、日本での生活がさらに安定します。これにより、家族を呼び寄せるなど、生活の幅を広げることが可能です。
さらに、特定技能2号取得者は、他業種への転職やスキルアップの選択肢も増えます。特定技能2号を持つことで、日本国内外での市場価値が高まり、新たな挑戦が可能になります。
取得後は、これらの利点を活かして計画的にキャリアを構築し、長期的な目標を達成することが重要です。まとめ
特定技能2号は、日本の労働市場において外国人労働者と企業の双方にとって大きな可能性を秘めた在留資格です。更新制限がないため、長期的な雇用が可能で、家族帯同や永住権取得への道も開かれています。また、企業にとっては、高度な技能を持つ即戦力となる人材を確保できるという点で大きなメリットがあります。しかし、取得には厳しい試験や実務経験が必要であり、労働者と企業双方の協力が欠かせません。準備段階からしっかりと計画を立て、最新の試験情報を収集することが成功への鍵です。この資格を通じて、外国人労働者のキャリア形成と、日本の産業の発展がさらに進むことが期待されます。
-
-
2024.10.10特定技能に林業分野が追加決定
目次
特定技能に林業分野が追加決定!
林業従事者の減少が続く中、林業の現場で欠かせない育林や素材生産などの作業を担う即戦力として、外国人労働者の導入を図る政策が発表されました。この政策は、若手技術者の確保や高齢化問題の解消に繋がり、林業の存続・発展に大きな期待が寄せられています。
これらを踏まえ、本記事では特定技能に林業分野が追加決定された詳細について解説していきます。1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は人材不足が深刻な特定産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。
さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、林業では1,000人の受け入れを見込んでいます。特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は、林業には適用されていません。しかし、現在検討中とのことですので、今後の進展に期待したいところです。
2. 林業の現状
日本の森林の約4割を占める人工林が、資源として利用可能な段階に達しています。これに伴い、国産材原木の安定供給への期待が高まり、木材供給量の増加に向けた取り組みが進められています。また、花粉を飛散させるスギやヒノキ林を花粉の少ない森林へ変えていく花粉症発生源対策にも注力しています。
未来に向けた取り組みと革新
通年雇用化や月給制の導入、社会保険加入の促進、さらには各種施策による賃上げの推進など、処遇改善の取り組みが進められています。また、新規就業者の確保や育成、キャリアアップ対策に関しても、国が支援する「緑の雇用」事業を通じて多角的に取り組んでいます。これにより、若者、女性、高齢者、外国人といった多様な国内外の人材確保にも繋がっていくでしょう。
一方で、林業を取り巻く環境には、ウッドショックや気候変動といった大きな変化が生じています。これらの変化に対応し、持続可能な林業を維持するためには、デジタル化や新技術の導入にとどまらず、業界全体の変革を促すDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要です。具体的には、スマート林業の推進により、森林資源情報の可視化や新たな作業システムの導入が進められています。これにより、生産性の向上や安全性の改善、さらにはサプライチェーンの最適化によって木材の付加価値が向上するなど、様々な面での変革が期待されます。これらの取り組みを通じて、より働きやすい環境が整備され、持続可能な林業の発展が見込まれるでしょう。
労働災害
林業における労働災害は、関係者の不断の努力や災害防止活動の取り組みによって、長期的には減少しています。しかし、依然として発生率は他産業に比べて非常に高く、令和5年の死傷年千人率では、全産業平均の2.4%に対し、林業は22.8%と約10倍にも及びます。 この深刻な状況を受け、令和3年6月に閣議決定された方針では、今後10年間で死傷年千人率を半減させることが目標とされています。この取り組みにより、労働安全対策が一層強化され、林業従事者の育成・確保に資する労働環境の改善が期待されます。
人材不足の現状
林業従事者数
平成22年の51,200人から令和2年には43,710人と、この10 年間で約14%の減少が見られます。
新規就業者数
平成15年度に開始された「緑の雇用」事業によって、新規就業者数は、事業開始前の年間約2,000人から、事業開始後には年間約3,200人に増加しました。なお、令和5年度までに約24,000人がこの事業を活用して新たに就業しています。
有効求人倍率
令和4年度の有効求人倍率は約2.35倍と、全産業平均の1.27倍と比べて約2倍に達しています。
35歳未満の若年者率
全産業で若年者率が減少傾向にある中、林業では平成2年以降、増加傾向が続き、令和2年には17%に達しています。若年層の割合や平均年齢の若返り傾向は維持されていますが、それにもかかわらず、求人に対する求職者数は依然として半数にも満たず、人手不足が続いています。
65歳以上の高齢化率
令和2年の高齢化率は25%と、全産業平均の15%と比べて約1.7倍に達しています。特に山村地域では、全国平均の28.0%に対し、山村地域では40.6%に達しており、非常に高い水準となっています。
人手不足の見通し
令和12年度の木材供給量目標は4,200万㎥ですが、これを令和10年度時点に換算すると4,120万㎥となります。現在の生産性を基に推計すると、同年度には約5万8,000人の就業者が必要とされ、約2万人程度の人手不足が見込まれます。
3. 確定した制度内容
従事する業務
特定技能1号外国人が従事する業務は、「育林、素材生産、林業種苗育成等」となっています。これに加えて、関連する業務区分の付随業務も認められており、以下のような作業も含まれます。 例)林内で行う林産物の製造・加工、冬季の除雪作業 など このように幅広い業務に携わることができるため、現場での柔軟な対応が求められる状況にも、大いに貢献できるでしょう。
雇用形態
直接雇用に限る
4. 企業に求められる要件
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の要件を満たす必要があります。
【要件】- 特定技能所属機関は、農林水産省が設置する協議会(林業特定技能協議会)に加入すること
- 特定技能所属機関は、協議会で決定された措置を実施すること
- 特定技能所属機関は、協議会に必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、農林水産省またはその関係者が行う調査などに必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、登録支援機関に委託する際は、農林水産省および協議会に必要な協力を行う機関に委託すること
5. 外国人に求められる要件
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の要件を満たす必要があります。
【要件】
◆技能水準
林業に従事する特定技能外国人は、育林、素材生産、安全衛生等に関する基本的な知識を有し、各種作業において安全確保を図りつつ、一定の時間内に正しい手順で的確に遂行できるレベルであること、日本語で指示された作業内容を聴き取り、理解できること。
◆日本語能力試験- 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
- 日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)
【試験概要】
試験言語 日本語(ひらがなやカタカナ、またはふりがなを付けた漢字) 実施主体 農林水産省が選定した機関 実施方法 コンピューター、ベースド、テスティング(CBT)方式、またはペーパーテスト方式および実技試験 まとめ
日本は世界有数の森林国として、その豊かな資源を未来に引き継ぐため、新技術の導入やデジタル化、DXの推進を通じて、林業はまさに変革の時代を迎えています。しかし、若い世代の参入が進む一方、深刻な人手不足という大きな課題は依然として残されています。
閉じる
特定技能に林業分野が追加されたことで、即戦力となる外国人労働者の受け入れが、今後の林業発展における重要な鍵となるでしょう。ただし、この制度にはまだ多くの未確定な部分があり、詳細な検討が求められています。
今後も動向を注視しながら、労働環境の整備や改善、新規就業者の確保・育成、そして定着を進め、持続可能な林業の発展、さらには我が国の経済・社会基盤の維持に貢献することを期待しています。 -
2024.10.08特定技能に鉄道分野が追加決定
目次
特定技能に鉄道分野が追加決定!
鉄道業界が直面する深刻な人手不足に対応するため、輸送の安全確保を前提に、専門性に十分配慮した外国人労働者の導入を進める政策が発表されました。この政策は、少子化による若年層の採用難や高齢化による大量退職といった課題の解決に繋がり、経済社会活動や国民生活を支える基盤である鉄道業界の維持・発展に大きく貢献するでしょう。これらを踏まえ、本記事では特定技能に鉄道分野が追加決定された詳細について解説していきます。
1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は深刻な人材不足に直面している特定の産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を有する外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、鉄道分野では3,800人の受け入れを見込んでいます。
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は、鉄道分野には適用されていません。しかし、省令等の改正が予定されているため、今後の進展に期待したいところです。
2. 鉄道業界の現状
未来に向けた取り組み
鉄道業界では、新技術の導入や研修施設の整備により、鉄道施設や車両の保守・点検業務、運転業務、人材育成の効率化・省力化が図られています。また、人材確保に向けては、賃金の引き上げや手当の充実、出産祝い金や扶養手当の増額、契約社員から正社員への登用を推進し、新規雇用の増加と若年層の離職防止に努めています。さらに、ジョブリターン制度や中途採用、高齢者の活用に加え、女性の職種配置の多様化や宿泊施設の整備、女性職員比率の目標設定などを通じて、女性の就労促進にも力を入れています。
人材不足の現状
鉄道事業者の職員数の推移
平成1年の277,092人から令和3年には191,136人と、この32年間で約31%の減少が見られます。
鉄道事業者の現業部門の職員数
平成27年から令和2年の5年間で、軌道整備は1,090人(-7.8%)、電気設備整備は239人(-2.1%)、車両製造・車両整備は1,019人(-6.1%)、運輸係員は3,918人(-3.9%)の減少が見られます。
有効求人倍率
令和4年度の有効求人倍率は3.59倍と、全産業平均の1.19倍と比べて約3倍に達しています。
人手不足の見通し
新型コロナウイルス感染症の影響で令和2年度に大きく減少した輸送人員(旅客の延べ人数)は、令和5年度には約9割程度まで回復し、月によってはそれ以前の利用者数(実際に利用した人数)を上回ることもあります。今後も鉄道需要やそれに伴う施設の保守作業の継続・拡大が見込まれる中、5年後の令和10年度には15万1,600人の就業者が必要とされ、約1万8,400人の人手不足が生じると推計されています。
3. 追加された職種
鉄道分野には、軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員の5つの職種があります。
軌道整備:
軌道検測作業、レール交換作業、バラスト交換作業、まくらぎ交換作業等電気設備整備:
ケーブル・管路、信号機、転てつ機、軌道回路等の電気設備設置、点検作業等車両整備:
鉄道車両のメンテナンス作業等車両製造:
鉄道車両、車両部品の製造等運輸係員:
運転士、車掌、駅構内のポイント操作を行う駅係員等※日本人が通常行う関連業務に付随的に従事することは問題ありません。
雇用形態
直接雇用(正社員・フルタイム)に限る
企業に求められる要件
特定技能外国人の受け入れには、以下の要件を満たす必要があります。
- 鉄道事業法に基づく鉄道事業者、軌道法に基づく軌道経営者、その他鉄道・軌道事業に関連する施設や車両の整備、車両の製造に係る事業者であること
- 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する協議会(鉄道分野特定技能協議会)に加入すること
- 特定技能所属機関は、協議会に必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、国土交通省またはその関係者が行う調査などに必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する際は、上記2、3、4に必要な協力を行う機関に委託すること
外国人に求められる要件
日本の鉄道業界で特定技能外国人として働くには、各区分における鉄道分野特定技能1号評価試験に合格、一定レベル以上の日本語能力を持つことが要件です。特に運転士を含む運輸係員は、運輸指令とのコミュニケーションや異常時の避難誘導などの緊急対応が求められるため、他の分野よりも厳しい日本語能力試験N3以上のレベルに加え、日本語による技能評価試験により専門用語や異常時対応についても確認されます。
区分 特定技能試験 日本語能力試験 軌道整備 鉄道分野特定技能1号評価試験
(軌道整備)◾日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
◾日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)電気設備整備 鉄道分野特定技能1号評価試験
(電気設備整備)車両整備 鉄道分野特定技能1号評価試験
(車両整備)車両製造 鉄道分野特定技能1号評価試験
(車両製造)技能検定3級(機械加工・仕上げ・電子機器組立て・電気機器組立て・塗装) 運輸係員 鉄道分野特定技能1号評価試験
(運輸係員)◾日本語能力試験(N3以上)
◾日本語教育の参照枠(B1相当以上のレベルと認められるもの)
以下の区分は、技能実習2号からの移行が可能です。
業務区分 職種 作業 軌道整備 鉄道施設保守整備 軌道保守整備 車両整備 鉄道車両整備 走行装置検修・解ぎ装 空気装置検修・解ぎ装 車両製造 機械加工 普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ 金属プレス加工 金属プレス 鉄工 構造物鉄工 仕上げ 治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立仕上げ 電子機器組立て 電子機器組立て 電気機器組立て 回転電機組立て 変圧器組立て 配電盤・制御盤組立て 開閉制御器具組立て 回転電機巻線製 塗装 金属塗装 噴霧塗装 手溶接 半自動溶接
※職種や作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者は、日本語能力試験が免除されます(運輸係員を除く)。まとめ
コロナ禍で減少した輸送人員は徐々に回復傾向にありますが、今後、テレワークの普及や人口減少に伴い、鉄道利用者のさらなる減少が懸念されています。
閉じる
また、高齢化が進む一方で、若手社員の離職率も上昇しており、その一因には、夜間勤務を含む長時間のシフト制や労働条件への不満が挙げられます。こうした状況下で、鉄道業界に特定技能制度が導入されたことは、国内での若手人材確保が難しい中、鉄道業界の持続的な発展に向けた大きな希望となっています。
しかし、外国人労働者を雇用する際には、言語や文化の違いに起因するコミュニケーションの課題や労働環境の整備、さらには適切な支援体制の構築が不可欠です。これらの課題に対処するためには、一時的な手間やコストが伴うことは避けられず、容易ではありません。
それでも、多様な人材が安心して働ける環境を整えることこそ、安全で安定的な輸送を確保し、鉄道業界の未来を切り開く鍵となるでしょう。 -
2024.10.04外国人労働者はどんな時に差別を感じるのか?雇用企業ができることは?
目次
外国人労働者の現状
厚生労働省の最新データ(2023年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者は2,048,675人に達し、前年から12.4%増加しました。外国人労働者を雇用する事業所も318,775所に増加し、いずれも過去最高を更新しています。国籍別ではベトナムが最も多く、次いで中国、フィリピンと続いています。在留資格別では、専門的・技術的分野の在留資格や技能実習の増加が顕著です。
一方、法務省の2016年度外国人住民調査によると、外国人の39.3%が家探しの際に、25.0%が仕事探しの際に「外国人であることを理由」に拒否された経験があり、29.8%が差別的な言葉を受けたことがあると報告されています。差別を受けた相手としては、53.3%が見知らぬ人、38.0%が職場の上司や同僚、19.3%が近隣住民であったとされています。
外国人労働者を雇用するメリット
①人手不足の解消
外国人労働者の雇用は、人手不足の解消に大きく貢献します。特に、特定技能外国人の多くは若い世代であることから、日本の少子高齢化社会において貴重な人材確保の機会となります。また、彼らは一定の専門知識や技能を持ち、日常生活に支障のない日本語能力を備えているため、即戦力として期待されるでしょう。
②訪日外国人への対応力向上
外国人労働者の雇用は、訪日外国人への対応力向上や社内外のグローバル化といったメリットがあります。彼らは母国語に加えて日本語や英語など複数の言語を話せることが多く、外国のお客様との対応や接客、通訳など様々な場面での活躍が期待できます。また、こうした人材が社内にいることで、現地の法律や文化、ビジネス習慣に精通した知識や技術を取り入れることができるため、販路の拡大や新たなビジネスチャンスが生まれるきっかけとなるでしょう。
③革新的なアイデアや技術の創出
外国人労働者を雇用することで、異文化の視点や考え方に触れる機会が得られ、革新的なアイデアや技術の創出が期待されます。異なるバックグラウンドを持つ従業員同士のコミュニケーションを通じて、社内の文化が多様化し、これが従業員の発想力を高め、企業全体の活性化に繋がるでしょう。また、このような環境は業務改善や意識革新を促進する要因ともなります。
④助成金の活用
外国人労働者を雇用する際には、一定の条件を満たせば助成金を活用できます。雇用に伴う採用、定着、育成にはコストや労力がかかりますが、助成金などの支援制度をうまく利用することで、負担を軽減することが可能です。
外国人労働者の目的や状況に応じて適用される助成金は異なりますが、おすすめの助成金は以下の通りです。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人労働者は、日本の労働法制や雇用慣行に対する理解不足や言語の壁などから、労働条件や解雇に関するトラブルが発生しやすい傾向があります。この助成金は、外国人労働者の特有の事情に配慮し、就労環境を整備する事業主を支援するもので、職場への定着を図るための経費の一部を国が助成する制度です。
業務改善助成金
中小企業や小規模事業者、または働き方改革に取り組む企業などを対象に、賃金引き上げや設備投資を通じて業務改善や生産性向上を図る際、その費用の一部を国が助成する制度です。
トライアル雇用助成金
職業経験の不足などにより就職が困難な方々の早期就職や雇用機会の創出を目的とした制度です。この助成金は、一定期間試用的に雇用した事業主を対象に支給され、無期雇用契約への移行を前提としています。特に、日本での就労経験が少ない外国人を雇用する際に、雇用のハードルを下げるために利用できます。これにより、企業は外国人労働者の適性やスキルを見極めながら、定着を促進することができるでしょう。
人材開発支援助成金
事業主が雇用する労働者に対し、専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を計画的に実施した場合に、訓練費用や訓練期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。
キャリアアップ助成金
非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成を行う制度です。ただし、技能実習生や特定技能1号は対象外ですが、定住者や長期雇用を前提に更新を続ける在留資格では、助成の対象となる可能性があります。
どんな時に差別を感じるのか
雇用に関する差別
日本語で十分にコミュニケーションができ、仕事の適性もあるにもかかわらず、外国人であることを理由に採用されないことがあります。これは、外国人を雇用することで犯罪やトラブルが増えるのではないか、文化や習慣の違いから社内に摩擦が生じるのではないかといった誤った認識からくる無意識の差別や偏見が影響している可能性があります。このような偏見は、スキルや経験を正当に評価せず、単に国籍や人種を理由に不利益を与える結果となっているのです。
賃貸契約に関する差別
外国人であることを理由に賃貸契約を断られることがあります。これは、外国人入居者のマナーに対する不安や、外国人に対するネガティブなイメージ、文化や習慣の違いに対する無理解から生じることが多いです。「外国人お断り」と記載された物件もありますが、こうした差別的な扱いは、外国人の数が増えるにつれてトラブルを引き起こし、不動産企業の評判や信頼に悪影響を及ぼすでしょう。
労働環境に関する差別
長時間労働や低賃金、賃金未払い、安全対策の不十分さ、適切な教育の欠如など、劣悪な労働環境に置かれる外国人労働者が多く存在します。これらの問題は、健康や生活の質を低下させ、怪我や事故のリスクを高める要因となります。外国人であることを理由に、これらの問題が許されるべきではありません。しかし、外国人労働者は言語の壁や文化の違いから効果的に抗議することが難しく、その結果として劣悪な労働環境に耐えざるを得ない状況が続いていると考えられます。
身体的な暴力に関する差別
工具でヘルメットを叩くなどの身体的な暴力が報告されています。外国人労働者には日本人労働者と同様に、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令が適用されており、パワハラやいじめといった身体的な暴力はこれらの法律に違反する行為です。このような暴力行為は、被害者の身体的健康のみならず、精神的な安寧にも深刻な影響を与えます。また、企業がこれを見て見ぬふりをすることは、企業の評判や信頼を損なうだけでなく、外国人と日本人の間に深刻な社会的分断を生じさせ、さらには外交関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
言葉の暴力に関する差別
暴力には身体的なものだけでなく、言葉による暴力として現れることがあります。外国人に対する差別的な言葉や侮辱、罵声は決して許されるべきではありません。しかし、特定の国の人々に対する攻撃的な言葉や差別的な発言は、日本でも依然として見られます。2016年に施行されたヘイトスピーチ解消法により、こうした言動は違法とされていますが、一部の公共の場や匿名性の高いオンラインでは問題が続いているのが現実です。ヘイトスピーチが放置されると、差別的な文化が根付き、共生社会の調和が損なわれ、社会的な結束が崩壊する恐れがあります。
年功序列に関する差別
日本の年功序列による雇用体系は、外国人労働者にとって不公平に感じられることがあります。外国人労働者は即戦力として期待される一方で、年齢や勤続年数が短いため、能力や業績にかかわらず、昇進や給与が制限されることが少なくありません。成果主義が一般的な国から来た外国人労働者にとって、このような状況はモチベーションの低下やキャリアの停滞に繋がることがあります。その結果、優秀な外国人労働者がキャリアを発展させるために、日本企業から他国の企業に移る現象も見られます。
企業による外国人労働者への差別事例
賃金不払い
縫製会社で働く技能実習生から、タイムカードの打刻後も時間外労働を命じられ、その分の割増賃金が支払われていないとの申告がありました。調査の結果、終業時刻後にも作業が行われていたことが確認され、この事例では、過去の未払い分として約142万円の割増賃金が技能実習生に支払われています。
違法な時間外労働
自動車整備工場において、技能実習生に対し、36協定で定められた延長時間(1ヶ月70時間)を大幅に超え、最大で月109時間30分の違法な時間外・休日労働を行わせていたことが明らかになりました。さらに、この違法労働を隠すために、虚偽のタイムカードが提出されていたことも確認されています。
差別を無くす取り組み
雇用・採用における公平性の確保
外国人であることを理由に、応募を拒否または不採用にすることは、公正な採用選考に反します。外国人労働者をカテゴリーで捉えるのではなく、一人ひとりの個性を尊重し、日本人が無意識の偏見を押し付けないよう心がけることが重要です。
採用時には、雇用条件や待遇、仕事内容、残業や休日に関する事項を、国籍や人種にかかわらず適用されるものであることを、理解できる言語で丁寧に説明し、誤解を防ぐために十分な時間をかけて相互理解を深めましょう。また、採用面接を担当する者は、相手の文化を事前に調べ、差別的な発言や態度を避けるよう努める必要があります。各企業が適切な対応を積み重ねることで、日本は外国人労働者から選ばれる国となるでしょう。
生活面のサポートとメンタルヘルスケア
異国での生活は、言語や文化の違い、家族や友人がいない心細さなど、多くのストレス要因があります。その一例として、外国人労働者が賃貸契約に苦労するケースが挙げられます。こうした課題に対処するために、企業はあらかじめ入居可能な物件の情報収集を行い、必要に応じて借り上げ物件を提供するなど、対応力を持つことが重要です。また、入居に際しては、日本の生活習慣やマナー、特有のルール(騒音、匂い、ゴミの出し方など)についても、適切なアドバイスを行うことでトラブルを未然に防ぎ、安心して生活できる環境を整えることができます。さらに、産業医やカウンセラーのサポートを受けられる体制を整え、普段から「困ったことがあれば気軽に相談してね」といったコミュニケーションを取ることも、外国人労働者にとって大きな安心材料となるでしょう。
労働環境の整備
企業は、労働関係法令に基づいて労働環境を整備する必要があります。適正な労働時間の管理や賃金の支払いはもちろんのこと、外国人労働者が安心して働けるように、就業規則やマニュアルを母国語で提供するなどの配慮も欠かせません。また、労働災害防止のために、安全に関する指示や警告を正確に理解できるよう、日本語教育や安全衛生教育の実施、さらに複数言語での標識の使用を徹底することが求められます。こうした人的な環境整備に加え、設備の保全など物的な環境整備にもコストを惜しまず、不安全なリスクを排除するための措置を講じましょう。また、外国人労働者の受け入れに際しては、日本人労働者向けの研修を実施し、外国人労働者の母国文化や宗教などの多様性を考慮した休暇制度をはじめとする社内制度の見直しを行うことも有効です。
暴力・ハラスメントの防止
職場での暴力やハラスメントは、いかなる場合も断じて許されません。
ハラスメントには、パワハラ、セクハラ、モラハラなど、30種類以上の形態が存在し、その定義は国や文化によって異なります。特に、宗教上の理由でボディタッチを避ける国もあり、日本では何気ないボディタッチが、外国人労働者にとってはハラスメントと受け取られることもあります。こうした無意識のハラスメントを防止するためにも、文化の違いを理解し、全ての労働者に対して定期的な研修を行うことが重要です。特に、経営陣や人事担当者が率先して外国人労働者の雇用に関するコンプライアンスを理解し、それを企業全体に浸透させる取り組みが求められます。また、従業員同士のコミュニケーションを促進する交流会の実施や、社内アンケートを活用して労働者の意識やハラスメントの実態を把握するなど、企業の継続的な努力がハラスメント防止の一助となるでしょう。
キャリアプランの提示
日本の年功序列制度は、成果主義が一般的な国から来た外国人労働者にとっては理解しにくい場合があります。そのため、彼らのモチベーションを維持し、長期的な雇用を促進するためには、明確なキャリアプランと評価基準を提示することが必要です。面接時や定期的な1on1面談では、企業のビジョンや育成方針を具体的に伝え、将来のポストや出世コース、昇進や昇給の基準、さらに1〜5年先の成長予想や企業が期待することについても詳しく説明します。このように、外国人労働者の想いやキャリアプランに寄り添った継続的なサポートを行うことで、彼らのモチベーションやエンゲージメントを高めることができます。結果として、企業内でのキャリアイメージが明確になり、企業への定着にも繋がるでしょう。
まとめ
外国人労働者に対する差別や偏見は依然として存在します。しかし、各企業が積極的にこれらの問題に取り組むことで、外国人労働者が安心して働ける環境を整え、多様性を尊重する企業文化を育むことができるでしょう。万が一差別や偏見が見られた際には、見て見ぬふりをせず、全員が当事者意識を持って問題に向き合うことが大切です。また、傷ついた被害者には相談窓口や信頼できる上司への相談を促すなど、できる限りのサポートを提供しましょう。
少子高齢化が進む中で、外国人労働者は共に日本社会を支える重要な“人財”です。国籍の壁を取り払い、風通しの良い共生社会を築くことが、日本が“選ばれる国”としての未来を切り開く鍵となるでしょう。 -
2024.09.24特定技能に木材産業分野が追加決定 !
目次
特定技能に木材産業分野が追加決定 !
深刻な人手不足が続く木材産業に、木材加工などの作業を担う即戦力となる外国人労働者の導入を図る政策が発表されました。この政策は、若手技術者の確保や高齢化問題の解消に繋がり、木材産業の基盤維持と持続的な発展への大きな希望として注目を集めています。これらを踏まえ、本記事では特定技能に木材産業分野が追加決定された詳細について解説してきます。
1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は人材不足が深刻な特定産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、木材産業では5,000人の受け入れを見込んでいます。
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は、木材産業には適用されていません。しかし、現在検討中とのことですので、今後の進展に期待したいところです。
2. 木材産業の現状
木材産業の未来を支える大規模化の現状
近年、木材産業では製材工場や合板工場の大規模化・集約化が進んでいます。これまで大規模工場がなかった地域でも、国の支援を活用し、新たな大規模工場の建設が進むとともに、地元の製材工場との連携が強化されています。この10年間で、年間原木消費量が5万㎥以上の製材工場が全国で21箇所新設され、工場あたりの原木消費量は約1.6倍に増加しました。一方で、木材産業は、社会経済の向上とカーボンニュートラルを実現する「グリーン成長」を目指しています。令和12年には木材供給量の目標を4,200万㎥と設定し、その達成に向け、今後も大規模化を推進しつつ、生産性向上に注力していく方針です。
労働者の安全と働きやすい環境整備の現状
労働者の安全確保や労働負荷の軽減が進められ、女性や高齢者にとって働きやすい環境が整いつつあります。しかし、木材産業では他の業種に比べて労働災害の発生率が依然として高く、安心して働ける安全な職場環境の整備が一層の課題となっています。これを受け、業界団体は外部有識者による安全診断や普及・啓発に努め、国は作業安全規範の策定・普及、ウェビナーの開催、VR映像を用いた研修資材の提供に取り組んでいます。
人材不足の現状
【木製品製造業(家具を除く)の就業者数】
木製品製造業の就業者数は、平成22年の12万3,000人から令和2年には10万3,000人と、この10年間で約16%の減少が見られます。【35歳未満の就業者割合】
令和2年の35歳未満の就業者割合は、全産業で22.8%に対し、木材・木製品製造業(家具を除く)では17.6%にとどまっています。【人手不足の見通し】
令和12年の木材供給目標4,200万㎥に対し、令和10年度の予測供給量は4,120万㎥であるため、同年度には13万6,000人の就業者が必要とされています。その結果、約5万7,000人の人手不足が予測されています。
3. 確定した制度内容
従事する業務
特定技能1号外国人が従事する業務は、「製材業、合板製造業等に係る木材の加工等」となっています。これに加えて、関連する業務区分の付随業務も認められており、以下のような作業も含まれます。
例)原材料の運搬、受け入れ、検査にかかわる作業や清掃 など
このように幅広い業務に携わることができるため、現場での柔軟な対応が求められる状況にも、大いに貢献できるでしょう。雇用形態
直接雇用に限る
4. 企業に求められる要件
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件
・特定技能所属機関は、農林水産省が設置する協議会(木材産業特定技能協議会)に加入すること ・特定技能所属機関は、協議会で決定された措置を実施すること ・特定技能所属機関は、協議会に必要な協力を行うこと ・特定技能所属機関は、農林水産省またはその関係者が行う調査などに必要な協力を行うこと・特定技能所属機関は、登録支援機関に委託する際は、農林水産省および協議会に必要な協力を行う機関に委託すること ※協議会の設置や加入方法に関する詳細は現在検討中です。詳細が決まり次第、林野庁のホームページでお知らせがあります。
5. 外国人に求められる要件
特定技能外国人が日本で働くためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件
技能水準 木材産業に従事する特定技能外国人は、木材加工や安全衛生等に関する基本的な知識を有し、各種作業において安全確保を図りつつ、一定の時間内に正しい手順で的確に遂行できるレベルであること。 特定技能試験 木材産業特定技能1号測定試験 日本語能力試験 - 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
- 日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)
試験の概要
試験言語 日本語(ひらがなやカタカナ、またはふりがなを付けた漢字) 実施主体 農林水産省が選定した機関 実施方法 コンピューター、ベースド、テスティング(CBT)方式、またはペーパーテスト方式 ※技能評価試験の詳細は現在検討中です。詳細が決まり次第、林野庁のホームページでお知らせがあります。
まとめ
木材需要が拡大する一方で、深刻な人手不足が続いており、さらに将来を担う若手の就業者数も他産業に比べて少ない状況です。
現在、木材産業分野における特定技能制度には多くの未確定な部分があり、受け入れ開始に向けた詳細な検討が進められています。今後、省令の改正とともに明確なガイドラインの発表が予想されますが、この発表を受けて、多くの企業が人材獲得に向けて積極的に動き出すでしょう。そのため、労働基準法に基づく雇用の適切な実施はもちろん、安全な労働環境の整備や労働条件の見直し、フォローアップ体制の構築、さらには言語教育や文化的理解を深める研修の充実といった受け入れ体制の早期整備が一層重要です。
引き続き今後の動向に注目しつつ、木材産業の基盤維持と持続的な発展を心から期待しています。 -
2024.07.17特定技能に自動車運送業が追加決定!
目次
特定技能に自動車運送業が追加決定!
長年人材不足に悩まされてきた自動車運送業界に、ついに特定技能外国人ドライバーの導入を図る政策が発表されました。この政策は、若手ドライバーの確保や高齢化問題の解消に繋がる等、物流・人流の持続化を高める大きな希望として注目を集めています。これらを踏まえ、本記事では特定技能に自動車運送業が追加決定された詳細について解説してきます。
1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は人材不足が深刻な特定産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、特に自動車運送業では2万4,500名の受け入れを見込んでいます。
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は現在、自動車運送業には適用されていません。しかし、将来的には自動車運送業にも特定技能2号が追加される可能性が高いと期待されています。
2. 物流の2024年問題
自動車運送業界は社会インフラを支えるために必要不可欠な存在ですが、他の業種に比べて残業が多い現状があります。これを受けて、政府は働く人々の健康を守るため、2024年4月から「時間外労働の上限規制」を適用しました。しかし、この規制によりドライバーの労働時間が短縮され、輸送量の減少が懸念されています。これが「物流の2024年問題」と呼ばれる背景です。
さらに、特定技能1号に自動車運送業が追加された背景には、20代の免許取得者数の減少と、60代以上の運転免許保有者数の増加が挙げられます。このような状況を受けて、特定技能外国人の多くが20代半ば~30代前半であることから、若年の外国人ドライバーの確保が人材不足解消の鍵とされています。
3. 追加された職種
自動車運送業には、トラック運送業、タクシー運送業、バス運送業の3つの職種があります。
所定の要件を満たした外国人ドライバーは、直接雇用(正社員・フルタイム)として、自動車運送業分野における事業用自動車の運転、それに付随する業務全般を担当します。トラック:
運行管理者の指導・監督の下、貨物自動車運送事業における運行の前後点検、安全な運行、乗務記録の作成、荷崩れを防止する貨物の積付け等
タクシー:
運行管理者の指導・監督の下、一般乗用旅客自動車運送事業における運行の前後点検、安全な運行、乗務記録の作成、乗客対応等
バス:
運行管理者の指導・監督の下、一般乗合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業における運行の前後点検、安全な運行、乗務記録の作成、乗客対応等
※日本人が通常行う関連業務(例:車両清掃などの専門性が不要な業務)に従事することは問題ありません。
4. 受け入れ企業に求められる要件
受け入れ見込み数の増加に伴い、外国人労働者との共生社会の実現に向けた環境整備をさらに推進する必要があります。 特定技能外国人の受け入れには、基準を満たす事業者であること、協議会に加入すること、新任運転者研修を実施すること(タクシー・バスのみ)などの要件を満たさなければなりません。
【前提条件】・道路運送法の第2条第2項に規定する自動車運送事業に該当すること
・日本標準産業分類「43 道路旅客運送業」、「44 道路貨物運送業」に該当すること【要件】・国土交通省が設ける「自動車運送業分野特定技能協議会」に加入すること(登録支援機関に委託する場合は、登録支援機関も協議会の構成員であることが必要)
・国土交通省またはその委託を受けた者が行う調査や指導に対して、必要な協力を行うこと
・タクシー運送業及びバス運送業の企業(特定技能所属機関)は、受け入れ予定の特定技能外国人に対し、新任運転者研修を実施すること
・運転者職場環境良好度認証制度の認証または安全性優良事業所(Gマーク)を保有すること
5. 外国人に求められる要件
日本で特定技能外国人ドライバーとして働くには、自動車運送業分野の特定技能1号評価試験に合格、対象となる運転免許を取得、一定レベル以上の日本語能力を持つことが要件です。特にタクシー・バスの運転手は、多様な乗客と接することから、合理的な配慮やコミュニケーション能力が非常に重要になります。また、事故対応なども含めて円滑に運行することが求められるため、他の分野よりも厳しい日本語能力試験N3以上のレベルが必要です。
区分 運転免許 特定技能試験 日本語能力試験 トラック 第一種運転免許 自動車運送業分野
特定技能1号評価試験・日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
・日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)タクシー 第二種運転免許 自動車運送業分野
特定技能1号評価試験・日本語能力試験(N3以上)
・日本語教育の参照枠(B1相当以上のレベルと認められるもの)バス 第一種運転免許 自動車運送業分野
特定技能1号評価試験・日本語能力試験(N3以上)
・日本語教育の参照枠(B1相当以上のレベルと認められるもの)>> 日本語能力試験において、技能実習2号(職種・作業の種類を問わず)を良好に修了した者は、ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準を有する者と評価され、日本語試験は免除されます。
>> 6月28日、県警運転免許センターでは、運転免許の学科試験に英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語などの20言語を導入しました。これは、タクシー・バスの運転手に必要な第2種運転免許の学科試験や、外国免許を切り替える際に行う知識確認問題にも対応しています。
※運用開始日は試験場により異なりますのでご注意ください。対応言語:
英語、中国語、ベトナム語、ネパール語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語、タガログ語、インドネシア語、クメール語、ミャンマー語、モンゴル語、ウクライナ語、シンハラ語、ウルドゥー語、アラビア語、ヒンディー語
6. 特定活動
日本で特定技能外国人ドライバーとして働くには、対象となる運転免許を取得(または外国免許切り替え)すること、タクシー・バスにおいては新任運転研修を受講することが要件になります。このため、一定期間は日本に滞在する必要があるのです。したがって、それ以外の要件を満たした外国人は、受け入れ企業との雇用契約の下で在留資格「特定活動」が認められ、日本へ入国・滞在が可能となります。
※在留資格「特定活動」の在留期間は、在留資格「特定技能1号」の通算在留期間にはカウントされません。
在留資格「特定活動」に関する情報は、社会情勢や政策に応じて申請条件が変更されることがあるため、常に最新の情報を確認し、適切な手続きを行うようにしましょう。
7. ミャンマー・ユニティのトラックドライバー採用提案
2024年7月10日現時点では、特定技能「運送業」の技能評価試験は始まっておりません。
そのため、ミャンマー・ユニティでは代わりの現実的な案を以下の図にてご提案いたします。① 運転免許を保有したトラックドライバー希望者をミャンマーで募集
② 企業様に面接を行っていただき、その合格者に対して日本語教育
③ ミャンマーにおいて、特定技能に必要な日本語評価試験合格
④ その後日本に入国(内定を出していただいてから約6~7ヶ月)
⑤ 入国後1ヶ月監理団体で研修を行う
⑥ 技能実習で11ヶ月倉庫作業を行う。
⑦ 技能実習期間内に準中型免許に外免切り替え
⑧ 日本国内で特定技能「トラックドライバー」の技能試験に合格
⑨ 技能実習期間が終わったら特定技能に在留資格を切り替え、4.5トン未満を運転
⑩ 4.5トン以上の運転が必要な場合は、日本での運転免許取得1年後に中型・大型免許を取得このモデルでしたら今すぐに採用が可能です。つまり、技能実習で日本に入国する準備をして、入国して技能実習生として勤務をしている間に特定技能「運送業」の試験が始まるので試験に合格していただくという流れとなります。
まとめ
時間外労働の上限規制の適用により、ドライバーの人材不足が深刻化しています。
特に、物流量が急増する一方で慢性的な人材不足に悩まされているトラック運送業界では、物流の2024年問題が重要な課題となっています。1日に運ぶことができる荷物の量が削減されることにより、トラック事業者の売上・利益の減少、ドライバーの収入の減少、収入減少に伴う担い手不足等、様々な懸念点が浮かび上がっています。
このような状況下で、自動車運送業が特定技能に追加されたことは、新たな人材をもたらす大きな一歩です。さらに、県警運転免許センターが20言語での運転免許学科試験を導入したことは、より良い兆しと言えるでしょう。
自動車運送業における特定技能外国人の受け入れには、企業と外国人双方に厳格な要件が課されており容易ではありません。また、雇用に至った後も、一人で接客するドライバー業務を任せるには難しい側面もあるでしょう。
しかし、日本語教育の強化や接客・接遇研修に加え賃金や待遇の見直し、さらに、日本人と同様に労働基準法に基づいて雇用することで、外国人ドライバーの活躍を促進し、ひいては自動車運送業界の発展に繋がるのではないかと期待しています。 -
2024.07.16特定技能から永住権を取得できるのか?
目次
特定技能から永住権を取得できるのか?
日本で働く特定技能外国人の中には、永住権の取得を目指している方が多く存在します。特定技能外国人が永住権を取得することは、企業側にとっても、雇用している長期的な人材確保や企業成長に繋がる大きなメリットとなります。これらを踏まえて本記事では、特定技能から永住権を取得できるのかについて、要件や注意点を含めた詳しい概要を解説していきます。
1. 永住権とは
永住権とは、国籍を変更せずに日本での長期滞在を認める在留資格です。この在留資格を取得することで、在留期間の制限が無くなり、自由な職業選択が可能になり、離婚等の状況変化による在留資格の変更が不要になります。また、永住権には厳格な要件が設けられているため、永住者であることは日本社会における信用度を高める要因となります。
特定技能外国人の数が年々増加している現状を考慮すると、永住権取得への需要もさらに高まるでしょう。
2. 特定技能外国人は永住権を取得できるのか
特定技能には1号と2号の区分があります。特定技能1号の在留期間は最大5年であり、その間に永住権の取得要件を満たすことはできません。一方、特定技能2号には在留期間の制限がなく、実質的には永住することも可能です。そのため、特定技能2号の外国人は、永住権の取得要件を比較的達成しやすい状態にあります。また、介護分野では特定技能1号の外国人が国家資格 介護福祉士を取得し、介護福祉士資格保有者等在留資格に変更することで、特定技能2号と同様に在留期間の制限がなく、実質的には永住することも可能になります。
3. 永住権の取得要件
① 日本に5年以上連続して在留していること
さらに、在留期間が1年以上残っていること、原則として10年以上継続して日本に在留していることが求められます。ただし、特定技能1号の在留期間はこの要件に含まれないため、特定技能2号として10年以上在留する必要があります。特定技能2号は在留期間に上限がないことから、ビザを更新し続けて10年を超えれば永住権の申請が可能です。
② 素行が善良であること
日本の法令を遵守し、道徳的な生活を送ることが重要です。違法行為や素行不良がないことが要件であり、良好な人格・品行を示すことが求められます。また、自国では問題にならない行為でも、日本では問題視されることがあるため、生活オリエンテーション等で学んだ注意事項を日常生活で怠らないようにしましょう。
③ 独立生計を営むに足りる資産・技能を持つこと
日本で安定した収入や職を得るための技能を持つことが重要な要件です。また、公的な支援(生活保護等)を受けていないことも評価されます。特定技能外国人であれば、人手不足の産業において必要なスキルを有していることから、安定した就労が見込めるでしょう。この要件は世帯ごとに確認されるため、配偶者や子供等の被扶養者が独立している必要はありません。
④ 身元保証人がいること
身元保証人は、外国人労働者が在留中に法律を遵守し、公的義務を果たすためにサポートする役割を持ちます。このため、身元保証人には一定の収入や責任能力が求められ、身分証明書(運転免許証やマイナンバー等)の提出も必要です。通常、雇用主や同僚がこの役割を務めることが多く、日本人と結婚している場合や家族に日本人がいる場合には、それらが保証人になることが一般的です。身元保証人であるからといって、特定技能外国人に何かトラブルが発生した際に金銭的な責任を負うことはありません。
4. 永住権の特例要件
永住権の取得には、原則として10年以上継続して日本に在留していることが求められます。ただし、10年未満の場合でも永住権を取得できる特例があります。
配偶者
・日本で生活している永住者や特別永住者の配偶者の場合、実体のある婚姻生活を3年以上継続し、かつ1年以上日本に在留していること。
・外国人の実子の場合、1年以上継続して日本に在留していること。定住者
・日本で定住者の在留資格を持つ外国人の場合、5年以上継続して日本に在留していること。
難民
・難民認定または補完的保護対象者認定を受けた外国人の場合、認定後5年以上継続して日本に在留していること。
日本への貢献が認められる者
・外交、社会、経済、文化等の分野において日本への貢献が評価され、5年以上継続して日本に在留していること。
・特定研究等活動または特定情報処理活動(特定活動告示36号 、37号)において日本への貢献が評価され、3年以上継続して日本に在留していること。高度専門職に従事する者
・高度専門職または特定活動(高度人材)在留資格を持つ外国人の場合、3年以上継続して日本に在留していること。
・特別高度人材制度の基準に該当する場合、1年以上継続して日本に在留していること。
・1年以上継続して日本に在留し、かつ永住許可申請日の1年前を基準にして特別高度人材制度の基準に該当し、それを維持していること。
5. 永住権の申請
1.永住許可申請書
2.写真(縦4cm×横3cm)
・16歳未満は不要
3.身分関係を立証するいずれかの資料
・申請者が日本人の配偶者である場合:配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)
・申請者が日本人の子である場合:日本人の親の戸籍謄本(全部事項証明書)
・申請者が永住者の配偶者である場合:配偶者との婚姻証明書4.申請者を含む家族全員(世帯)の住民票
5.申請者または申請者を扶養する方の職業を立証するいずれかの資料
・会社等に勤務している場合:在職証明書
・自営業等である場合:確定申告書控え(写し)
:営業許可書の写し(ある場合)
・その他の場合:職業に係る説明書及び立証資料6.申請者及び申請者を扶養する方の所得及び納税状況の立証資料(直近3年間分)
・住民税における納付状況の立証資料
・国税における納付状況の確認資料7.申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料における納付状況の立証資料
・公的年金の保険料における納付状況の立証資料(直近2年間分)
・公的医療保険の保険料における納付状況の立証資料(直近2年間分)
・申請者が事業主である場合:公的年金の保険料における納付状況の立証資料
※社会保険適用事業所 :公的医療保険の保険料における納付状況の立証資料
:健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)または社会保険料納入証明書 または社会保険料納入確認書8.パスポート(旅券)または在留資格証明書の提示
9.在留カードの提示
10.身元保証に関する資料示
・身元保証書
・身元保証人の身分事項を立証する書類(運転免許証写し等)11.身分を立証する文書等の提示
12.了解書
〜申請の流れ〜
1. 必要書類の取得 2. 申請書類の作成 3. 申請手続き ※居住地を管轄する入国管理局の申請窓口 4. 審査を受ける 5. 結果通知を受ける 6. 入国管理局での許可手続き 7. 外国人登録の変更手続き
6. 永住権に関する注意点
審査期間
永住権の申請は、在留期間満了日より前に行わなければなりません。したがって、オーバーステイを未然に防ぐためにも、在留期間の満了が近づくと在留期間更新許可申請の手続きを考えておくべきです。また、永住許可申請の審査期間は通常約4ヶ月かかり、他の在留資格と比べて長期に及びます。審査中は日本からの出国制限があることや、申請者の離職や収入の減少により、永住権の取得が困難になる可能性があるため、この期間中は特に注意が必要です。
費用
永住権の申請が許可されると、入国管理局での手続きに8,000円の収入印紙が必要です。ただし、更新の際には費用はかからず、通常は即日交付されます。
更新
永住権であっても、7年ごとに更新が必要です。また、更新手続きは在留期間満了日の2ヶ月前から行うことができます。この更新を忘れると、最悪の場合、永住権が失効する可能性があります。そのため、日程管理を徹底し、確実に更新手続きを行うよう心がけましょう。
理解
永住権を取得しても、日本国籍を取得したわけではありません。したがって、現在の日本では選挙権を持つことはできず、公務員として就職するには特別な手続きが必要です。このように、日本国籍と永住権の違いについて理解しておくことが重要です。
二重国籍と母国の法律
永住権の取得後も母国の国籍や義務は変わりません。そのため、二重国籍の問題や母国の法律(兵役義務等)を考慮しながら生活する必要があります。
まとめ
特定技能から永住権取得への道は、多くの時間や労力を要しますが、晴れて永住権を取得すれば、業務内容や在留期限にとらわれることなく、日本で安定した生活を送ることができます。
特定技能外国人の存在は、日本の経済成長や出生率向上に期待が高まる一方で、円安の影響により日本での就労メリットが低下し、他のアジア諸国に人材が流出している現状も見逃せません。今後、選ばれる国となるためにも、外国人材の確保や労働環境の整備が急務となっています。
双方がより良い共生社会の実現に向けて持続的に取り組むには、外国人労働者自身も素行不良による永住資格取消のリスクを考慮し、また企業側も雇用している外国人労働者の永住意向を早期に把握し、適切な支援を行うことが重要です。 -
2024.07.04特定技能1号で雇用した外国人は5年後どうなる?
目次
1.特定技能1号で雇用した外国人の5年後について
特定技能は、日本の深刻な人手不足を解消するために2019年4月に創設された在留資格です。
特定技能1号は、特に労働力が不足している12の特定産業分野において、即戦力となる専門性や技能を持つ外国人材を受け入れることを目的としています。(入管法が改正され、今後16分野になります) この在留資格では転職も可能なため、複数の企業で働くことができますが、在留期間は最長5年に限定されており、5年を超えての継続雇用は現時点では認められていません。 5年間もあれば、仕事に慣れ、安心して作業を任せられるようになる頃です。もし外国人を無期限で雇用できるようになれば、企業は優秀な人材を長期的に育成でき、外国人にとっても日本で長く働き続けることが可能になります。さらに、要件を満たせば家族と一緒に日本で生活することもできるでしょう。
これらを踏まえ、本記事では特定技能1号で雇用した外国人の5年後について、それぞれのケースごとに解説していきます。
1-1 5年の在留期間満了で帰国するケース
帰国する理由として最も多いのは、「母国にいる家族の意向や自身の結婚」です。また、「日本で習得した就業スキルを母国で新たなキャリアとして活かしたい」、「日本へ出稼ぎ目的で来たものの、円安の影響で日本での就労メリットが感じられなくなったため」といった理由が挙げられます。
1-2 特定技能2号へ移行するケース
2022年12月14日に第1回 特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。この在留資格を取得すると5年の在留期間に上限が無くなり、一定の要件を満たすことで10年を超えると永住権の申請が可能になります。また、家族帯同も認められ、配偶者や子どもを本国から呼び寄せ、日本で一緒に生活することもできます。企業側にとっても、長期的な人材確保と育成が見込めるため、戦略的な雇用計画が立てやすくなります。
特定技能2号の取得には、11の特定産業分野(介護分野を除く)ごとに設定された試験に合格し、さらに各分野で定められた実務経験を積む必要があります。しかし、多くの外国人が日本で長く働くことを希望する一方で、特定技能1号と比べると特定技能2号の試験は難易度が高く設定されています。そのため、試験に合格するためには、事前に要件を把握し、5年間の在留期間内に目標を達成するキャリアプランを立てることが重要なのです。
1-3 日本人または永住者の配偶者になるケース
日本では、日本人または永住・定住者の在留資格を持つ外国人と結婚することで、配偶者ビザを取得することができます。
特定技能1号を配偶者ビザへ変更するメリットとしては、5年の在留期間に上限が無くなること、就労制限が無くなること、さらに、一定の要件を満たすことで10年を超えると永住権の申請が可能になることが挙げられます。
※特定技能1号は技能試験に合格した特定の職種でしか働けませんが、配偶者ビザでは職種や時間に制限がなく、受入れ機関も任せる業務の分野や区分が広がります。
1-4 介護福祉士の資格を取得するケース
国家資格である介護福祉士を持つ外国人は、特定技能1号では行えない訪問介護なども業務の制限なく行うことができます。また、介護や介護の指導を行う業務に従事するための在留資格、いわゆる介護ビザを取得することも可能です。
特定技能1号を介護ビザへ移行するメリットとしては、5年の在留期間の上限がなくなり、介護福祉士としての活動に従事する限り、日本で永続的な就労が認められることが挙げられます。さらに、一定の要件を満たすことで10年を超えると永住権の申請が可能になり、家族帯同も認められます。しかし、介護福祉士を目指す外国人にとって、介護に関する専門的な日本語が随所に見られる試験は難易度が高く、独学での合格は難しいでしょう。したがって、介護施設では外国人介護士への試験対策サポートが重要であり、それが人材の定着に繋がります。
介護福祉士の受験資格としては、特定技能1号からの移行には3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修修了が必要です。資格取得までの期間や登録手続きを考慮すると、介護ビザへの移行には4~5年を見込むのが適切でしょう。1-5 技術・人文知識・国際業務ビザを取得するケース
就労ビザの一つである技術・人文知識・国際業務ビザは、(略称:技人国ビザ)は、外国人がこれまで学んできた知識や仕事で培ってきた経験、母国の文化や言語に関する知識や技術を日本へ還元することを目的とした在留資格です。
技人国ビザは、自然科学や人文科学などの専門知識、そして外国の文化に関する知識が必要な業務に従事する外国人に与えられます。
特徴として、5年の在留期間の上限がないため、実質無期限滞在が可能と言えるでしょう。家族の帯同も認められるため、非常に人気がある在留資格です。ただし、本国から家族を日本に呼び寄せるには、家族滞在ビザを取得する必要があります。さらに、10年以上日本に居住し、5年以上就労ビザで活動し、安定した収入や資産を証明できる場合において、永住許可の申請も可能です。
技人国ビザを取得するには、就職先の業務内容に関連する学歴(大学卒など)や実務経験が必要です。学歴が満たされない場合、技術・人文知識では10年以上の実務経験、国際業務では3年以上の実務経験が求められます。2.まとめ
特定技能外国人は企業にとって貴重な戦力であり、今や現在の日本にとって欠かせない人材です。特定産業分野の拡大に伴い、今後も特定技能外国人の需要は高まるでしょう。
日本での無期限雇用を目指すことは簡単ではありませんが、特定技能外国人に長く働いてもらうためには、企業の体制作りや意識改革が重要な課題となります。一方、日本の出生率は全国平均で過去最低の数字を記録しており、将来の働き手が確実に少なくなることは否定できません。
このように、日本社会にはまだ多くの課題が残されており、現在は制度を変える過渡期にあると考えられます。外国人と日本人が国籍を超えてより良い関係を築きながら多文化共生を推進していくことを期待しています。
当送り出し機関は、特定技能外国人の採用に関わるすべての方々の悩みを解消するために活動しておりますので、お気軽にお問い合わせください。 -
2024.04.21技能実習法等改正法案(育成就労法法案)完全ガイド
目次
1.技能実習法等改正法案(育成就労法法案)の分析について
1-1 日本ではどのくらいの外国人が働いているのか
現在、在留外国人の数は322万人に達し、1年間では22万人が増加しています。
これは茨城県の人口を上回るほどの外国人が日本で働き、群馬県の太田市や宝塚市、佐賀県の佐賀市と同じくらいの人口が毎年増加しているというイメージです。
このように着実に増加する外国人雇用において重要な役割を果たす制度が、「技能実習」と「特定技能」です。
1-2 制度見直しの進行・最終報告書の位置付け
2022年12月14日に第1回 有識者会議が開催され16回にわたり議論を重ねた後、2023年11月30日に最終報告書が提出されました。2023年12月14日および21日に与党である自民党と公明党からも意見が上がり、政府は最終報告書と与党の提言を考慮したうえで2024年2月9日に政府方針を決定します。さらに2024年3月15日に閣議決定が行われ、同日に法案が提出されました。なお政府は、有識者の方々に技能実習や特定技能の改革に関する意見を求め、これに基づいて改正を進める方針を取っています。
現在、通常国会の会期(2024年1月26日~6月23日まで)であることから、この期間中に法務委員会などで審議が行われる予定です。この法案が成立した場合、施行は3年以内に行われる見込みなため、例えば6月に成立した場合、2027年6月に施行されるでしょう(キリの良いところで考えると2027年4月頃になる可能性が高い)。したがって3年間で法案の施行に向けた準備が進められ、育成就労制度が導入されることになります。また、2024年3月29日に閣議決定と並行して2024年3月31日までの人数枠設定がありました。そこでは新たに5年分の82万人枠が設定され、運用開始は2024年4月1日からです。人数枠設定は産業分野ごとに設定するため、産業分野を追加する場合はこの段階で追加する必要があります。
1-3 追加・拡大された産業分野について
新たに追加された4分野は、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業です。そして3業務区分が10業務区分に拡大されたのは、工業製品製造業、電気電子産業機械、素形材産業です。さらに飲食料品製造業(スーパーのバックヤード等)の産業分野も82万人枠、16産業分野に拡大されています。
今回の改正第1陣で対応できなかった産業分野については、概ね育成就労を始める際に人数枠の見直しが必要なため、並行して産業分野の追加についても議論することになるでしょう。産業分野の追加を他の時期に行うと人数枠とのズレが生じてしまい再び人数枠の見直しが必要になる可能性があります。したがって2027年の育成就労が開始されるタイミングで新たな産業分野の追加が再び行われるのではないでしょうか。さらに実現した場合、産業分野は130~140万人枠、育成就労は50~60万人枠で開始するものと考えます。
1-4 育成就労の運命論について
育成就労制度の運命論とは、育成就労という在留資格が背負う運命や制約に関する理論や考え方を指したものです。この運命論を紐解くには、2019年4月に創設された特定技能1号と特定技能2号の入管法改正が重要な役割を果たしています。
まず2019年4月に創設された特定技能2号という在留資格は、特に目新しいものではありませんでした。なぜならあくまでも高度専門職、技人国、介護、技能、経営管理の横に、同じレベルでもうひとつ在留資格を増やしたに過ぎず、従来の専門的・技術的分野とレベル的には変わらないからです。これらはすでにスキルを持っている人材ということになります。
では、2019年4月に創設されたもので何が目新しかったかというと、特定技能1号が創設されたことです。特定技能1号の特筆すべき点は、スキルの基準を下に広げたことです。従来スキルを持っている人だけが認められていましたが、セミスキルや中級の技能を持つ人々も専門的・技術的分野として認められるようになりました。専門的・技術的分野の幅を下に広げたということです。しかし2019年4月に超えなかったのは、技能自習についてです。非専門的・技術的分野ではない、技能実習には手をつけなかったというのが2019年4月の入管法改正です。
今回の改正で変更されるのは、専門的・技術的分野ではない技能実習を、育成就労に変更する部分です。専門的・技術的分野ではない分野に今回は手を入れるということです。
実は専門的・技術的分野と非専門的・技術的分野には大きな違いがあります。
まず第9次雇用対策基本計画には、専門的・技術的分野の労働者は積極的に受け入れていく方針が示されています(第9次雇用対策基本計画は旧雇用対策法の改正によって解消されましたが、これは最新の基本計画です)。同じく出国在留管理基本計画の中でも、日本の経済社会の活性化に資する専門的・技術的分野の外国人については積極的に受け入れていく方針が示されています。したがって特定技能1号についても積極的に受け入れていくということです。
一方で第9次雇用対策基本計画の中でも、非専門的・技術的分野の労働者の受け入れについては「慎重に対応する必要があり、出入国在留基本計画においても幅広い観点からの検討が必須であり、この検討は国民的コンセンサスを踏まえつつ行われなければならない」と示されています。すなわち、従来日本が行ってきた外国人雇用政策からすれば、育成就労の非専門的・技術的分野の水準で留まる労働者は受け入れることができないということ、そして現在、40万人もの技能実習生を受け入れていることについては、あくまでもインターンや国際貢献の一環であり労働者の受け入れではないという趣旨なのです。しかし、この育成就労は明らかにスキルディベロップワーカー(就労者)ですから、非専門的・技術的分野で就労人材を受け入れるためには、育成就労という制度は、あくまでも専門的・技術的分野である特定技能1号の人材輩出が目的であることから長期間育成就労の中で働き続けるわけではない、すなわち受け入れが可能というロジックを作らなくてはなりません。このロジックに基づいて導き出される育成就労の運命論というのは、特定技能1号の人材育成・輩出する制度ですので、特定技能1号における仕事内容や基本的な制度は特定技能と共通しています。
※第9次雇用対策基本計画や出入国在留管理基本計画に記載されています。1-5 育成就労制度における関係者の相関
【技能実習制度の流れ】
①技能実習生の候補者が日本で働くことを希望した場合、職業能力や言語の訓練を提供してくれる送り出し機関と契約する
②日本側の受入企業(実習実施者)は、実習の実施方法について監理団体と契約を結ぶ
③監理団体が技能実習法27条に基づき実習生と実習実施者の間で技能実習職業紹介事業を行う【育成就労制度の流れ】
①育成就労外国人が日本で働くことを希望した場合、送り出し機関を通じて監理支援機関と契約を結ぶ
②監理支援機関は、育成就労実施者と育成就労外国人について雇用契約の成立の斡旋を行い、育成就労法27条に基づき育成就労職業紹介事業を行う(雇用契約は育成就労計画認定を受けた条件に基づいて成立し、雇用条件は計画に記載された内容に従う)【監理団体の主要な機能】
2017年4月1日以降、無料職業紹介事業の許可申請で行われていましたが、監理団体の許可が認められたことで、技能実習職業紹介事業という特別な職業紹介については監理団体が行えるようになりました。すなわち監理団体は実習生と実習先のマッチングを行えるようになったのです。
- 技能実習生と職業紹介について雇用契約の成立の斡旋やマッチングを行い、それに応じた技能実習計画認定を、機構を通じて受けた後に支援を提供する
- 計画認定を受けて実際に雇用契約が発効し実習が開始されると監理団体は実習監理を行う(初年度は月に1回の定期訪問、2年目以降は3ヶ月に1回の監査)
※監理団体の機能や計画認定に関しては、入管庁と厚生労働省が共同管理している技能実習機構に業務を委託している
※送り出し機関の許可に関しては、各送り出し国政府が政府認定の送り出し機関かどうかの確認や許可を付与している(送り出し国政府と日本政府は、MOC(合意文書)を通じて協力している)2.制度見直しの進行・最終報告書の位置付け
2024年3月15日に育成就労法法案が公表されたことで様々な事項が明らかになりました。
新しい法律を作るのではなく技能実習法を改正して育成就労法に移行することで技能実習法がどのように変化するのか、そして各構造について解説していきます。
2-1 技能実習法の変更
人材紹介会社が募集した登録者の中から、企業からの依頼に沿う登録者を紹介するサービスです。
幅広い職種・業種を取り扱う「総合タイプ」、特定の専門職種・業界に特化した「専門タイプ」があります。
多くの人材紹介会社はこの形態のため、人材紹介会社サービスの種類について詳しく記述がない場合は一般紹介・登録型のケースが多いです。【規定の変更】
- 第1章 総則…1条~7条に加えて、7条の2(分野別に関する方針の策定についての条文)が追加された
- 第2章 技能実習…技能実習が育成就労に変更された
- 第3章 外国人技能実習機構の組織に関する規定…外国人技能実習機構が外国人育成機構に変更された
- 8条~22条 技能実習計画…8条以下の技能実習計画が育成就労計画に変更された。さらに23条以下の監理団体が監理支援機関に変更された
- 46条~49条 技能実習性の保護やパスポート(預かってはいけない等)…46条以下の技能実習生の保護が育成就労外国人の保護に変更された
以上の規定が改正されることで、正式名称が変更されます。
変更前の正式名称:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習性の保護に関する法律(技能実習法)
変更後の正式名称:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(育成就労法)
2-2 育成就労法の変更
【規定の変更】
- 第1章 総則…目的規定に育成就労産業分野における人材確保が追加された(技能等の一定による国際協力の推進は削除)
- 32項…基本理念の変更に伴い、技能実習法で設けられていた、「技能実習は労働力の受給の調整の手段として行われてはならない」いわゆる受給調整手段としての利用禁止の条項が削除された
育成就労法が導入されても“基本的な構造は変わりません”
とはいえ転籍のメカニズムや職種の対応などの実務的部分は変更されます。【定義の変更】※重要な部分のみ抜粋
技能実習制度 育成就労制度 技能実習 育成就労 企業単独型技能実習 単独型育成就労
※産業分野外については、おそらく企業内転勤2号(新設)の枠組みで行われる育成就労産業分野(新設) 団体監理型技能実習 監理型育成就労 労働者派遣等育成就労産業分野(新設)
※派遣が可能になった技能実習生 育成就労外国人 企業単独型技能実習生 単独型育成就労外国人 団体監理型 監理型育成就労外国人 技能実習実施者 育成就労実施者 実施者(単独型) 単独型育成就労実施者 団体監理型 監理型育成労実施者 実習監理 監理支援 監理団体 監理支援機関
2-3 育成就労の計画について
今回の改正では、育成就労外国人ごとに育成就労計画を作成し、かつ機構の認定を受ける必要がある部分は変更されていません(計画型の在留資格)。転籍に関する部分については転籍する場合と一度本帰国してから再度来日する場合の2つのパターンが設けられ、新規の育成計画の場合は転籍時の育成計画の認定または再度来日時の育成計画の認定が必要になります。また、育成就労実施者について変更を希望する場合は変更申請が認定される構造になっており、さらに転籍時の要件や移動費用、送り出し機関との費用分担なども計画認定の中に組み込まれています。なお転籍を希望する場合の申請先は、技能実習機構、監理支援機関、または育成就労実施者のいずれでも構いません。ただし受理した側は各関係者に通知しなければならず、これを怠ると罰金の対象になるため注意が必要です。
2-4 監理支援機関の許可基準について
①本邦の営利を目的としない法人であって主務省令で定めるものであること
②監理支援事業を適正に遂行するに足りる能力を有し主務省令で定める基準に適合しているものであること
③監理支援事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有するものとして主務省令で定める基準に適合しているものであること
④個人情報を適正に監理し、並びに監理型育成就労実施者等及び監理型育成就労外国人等の秘密を守るために必要な措置を講じていること
⑤監事その他法人の業務を監査する物による監査の他、監理型育成就労実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって、職務の執行の監査を公正かつ適正に遂行することができる知識又は経験等を有すること、その他主務省令で定める要件に適合するものに、主務省令で定めるところにより、役員の監理支援事業に係る職務の執行の監査を行わせるための措置を講じていること。
⑥外国の送出機関から監理型育成就労の対象となろうとする外国人らの監理型育成就労に係る求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、外国の送出機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結していること
⑦前各号に定めるものの他、申請者が、監理支援事業を適正に遂行することができる能力を有するものであること気になるポイント
- 一般特定の区分がなくなった代わりに外部監査の義務が課せられている
- 斡旋に関しては、育成就労法27条に基づき育成就労職業紹介事業として行われるため、監理支援機関がマッチングを行う構造は変化していない
- 監理費の徴収に関しては、育成就労法28条に基づいて行われる等、基本的な部分は変化していないが実務上の関心事は主務省令に委ねられている
- 技能実習評価試験が育成就労評価試験に変更されている
今回の改正では、産業分野ごとに枠が設定されるため、枠を超えた場合の対処も考慮されています。具体的には育成就労計画の認定を停止する扱いになりますが育成就労の本質は変わらないでしょう(条文8条~56条)。
以上のことから、営利目的を持たないことや外部監査人の義務については理解できましたが重要な部分に関しては未定のままです。
2-5 育成就労制度の人材育成の内容
育成就労制度では段階的に日本語能力を習得していくことが必要です。
就労開始前には、N5または相当講習、育成就労1年経過では、基礎級とN5の取得が求められます。
育成就労2年目を終了すると3年目の終了までには技能検定3級の合格または特定技能1号評価試験の合格とN4の取得が求められます。これらの条件を満たすと特定技能1号に移行することができるのです(運命論の目的達成)。
さらに8年経過すると特定技能2号の可能性が見えてくるのですがこの段階では、N3の取得と技能検定1級の合格が求められます。- ポイント1 日本語能力
- ポイント2 職種
一部の業種、例えば外食業や漁業などには日本語能力に対応する部分が存在しないとされますが、他の業種にはこのような対応がないため、段階的な日本語能力の習得が確実に測定されていると言えるでしょう。
気になる点として、1年経過した時点で試験に合格できなかった場合、次の段階へ移行できるかどうかについて明確な決定が出ていないことです。1年経過した時点での浪人について明確に記載されていないことや有識者会議の議論を推測すると3年目時点での浪人が可能になるかもしれません。技能実習制度と特定技能制度ではそれぞれ職種の考え方が存在します。
技能実習制度に関する職種の考え方は、仕事の内容だけを重視し産業分野を考慮するという発想はありません。具体的には「どのような職種なのか」、「明確な職種作業があるのか」という職種と作業の観点で受け入れが可能でした。
特定技能制度に関する職種の考え方は、仕事の内容は業務区分として定められています。さらに産業分野ごとの受け入れ枠や産業分野ごとに不足している人材を確保するという観点も考慮されます。
2-6 産業分野の概念
産業分野と仕事の内容が一致しなければ特定技能の受け入れはできません。このように特定技能と育成就労は同じ考え方を共有しています。
特定技能の産業分野の中に育成就労産業分野が置かれることが法案で明らかになりました。
※特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本法において就労を通じて習得させることが相当であるものは主務省令で定める分野となります。
さらにその中に、労働者派遣等育成就労産業分野として派遣ができる育成就労産業分野が設けられることになりました。すなわち労働者派遣が認められる分野が設定されるということです。
※育成就労産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本法において就労を通じて習得させるにあたり、季節的業務に従事させることを要する分野であって、当該技能を労働者派遣等による就労を通じて習得させることができるものとして主務省令で定める分野となります。
最も外側は特定技能の産業分野であり、その中に育成就労産業分野が含まれ、さらにその中に労働者派遣と育成就労産業分野が位置付けられる構造となります。しかし基本的な構造は理解できたものの、具体的な産業分野については不明です。
2-7 特定技能制度の歩み
現在の産業分野は、2019年3月29日に閣議決定され、追加されることになりました。
一方で特定技能は、2018年12月4日の入間法改正によって導入され2019年4月1日に開始されました。当初は14産業分野34万人枠が設けられていましたが、2022年4月26日に3産業分野に分かれていた製造業の素形材、産業機械、電気・電子は1産業分野に、並行して業務区分も19業務区分に統合されました。この統合により人数枠も3万2450人枠に変更され、2022年8月30日には人数枠の再配分が行われました。これは製造業の素形材、産業機械、電気・電子が人数枠を超えたためです。全体の人枠数は34万人枠のままですが、受け入れが進んでいない分野から進んでいる分野へ枠を移動し、各産業分野の枠の見直しを行いました。その際、農業の枠数だけが変更されていません。また、人数枠の見直しに加えて業務区分も細分化されました。例えば製造業の機械金属加工、電気電子機器組立、金属表面処理が19業務区分から3業務区分に統合され、同じく建設業も19業務区分から3業務区分に統合されています。そして、2023年6月9日に特定技能2号の追加が閣議決定され、建設業において一部対象の造船・舶用工業とこれまで対象外だった業務区分が追加されました。また、介護業を除く部分については特定技能2号が追加され、2024年3月29日に4産業分野の追加と2産業分野の拡大、そして人数枠の見直しが行われました。
素形材、産業機械、電気・電子は工業製品製造業に変更され、3業務区分が10業務区分に拡大されました。造船・舶用工業は6業務区分が3業務区分に統合され、追加について国交省分野として自動車運送業3業務区分2万4500人枠、鉄道業5業務区分3800人枠が追加されました。その際、飲食料品製造も拡大されています。なお、農林水産省分野として林業・木材がそれぞれ1000人枠に拡大され合計82万人枠となっています。
2-8 特定技能1号の産業分野まとめ
【変更箇所】(重要な部分のみ抜粋)
工業製品製造業は10業務区分に変更され、紙器段ボール箱製造、コンクリート製品、RPF(再生可能な木材繊維)、陶磁器、印刷製本、紡織縫製などが追加されました。さらに工業製品製造業、すなわち製造分野と飲食料品製造の産業分野の該当性に関しては日本標準産業分類が使用されています。この日本標準産業分類とは、企業が協議会に加入する際に必要とされる出荷額の基準を示します。したがって、4桁の番号で表示される工場出荷額が一定の基準を満たしているかどうかを確認することが求められ、この基準を満たさない場合、特定の分野に受理されない可能性があるため、この日本標準産業分類も追加されたものと思われます。追加されるという意味では飲食料品製造がまさにその部分です。上乗せ基準告示で定めている事業所に関しては日本標準産業分類に基づいており、スーパーマーケットのバックヤードは飲食料品製造に追加されました。
造船舶用工業は3業務区分に変更され、造船、舶用機械、舶用電気電子機器が追加されました。さらに自動車運送業も追加され、トラック、タクシー、バスの3業務区分が含まれています。それぞれに対して特定技能1号評価試験と第1種運転免許が必要なうえ、バス、タクシーには第2種運転免許も必要です。なお日本語能力に関しては、トラックはN4、バスはN3が必要です。
鉄道分野は5業務区分に変更され、機動整備、電気設備、車両整備が追加されました。車両製造に関しては、中分類31輸送用機械器具製造のうち鉄道製造については解禁され運輸係員となっています。日本語能力に関して運輸係員以外はN4、運輸係員はN3が必要です。それぞれに特定技能1号評価試験と製造部分については技能検定3級が適用されます。
林業木材は、1業務区分の林業と1業務区分の製材が追加されています。
2-9 職種・作業、産業分野・業務区分について
上乗せ基準告示が改正された場合、5611総合スーパーだけでなく5811食料品スーパーが追加されるでしょう。したがって食品系スーパーマーケットのバックヤードで行われている洋菓子や和菓子の製造なども特定技能により5年間の受け入れが可能になります。
飲食料品製造は基本的に何でもできるということでかなり細分化されています。繊維・衣服に関しては、縫製と紡織が追加されたため、工業製品製造業として網羅されました。製造業においても工業製品製造業として4桁の番号が追加されるでしょう。このように日本産業分類さえ該当すれば認められる範囲が拡大されているため、その他の分野にあった、印刷製本、紙器段ボール箱製造、陶磁器、コンクリート製品、RPFの追加にも期待ができます。他には、鉄道の敷設整備や鉄道車両整備、木材加工なども鉄道と木材に追加されるでしょう。
残る職種問題としては、家具、強化プラスチック、リネン、ゴム、ボイラーメンテナンスと1年職種があります。特に工業包装は、技能実習では仕事の内容だけを考慮するため、例えば梱包だけを行っている場合でも工業包装に該当しますが特定技能では製造業に分類されるため、梱包対象の製品を作っていない場合は特定技能の対象外となります。これは自動車も同じです。3.転籍について
3-1 育成就労法案における計画認定の種類と認定基準
育成就労計画の認定基準には、新規の認定、転籍時の認定、再認定の3つのパターンがあります。新規の計画認定申請に対する基本的な認定基準は共通していますが、転籍時には特定の条件が必要です。なお、移籍金や送り出し機関との費用分担に関する話題は、基本的にこの認定基準の中に含まれます。
例えば送り出し機関の費用分担については、「外国の送り出し機関からの取次ぎを受けた外国人にかかるものである場合は、当該外国人に支払った費用の額が、育成就労外国人の保護の観点から適切なものとして主務省令で定める基準に適合していること」が求められます。
転籍の要件は、原則3年以内、かつ同じ仕事であることは共通しています。ただし本人意向の転籍の場合は、①1年以上2年以下であること②産業分野で定められている期間就労したこと③日本語と技能試験に合格していること④育成就労の実施に関する実績、育成就労外国人の育成にかかる費用の負担能力その他育成就労適正に実施するための必要な事項に関して主務省令で定める基準に適合していること(移籍金支払いの資力基準)、これらの基準を満たせば計画認定が行われるという構造です。
再度の認定は、計画の取り消しになった場合、もしくは2年以下で一度帰国する場合に発生します(2年以下で帰国する場合は特定技能3号の適用がありません)。これは2年以下で一度帰国し、別の産業分野に移る場合に計画をやり直すことができる制度設計です。
また、計画認定を受けた後に実施者の影響で一時的に計画が取り消された場合や別の場所で計画認定を受ける場合も再度の計画認定が行われます。なお転籍の要件や移籍金の取り扱いについては、計画認定基準の中に明記されています。ただし、これらの内容は基本的に主務省令によって定められているため、残念ながらこれ以上の詳細は分かっていません。
3-2 転籍のメカニズム(監理型育成就労)
・育成就労外国人が現在の実施者(育成就労を提供する組織)を変更したい場合の手続きについて
申請先は、育成就労機構、監理支援機関、直接雇用主(育成就労実施者)のいずれに対しても行えます。
例えば監理支援機関が申請を受理した場合は、育成就労機構と実施者にも通知しなければなりません。または実施者が申請を受理した場合は、監理支援機関と派遣先にも通知します(共同で実施している場合)。このように各関係者間で通知が行き来し、情報が共有されます。そのうえで監理支援機関が雇用契約の成立の斡旋、育成就労職業紹介事業でマッチングを行い、次の計画認定を受けて転籍が可能となります。ただし、通知や届け忘れは罰則の対象となるため、事前に事務的な対策を講じることが重要です。
3-3 育成就労法法案の概要
・条文の第3章(第57条~第102条)
技能実習機構が再編され新たに育成就労機構となります。権利と義務については育成就労機構が承継し、機構実施職業紹介事業を行うことになります。これはハローワークや地方運輸局と連携し、転籍の支援を行うということでしょう。特定技能者に関しては、相談対応や情報提供、援助業務も行います。罰則については、転籍を受理した後の届出義務違反、通知義務違反には30万円以下の罰金が科されます。
3-4 未定な重要論点
転籍のメカニズムや計画認定の基準は理解できましたが、重要な論点で未定な部分も多く存在します。
育成就労産業分野、労働者派遣と育成就労産業分野、入国後講習の有無や内容、法人ごとの人数枠、移籍金の方法、訪日費用の分担方式、転籍時のやむを得ない事情、本人意向転籍の雇用期間の上乗せの有無、本人意向転籍の日本語・技能の上乗せの有無、監理支援機関の許可の具体的な内容 等
※現状、主務省令で定められている
3-5 技能実習と育成就労の制度比較
項目 技能実習 育成就労 制度目的 国際貢献、人材育成 人材育成、人材確保 在留資格 技能実習 育成就労 在留期間 1号:~1年
2号:~2年
3号:~2年原則通算3年
※更新はおそらく1年毎の6月監督機関 ※1 あり(技能実習計画) あり(外国人育成就労機構) 職種 移行対象職種・作業(または1年職種) 育成就労産業分野、業務区分の範囲 計画 ※2 あり(技能実習計画) あり(育成就労計画) 就労開始時点の
技能なし なし 就労開始時点の
日本語なし(介護はN4) 原則A1(N5等)(分野により上乗せ可能)または相当講習 人材育成の内容 1号の修了時:技能検定基礎級
2号の修了時:技能検定随時3級1年目の終了時:A1(N5等)、技能検定基礎級等
3年目の終了時:A2(N4等)、技能検定随時3級等送出機関 政府認定送出機関 職安法に基づき必要な範囲となり、政府認定送出機関である必要はないと思われる。 監理団体 あり(監理団体) あり(監理支援機関) マッチング 監理団体 監理支援機関 産業分野の人数枠 なし あり 受入機関の人数枠 あり あり 転籍 原則不可(やむを得ない場合または2号から3号への移行時は可能) 以下の2つの方式による転籍が可能
・やむを得ない事情がある場合の転籍
・本人の意向による転籍国内で他の在留資格からの変更 想定されていない 可能と思われる 派遣 不可 農業・漁業は可能であると予想する ※1 技能実習機構は外国人育成就労機構に変更されます。
※2 技能実習計画は就労計画に変更されます。
3-6 経過措置(施行日を2027年4月と仮定した場合)
施行の準備期間中は、技能実習の受け入れが可能です。この期間に入国した場合、原則2号の終了まで滞在が許可されますが3号に移行できるかどうかは主務省令に委ねられているため分かりません。ただし、施行日に技能実習を実施中だった場合は2号まで移行することができます。
問題は仕掛り中のものです。仕掛り中とは、計画認定申請中、計画認定されたが在留資格認定証明書の交付申請前の状態のもの、そして在留資格認定証明書の交付申請中のものをいいます。これらの仕掛り中のものについては、3ヶ月以内に全てが揃った状態で入国すれば問題がないように整理されました。したがって3ヶ月以内に入国した場合、2号まで(3年間)は滞在が許可されます。概ね2030年まで技能実習生がいると考えられ、それらの方々は従来通りの在留資格「技能実習」が継続できることになります。
3-7 まとめ
〇基本的な制度構造が判明した
- 育成就労法法案が提示されたことで、制度の骨子が判明した。
- 育成就労計画や監理支援機関等、技能実習制度で採用された雇用許可制類似の制度に特定技能制度の職種の考え方が取り組まれた制度となっている。
〇重要な論点が主務省令に委任されている
- 入国後講習の有無や内容、移籍金の方式、訪日費用負担の方式、監理支援機関の要件等、重要部分が主務省令に委任されている。
- 引き続き、主務省令の内容を注視する必要がある。
4.技能実習法等改正法案(育成就労法法案)Q&A
①育成就労制度の転職制限の年数と要件について
転職要件に関する年数は、育成労働計画の認定基準で制限されています(1~2年間の就労が必要)。ただし具体的な産業分野や期間については、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
②転籍の初期費用負担について
具体的な初期費用については、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
③育成就労制度と特定技能制度の適用職種の変化について
特定技能の特定産業分野の中の一部を育成就労産業分野として扱うことになりました。仕事の考え方としては、特定技能に合わせるということが明確になりましたが、特定技能のうち育成就労の産業分野として扱う部分については未定です。育成就労の産業分野として扱わない可能性が高い分野は閣議決定で追加された自動車運送業です。
④監理育成機関許可要件、申請方法等について
外部監査人は置かなくてはならないことは明確になりましたが主要な部分については、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
⑤育成就労の斡旋業務は民間に開放されるのか
株式会社が育成就労の斡旋業務ができないことが確定したため、民間には開放されません。
⑥技能実習の介護固有要件について
主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
⑦育成就労中に試験に合格すればいつでも特定技能1号に移行できるのか
試験に合格し、かつ転籍の要件を満たせば特定技能1号に変更できると考えられます。
⑧パブリックコメントの最短開始時期について
年内には実施される可能性があります。おそらく4ヶ月程度で実施されるでしょう。
⑨自動車部品プラスチック成型などは職種に入るのか
4桁の番号がプラスチック成型のものは該当します。ただし、4桁の番号が31から始まる輸送用機械器具製造の部品に該当したものについては該当しません。したがって4桁の番号次第です。
⑩監理支援機関の許可要件には外部監査人の設置のみと表現されているが、今後新たな許可要件は出るのか(企業数、職員数、通訳数、資産など)
出る可能性があります。特定技能2号での監理支援機関としての組織要件については、主務省令で定められると考えられます。
⑪育成就労制度の施行までに飲食料品製造分野と水産加工業の区別を検討中とのことだが、新たな分野での追加が検討されているのか
水産加工業が新たな産業分野として追加される可能性があることを意味します。飲食料品製造分野と水産加工業を産業分野として区別する議論の背景には、低賃金の水産加工業を飲食料品製造分野にまとめたことで、他の分野に人材が流出する可能性があるという問題があります。実際に区別されるかどうかは未定ですが業務区分としてではなく産業分野として別の扱いになるかもしれません。
⑫従来の監理団体と送り出し機関との間で締結された協定書は無効とされ、新たに協定書を締結することになるのか
通常、技能実習に限定した取次ぎ契約が結ばれていると考えられるため、契約が無効になるわけではありませんが使用されなくなる契約が残ることになります。したがって技能実習の際に協定書が作成されている場合は育成就労に移行する際に再度協定書を締結する必要があります。ただし汎用的な在留資格に関わらず作成されている場合はそのまま使用できる可能性もありますが、育成就労の要件を満たさなければならない場合もあるため、再度契約を結び直すことが望ましいでしょう。
⑬監理支援機関~許可申請~認定までの最適な申請開始日程について(施行日を2027年4月と仮定した場合)
現在、申請から許可までに約6ヶ月かかっているため、最適な申請開始時期は施行日の約1年前程度だと考えられます。
⑭百貨店の食品売場は追加されるのか
総合スーパーと百貨店が同じ日本標準産業分類の番号であれば百貨店の食品売場の裏側での加工も成立する可能性があります。ただし、上乗せ基準告知の改正によって明確化されると考えられます。
⑮自動車メーカーや自動車部品会社は特定技能と育成就労の受け入れはできないのか
31輸送用機械器具製造に分類される事業所での受け入れはできません。ただし汎用性の高い部品である場合や産業機械器具製造に分類されるプラスチックなどの部品については該当します。
⑯グラハン(グランドハンドリング)は社内検定型のまま変更されないのか
グラハンについては評価試験が実施されています。これまでの技能実習は企業単独型のみでしたが特定技能の特定産業分野に指定された場合、育成就労に移行することで通常の試験に加えて育成就労の評価試験も実施されることになるでしょう。したがって企業単独型のみではなくなると考えられます。
⑰育成就労の需要が増加し、特定技能の受け入れペースが鈍化する可能性について(育成就労から特定技能1号までのルートは8年間働けるため、育成就労が特定技能よりも魅力的に映る可能性がある)
労働条件の良い場所では特定技能でも転籍しないことが魅力的に感じるかもしれませんが実際の動向は予測が難しいです。また育成料の事務手続きの増加も懸念されます。したがって特定技能と比較してどちらが促進されやすいかは、主務省令を含めて全ての条件を総合的に考慮しないと判断が難しいです。
⑱産業分野の区分において、住宅建材製造及び飲料・液体用器・ペットボトル製造(プラスチック成型)などは工業製品として含まれるのか
アルミサッシは含まれると示されていたため、日本標準産業分類上では一部の住宅建材が含まれると考えられます。プラスチック成形のペットボトルについては日本標準産業分類を確認しない限り分からないです。住宅建材に関しては、おそらくアルミサッシが含まれます。飲料・液体用器、ペットボトル製造についても日本標準産業分類や上乗せ基準告示が改正されれば、それに基づいて該当するかどうか判断できるでしょう。
⑲外部監査人が行う業務について
現在は3ヶ月に1回の定期監査、年に5回の同行監査が行われていると考えられます。そのため定期監査が行われた後に同行監査が行われる傾向が主流になると思われます。
⑳特定技能制度における支援委託を登録支援機関に限るという内容について、具体的に何が変更されたのか、またこれは企業内製化で一部の支援を委託するということか
従来は入管法で全ての委託を行っていたところが登録支援機関として登録できると示されていました。これにより委託先を登録支援機関に限定する形で改正される見通しです。一部支援を受託するという形で登録支援機関としての登録を受けていれば可能だと考えられます。
㉑転籍の届出期限について
入管法の届出は通常14日で行われることが多いため、おそらくその期間内に行われるでしょう。これも主務省令に委ねられていると思われます。
㉒年金の脱退一時金の要求に対する対応について
それぞれが雇用契約を終了し、困難時届と特定技能雇用契約の終了に関する届を提出します。その後、全ての社会保険を解約し、住民登録を抹消して出国手続きを申請・受理されたら、帰国後に特定技能契約の締結届を提出すれば手続きが完了します。ただし、この手続きに伴い一時帰国の要請が出されると一時帰国のための休暇の取得が必要になります。さらに本気国した際に有給休暇が1回リセットされるかどうか等、様々な考慮が必要です。
㉓育成就労法改正後に在留する技能実習生はどのような法で保護されるのか
従来通りの経過措置として対応されることになるため、育成就労法によって保護されると考えられます。
㉔建設分野におけるJACの受け入れ負担金はどうなるのか
JACでないと分かりません。
㉕育成就労から特定技能に移行する際の1年~2年縛りについては、育成就労法の規定は育成就労から育成就労に移行に関するものであることから、特定技能への変更に関する制限はないのか
従前の法律案では、育成就労の本人意向の転籍要件を満たし、かつ特定技能の試験に合格した場合に変更が可能と示されていることから、この規定は育成就労法の制約ではなく計画型の在留資格に関連するものだと考えられます。計画型の在留資格では、一度計画を立てたらそれを全うしなければならない原則相当性がないのです。入管法第20条の原則相当性がないという部分には、おそらく例外的に相当性を認める場合が転籍の要件、かつ特定技能の合格なのだと思います。まさに法の縛りで条文上明確に縛っている訳ではないものの、おそらくこれは相当性がないという風に処理されるのだと思います。
㉖リネンサプライの特定技能に該当するのか、またどのタイミングで判明するのか
新産業分野の追加がある場合、追加されるかどうかは育成就労の人数枠の設定時に判断されると思います。
㉗転籍時、監理支援機関の変更も可能なのか
おそらく可能です。
㉘今後、建設材料の溶接は該当するのか
具体的な職種作業が不明なため回答できません。
㉙移籍金について
本人意向の転籍時に発生する費用です。転籍先(新しい雇用主)が転籍元に支払う育成等の負担費用であり、初めて雇用した人の育成にかかったコストなどのことです。相場などの詳細は、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
㉚外国人が送り出し機関に支払う金額は誰が決定するのか、また金額に関する規制はあるのか
送り出し国ごとに規制があります。例えばベトナムの場合は日本での労働賃金3ヶ月分等(年数による)。規制の範囲内であれば契約によって金額が定められると考えられます。
㉛産廃、リサイクル業の追加について
特定技能の産業分野に新産業分野を追加する場合、まず業界団体が検討し、人手不足対策が必要と判断されれば、諸官庁に要請を行います。その後、諸官庁が必要性を認めると、制度所管省庁から法務省に対して要請が行われ制度が作成されます。
㉜監理団体として認可されている一般社団法人は、育成就労施行後の監理支援機関としても許可されるのか
おそらく6法人が旧法令下で運営されていた実績がありますが、それが維持されるかは微妙なところです。許可を取り直す必要があるため、具体的な見通しは分かりません。
㉝閣議決定などの情報参照先について
閣議決定の内容は入管庁のウェブサイトに掲載されています。
㉞育成就労制度に移行後、企業側(受け入れ機関)が外国人の雇用を継続したくない場合、監理団体などに転籍先を探してもらうことは可能か
非自発的離職者の要件が育成就労制度に適用されるどうかは不明ですが、少なくとも特定技能に該当する職場では通常非自発的離職が発生しません。そのため育成就労についても同様の適用が考えられます。したがって合意によって退職してもらうしかないかもしれません。有期雇用であることも考慮すれば非常に難しいと思われます。
㉟構内請負製造業で仕入れがなく協議会に参加できない場合、育成就労の受け入れはできないのか
協議会に参加できない場合、おそらく育成就労も不可能です。構内請負製造業であっても仕入型から仕入出荷型に変更し、工場出荷額を発生させないと難しいと思います。
㊱育成就労は協議会への加入義務があるのか
あると思います。今後の動向を迅速に把握するためには主務省令を注視することが重要です。
基本的に省令は、入間庁や厚生労働省のウェブサイトで公表されるでしょう。㊲転籍時、監理支援機関の変更が可能になった場合の送り出し機関との新たな取次契約について
取次契約は、主に国外での職業紹介を基にしており、海外に求職者がいて日本に求人がある場合に成立します。したがって国内での転籍の場合、取り次ぎ契約は不要です。ただし現地との連絡調整として送り出し機関の調整が必要となる場合がありますが取り次ぎ契約は必須ではありません。転籍時に監理団体を変更すると、おそらく送り出し機関も変更され、送り出し監理費の支払いが停止される可能性があります。
㊳引っ越しなどの作業は運送業に分類されるのか
一般的には郵送業者などの緑ナンバーを持つ道路運送法上の輸送事業者であれば対象となります。
引っ越しについては、貨物として運送することが多いのであればトラックドライバーに該当する可能性があります。道路運送法に基づき緑ナンバーを持つ事業者が対象であり白ナンバーの場合は適用されません。㊴認定取消や育成就労の在留資格の在留資格失効の場合、どのようなケースを想定しているのか
帰国している場合です。例えば“農業での適合性が低いことに気付き1年半で農業の育成就労を中断し帰国する”このような場合に育成就労の資格が失われます。2年以内に育成就労を再開しようとする場合は異なる職種を選択し、かつ3号の適用もないため、新たな産業分野での育成就労が可能です。
㊵港湾作業(荷役を運ぶ仕事)は、特定技能に該当するのか
現状は該当していないが、物流業は様々な産業分野での追加が検討されているため、港湾の業界団体で決議し、特定技能の必要性を、国土交通省を通じて法務省に要請を行えば追加される可能性があります。
㊶技能実習経験者も育成就労に参加できるのか
技能実習経験の期間が育成就労期間とみなされるため、通常3年間経験している場合は参加できません。ただし技能実習中に妊娠などの理由で途中帰国し、後日再度参加する場合には参加できる手当てが設けられています。
-
2024.04.12「特定技能」ビザ|在留資格特定技能1号・2号の違いを徹底解説<2024年4月12日更新>
2019年4月に入国管理法が改正し、特定技能ビザが在留資格として新しく加わりました。
以前は外国人が日本で働くハードルがとても高かったのですが、 在留資格「特定技能」が作られたことにより、外国人が日本で働けるチャンスが増えました。
いま日本は、少子高齢化の進行と労働人口の減少に伴い、人手不足が深刻化しています。
そこで、グローバル化の流れとともに日本政府が目を付けたのが、外国人の活用です。
日本人と同じように働いて活躍してもらうことで、労働力不足を補おうという考え方です。
そこで、外国の方が日本で働くための新しい資格、特定技能ビザについてお伝えしていきます。
目次
そもそもビザ(在留資格)って何?
ビザ(在留資格)とは、入国を希望する国から発行されるものであり、入国を認められた人がもらえる資格です。
日本人が外国に入国する場合、その国が日本人に対してビザ取得を要求している場合は、 その国の大使館または領事館を訪れてビザを取得しなければなりません。
さらに、ビザは1種類だけではなく、目的に応じて取得する必要があります。特定技能ビザとは?
特定技能ビザとは、日本国内で働き手が特に不足している12分野14業種で外国の方が就労するための資格です。
指定されているのは、農業や介護業などの12分野14業種が対象。
指定された12分野14業種は、日本国内だけで十分な社員やスタッフを確保できない現状があります。
そこで、日本人だけではなく、海外人材を積極的に利用していくことで労働力不足を賄おうとしています。
日本でもグローバル化が進む中で、海外の働き手を積極的に雇用し、活躍してもらうという流れは当たり前になりつつあります。特定技能1号・2号の違い
在留資格「特定技能」は、2種類の資格で構成されています。
1号と2号の特徴や違いについて詳しくお伝えしていきます。特定技能1号とは?
特定技能1号とは、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する 業務に従事する外国人向け在留資格のことです。
いくら人手不足だからとはいえ、誰でも歓迎というわけではなく、一定の基準を設けています。
また、単純労働も付随する業務であれば可能になりました。
しかし、単純労働のみでの就業はできないので注意が必要です。
在留資格「特定技能1号」は、指定されている12業種14作業全部が対象になっています。
さらに、特定技能1号ビザは在留期間の上限が合計で5年と決まっているところも特徴です。特定技能2号って?
特定技能2号とは、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け在留資格のことです。
現時点での対象業種は、介護以外の11分野13業種です。介護職種は「在留資格介護」があるために、特定技能2職種は設定されていません
また、2号ビザは在留期間の上限がありません。
更新回数の制限がないため、条件さえ満たせれば何度でも更新できます。
取得条件について
特定技能ビザは、誰でも取得できる在留資格ではありません。
資格取得の条件があり、いずれかを満たす必要があります。
どのような条件なのか詳細をお伝えしていきます。日本語評価試験と技能評価試験に合格する
在留資格「特定技能1号」取得条件の1つ目は、試験に合格することです。
外国人が日本で働く場合、即戦力レベルでなければなりません。
そこで、すぐに日本で働けるのかを見定める基準になっているのが特定技能評価試験です。
日本語能力と技術レベルが問われる試験であり、技能評価試験については業界団体ごとのテストを突破する必要があります。日本語評価試験
日本語能力に関しては、「日本語能力試験」か「国際交流基金日本語基礎テスト」が使用されます。
特定技能ビザを取得するためには、日本語能力試験ではN4以上のレベルが求められます。
国際交流基金日本語基礎テストではA2レベル以上が要求されます。
両方のテストも基本的な言葉や漢字を使って書かれた文章を読んで理解でき、会話もわかるレベルです。
技能評価試験
技能評価試験(技術レベルを見るテスト)は、業界団体ごとで求められる基準が違ってきます。
受ける業界団体ごとに内容をあらかじめ確認しておかなければなりません。技能実習2号を修了する
技能実習生として3年間の技能実習を修了することでも在留資格「特定技能1号」のが得られます。
技能実習は、日本の技術者が来日してきた海外の方に教えて、 身に着けてもらうことで自分の育った国の発展に寄与するための人を育成するためにある制度です。
日本でOJTをすることで、国際貢献していこうという目的があります。
技能実習生として3年間の技能実習を修了(技能実習の2号を修了)することで、日本で働くことができる特定技能ビザの取得が可能となります。雇うことのできる企業とは
どの企業も特定技能ビザを取得した外国人を雇用できるわけではありません。
特定技能ビザを持っている外国人を雇うことができる企業や支援をしてくれる機関について詳しくお伝えしていきます。特定技能所属機関(受け入れ機関)
特定技能所属機関とは、特定技能ビザを取得した海外人材の受け入れ機関のことです。
来日した外国人は、受け入れ機関と直接契約をしてから、仕事を始めていきます。
また特定技能所属機関は、業種別に設けられている協議会に加入する義務があります。
協議会は、外国の方を守る目的に設置されています。
法律や経済情勢の変化などの情報収集や共有をすることや必要不可欠な情報の発信や課題の協議といった役割も担っています。登録支援機関
登録支援機関とは、外国人の支援計画の作成とサポートを受け入れ機関の代わりに行っています。
受け入れ機関は働きに来る外国人のために、住居の確保や日本語の学びの機会等を与えなければなりませんが、 専門的な知識が不足している企業は登録書類作成などを登録支援機関に委託することができます。
中小企業においては、外国人受入れの環境整備やサポートまで手が回らない場合が多いのが現状です。
外国人受入企業は必ず登録支援機関を利用する必要はありませんが、実績やノウハウがない場合は全部または一部委託することができます。受け入れ機関の条件
特定技能所属機関として許可されるにも条件に適しているかが問われます。
協議会に参加する義務の他にも、下記の項目を守る必要があります。
・労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
・1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
・1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
・欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がない等)に該当しないこと
・報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
・中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績があり,かつ,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること(兼任可)等(*)
・外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること(*)
・支援責任者等が欠格事由に該当しないこと(*) など(注)上記のうち*を付した基準は,登録支援機関に支援を全部委託する場合には不要
引用:法務省「新たな外国人材受入れに関する政省令の骨子」健全に会社の経営を行っているのであれば、問題なく守っている項目ばかりです。
法律やルール等守っていない企業では、日本人はおろか外国人も働かせたくはないですよね。
また受け入れ機関には、外国の方を雇うための基準というのも設けられています。
受入れ機関が外国人を受け入れるための基準
①外国人と結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)が適切であること(例:報酬額が日本人と同等以上)
②受入れ機関自体が適切であること(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
③外国人を支援する体制があること(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
④外国人を支援する計画が適切であること(1号特定技能外国人に対する支援について)
在留資格「特定技能」で家族帯同はできるのか
次に、在留資格「特定技能」が家族帯同で来日できるのかについてお伝えしていきます。
在留資格「特定技能1号」では家族帯同での来日はできません。
理由としては、は労働力確保が目的の就労ビザなので、家族帯同は原則認められていないのです。
対して在留資格「特定技能2号」は家族帯同で日本に滞在することが認められています。
但し、家族帯同が認められているのは配偶者と子供だけです。
配偶者と子供には家族滞在の在留資格が付与されて、家族そろって日本で暮らすことができます。特定技能ビザの実情
在留資格「特定技能」での日本在留者数
2023年12月時点での特定技能外国人の数は208,425人となっております。
その半数以上がベトナム人になります。
ベトナムからは大都市出身の大卒者が来日するのではなく、地方部の高卒者が来日するパターンが大半です。
業種ごとでみると、飲食料品製造業と農業で全体の半分以上を占めています。
外国の方を積極的に採用している業種もある一方、進んでいない業種もあるのは事実です。
【完全版】在留資格「特定技能」ミャンマー人材受け入れガイドさいごに
在留資格である特定技能についてと特定技能ビザ1号・2号の違いについてお伝えしてきました。
閉じる
外国の方が日本で働きやすくなったとはいえ、まだまだ資格として活かしきれていない面が多くあります。
14種類の業種が特定技能ビザの対象となっていますが、業種によって活用状況に差が出てきています。
日本の少子高齢化、労働力不足は喫緊の課題です。
日本の持続的繁栄のためにも、現在の在留資格「特定技能」の課題が解決され、 日本のため、そして日本で働きたい外国人のための制度に改善されることが望まれます。 -
2023.10.10群馬県の塗装業に配属予定の技能実習生2名がミャンマーから出国いたしました
群馬県の塗装業に配属予定の技能実習生2名がミャンマーから出国し、成田空港へ無事に入国致しました! 建築塗装作業現場でのご活躍に期待しています。頑張ってください! 閉じる
-
2022.12.18【技能実習生の寄付で寺院建設】日本で働く介護技能実習生の寄付によりミャンマーで寺院が建設されました!
介護技能実習生の寄付によりミャンマーで寺院が建設
ミャンマー・ユニティから介護技能実習生として日本で働いているMAI KHIN MAR YEE(マイさん)が、 来日から3年、彼女の念願であったミャンマーの地元の村に寺院を建設しました。
マイさんは日本に来る前から地元の村に寺院を建設することを決意していました。
当初は5年で寺院が完成する予定でしたが、コロナや2021年ミャンマーで起きた軍事クーデターの影響もあり建設が順調には進まず、予定よりも遅れての完成となりました。
また、建設中にマイさんの父親の亡くなるなど、多くの苦難があり、日本で不安な思いを抱えながらも、マイさんはさらに寺院を建てる思いを強くしました。
家族や友人がいない外国で働くことは誰にとっても不安で大変なことですが、寺院を建てるという目標が明確にあったからこそめげずに日本で介護のお仕事を続けてこられたのだと思います。寺院の建設は村民全員の夢でした。
そして完成した寺院はマイさんの地元の村で1番大きく、建設費も通常よりもかかっているため村民の自慢であり心安らぐ場所となっているそうです。日本での技能実習が始まった2019年8月から3年間、いただいた給与のほとんどを寺院建設費に費やしついに完成しました。
ミャンマーでの寺院の完成は受け入れ企業や同僚の方々にも一緒に応援していただき、完成を喜んでいただいています。ミャンマー人にとっての寺院
ミャンマーは国民の9割が仏教徒であり、ミャンマー人にとって寺院は生活に欠かせない存在です。
またミャンマーは仏教深い教えが根付いた文化のもと生活している人がほとんどです。
その仏教も上座部仏教(小乗仏教)といって、日本の大乗仏教とはかなり違います。日本の大乗仏教は、庶民への浸透を図るために大衆化したものです。
対してミャンマーの上座部仏教は、言わば本物の仏教です。
ミャンマーのほとんどの仏教徒は、一度は仏門に入ります。一週間や二週間程度の修行である場合も多いですが、皆が頭を丸めて修行を行います。女性も仏門に入るときは頭を丸めます。
ミャンマーでは朝晩お祈りをする習慣があり、実際に日本で働いている技能実習生も、写真を持参してお祈りをしています
「悪いことをしたら自分の来世が悪くなる。人に親切にすること、人のために何かをすることは当たり前」という考え方のため、ボランティアや寄付などに積極的に参加することも多く、収入の半分くらいをお寺に寄付をする人がかなりいます。ミャンマーで介護職が大人気な理由
上記の通り、ミャンマーでは人の役に立つことが生活をする上で非常に重要視されます。
そのため、体の不自由なお年寄りのお世話をする「介護」は、働きながら現世で徳を積むことができるので、ミャンマーでは人気がある職種なのです。ミャンマーでは介護という仕事はメジャーではありませんが、家族全員でお年寄りのお世話をすることが当たり前ですので、普段から祖父母のお世話などをしている人が多くスムーズに介護というお仕事を理解できます。
介護をやりたいという人は、ミャンマー以外の国ではなかなか見つからないのが実情です。
自ら、介護をやりたいという人がたくさんいる国はミャンマーしかないと思います。昨今、「介護を外国人に頼ろうではないか」という意見がありますが、足元では円安が進行し、今後途上国の急速な経済成長・賃金上昇が予想される中、もはや日本で介護の仕事をすることに魅力を感じる外国人は消滅しつつあります。
一方で、 ミャンマーは世界で唯一「介護職が人気がある国」です。またミャンマーは2021年2月の軍事クーデター発生後、欧米各国からの経済制裁により、失業者増大、通貨暴落、物価急上昇に見舞われ、生活困窮者が急増しています。そのため家族の生活を支えるために海外で働きたい若者が急増しています。
出稼ぎ先としは、先進国で唯一ミャンマー人に対して在留資格がおりやすい日本が一番人気です。アジアの先進国、美しい国、あこがれの国日本。仏教文化、国民性など親和性も高く、日本で働くために日本語を学ぶミャンマー人が急増しており、N4保有者も多数出てきております。まさに日本就職ブームが到来しています。
そして今、本人負担額がミャンマーで一番少なく、ミャンマー政府認定のナンバーワンの送り出し機関として信頼度の高いミャンマー・ユニティに日本で働きたい若者が殺到しており、面接候補者数はクーデター前の5倍に達しております。
ミャンマーではもはや大卒者にも就業機会はほとんどなく、ミャンマー・ユニティの面接候補者は大学進学者(卒業、在学、中退者)が全体の56%に達しています。以上、どれだけミャンマー人が介護職に向いていて、人気があるのかが分かると思います。
お問合せ、資料請求等お待ちしおります。 -
2022.06.14【最新情報】特定技能資格者を採用する方法と特定技能の現状
人材不足が深刻な12分野14業種を対象に、2019年4月から鳴り物入りでスタートした特定技能制度。しかしその普及は絶望的なほど進んでいません。
新型コロナウイルス感染防止対策で外国人入国禁止措置がとられた影響があるとはいえ、結果的に、元技能実習生を特定技能資格者として雇用すること=特定技能制度のようになってしまっており、特定技能制度の本来の意味が失われつつあります。
しかしながら、人材不足に悩む業界や企業の方々にとっては、特定技能外国人を雇用することはもはや避けられない喫緊の課題であることも事実です。ここでは、特定技能生を採用する上での現実的な対策として、技能実習3年終了者を特定技能で採用する方法と情報について具体的に解説します。
目次
1.なぜ特定技能は普及しないのか
1-1 悲惨なほど普及しない特定技能制度
安倍晋三前首相が「国難」と表現した労働者不足問題に対する対策として、2019年4月から特定技能制度が鳴り物入りでスタートしましたが、その普及は大きく低迷しております。
当初日本政府は特定技能者受け入れ目標を5年で34万人と定めましたが、2020年12月末現在で15,663人と大きく低迷しております。
新型コロナウイルス感染防止のための水際対策として、外国人の入国が大規模に禁止されていた影響があるとはいえ、特定技能制度スタートの目的と意義は大きく失われてしまっていることは、まことに嘆かわしい状況です。
1-2特定技能制度が普及しない主な原因
特定技能制度普及が低迷している一番の原因は、特定技能制度のハードルがあまりに高く、現実的でないことにあります。
実際に海外の人材送り出し機関は、特定技能に力を入れていません。
なぜならハードルが高くて人材募集が難しい特定技能よりも、人材募集が簡単な技能実習を、海外の送り出し機関は選ぶからです。
人材募集と教育の難易度が高い特定技能よりも、技能実習のほうが利益率が高いことも、海外の人材送り出し機関が特定技能に本気にならない原因となっています。2.特定技能外国人を雇用する6つのルート・方法
特定技能資格者を受け入れるルートは次の6つです。
難易度が低い(簡単に採用できる)順に解説いたします。2-1 [最も簡単] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用 2-2 [容易度2位] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人で、他業種の特定技能試験に合格した人を雇用 2-3 [容易度3位] 日本国内で、試験に合格した特定技能有資格者を雇用 2-3-1 留学生の8割が日本で就職できない現実 2-3-2 日本在住留学生に特定技能の試験に合格してもらい、採用することの重要性 2-4 [容易度4位] 日本国内で、特定技能の試験勉強をしている外国人を特定活動で雇用 2-5 [難易度高] 海外から、技能実習を3年満了し帰国した外国人を同職種で雇用 2-6 [難易度高] 海外から、試験に合格した特定技能有資格者を雇用 2-1 [最も簡単] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用
後述の日本政府の統計資料では、特定技能就労者の中で、技能実習を3年満了した外国人を特定技能で雇用しているケースが13,344人、全体の85%を占めているとあります。
コロナ禍による外国人入国禁止措置により海外からの入国が大きく制限されていますし、特定技能の試験勉強をして必要な特定技能評価試験に合格することは簡単ではありません。(介護職種では介護日本語評価試験も合格が必要)
そのため、試験が全面的に免除されているので簡単に在留資格変更ができる「2-1 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用」するケースが特定技能雇用の全体の大部分を占めています。つまり「日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用」することが、最も現実的で、かつ簡単な方法(ルート)なのです。 また、仕事や作業に関する経験や能力があるため、 現場の即戦力となります。
2-2 [容易度2位] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人で、他業種の特定技能試験に合格した人を雇用
次に現実的かつ簡単な方法(ルート)は、技能実習を3年満了した外国人で、他業種の特定技能試験に合格した人を日本国内で雇用する方法です。
世の中は需要と供給のバランスで成り立っています。
いくら人材の供給量が多くても、需要がなければ採用はできません。コロナ禍により、需要が消滅した業界もあります。
また、技能実習卒業生があまりいない職種もあります。ですから、介護や食料品製造業のように、需要が供給を上回っている業種においては、技能実習を3年満了した外国人に、指定する業種の特定技能評価試験の勉強をしてもらい、合格者(特定技能資格者)を雇用することが現実的です。
2-3 [容易度3位] 日本国内で、試験に合格した特定技能有資格者を雇用
2-3-1 留学生の8割が日本で就職できない現実
日本政府の統計によると、2020年6月現在、日本に在留している外国人は2,885,904人で、うち留学生は280,273人います。
日本政府は2008年に「留学生30万人計画」を発表しました。留学生30万人計画が公表されて以降、雨後の筍のごとく新たな日本語教育機関が設立され、留学生を受け入れる大学・大学院・専門学校などの高等教育機関も増えました。
しかし大きな問題点は、日本で学んだ留学生のうち約2割しか、日本で就職できないことです。
大学・大学院卒業生でも約3割しか就職できないので、日本語学校や専門学校卒業生の日本での就職率はさらに低くなります。日本で働くことを夢見て日本に留学した外国人の8割が、日本で就職できないという現実は大きな問題をはらんでいます。
就職したい外国人が就職できない。
また人材不足で困っている日本企業も採用がうまくいっていない。この大きなミスマッチ、大きな機会損失をなんとかしなければなりません。
2-3-2 日本在住留学生に特定技能の試験に合格してもらい、採用することの重要性
この大きな問題を解決する手段が、特定技能での採用です。
特定技能制度がスタートするまでは、留学生が日本で就職する手段は技人国(技術・人文知識・国際業務)の在留資格を取得し、その許可業種に就職するしかありませんでした。
しかし、技人国ビザを取得するには、大学・大学院、もしくは専門学校を卒業する必要があり、日本語学校への留学生にはほぼ可能性が絶たれていました。
また技人国の在留資格の要件が厳しく、ITエンジニアや通訳・翻訳者以外は需要が少なく、就職の機会が著しく少なかったのです。そこで対策として、特定技能制度の活用が望まれます。
技人国の狭き門ではなく、留学生に特定技能の試験勉強をしていただき、特定技能の資格を取得してもらうことで、留学生の日本での就職率を上げることができるのです。2-4 [容易度4位] 日本国内で、特定技能の試験勉強をしている外国人を特定活動で雇用
業種や地域、募集条件によっては、特定技能資格者が日本国内で十分に見つからない場合があります。
そのときに使えるのが「特定活動での雇用」です。
但し「新型コロナウイルス感染症の影響により帰国が困難」とされる場合のみの適用となりますので、ご注意ください。2-4-1 コロナで帰国が困難な留学生の特定活動
帰国が困難な留学生で就労を希望する方には,週28時間以内の就労( アルバイト・6か月) が認められています。
この場合、資格外活動の許可を得る必要があります。
特定活動中に、留学生に特定技能の試験に合格していただき、特定技能の資格を得たら、在留資格を特定技能に変更し、再雇用するという方法です。但し、この6ヶ月の間に、特定技能の試験に合格し特定技能資格を得ないと、帰国せざるを得なくなります。
2-4-2 コロナで解雇された外国人の特定活動
新型コロナウイルス感染症の影響により、受入れ機関又は受入れ予定機関の経営状況の悪化(倒産,人員整理,雇止め,採用内定の取消し等)等により、自己の責めに帰すべき事由によらずに当該機関において活動することができなくなり、現在の在留資格で日本に引き続き在留することが困難となった外国人に対して、特定技能の業務に必要な技能を身に付けるために在留の継続を希望する場合、1年間の特定活動が許可され、就労が可能です。
以下の方々で、転職・就職先と雇用契約を結んでいる外国人が対象です。
- 解雇等され、実習の継続が困難となった技能実習生 ・解雇等され、就労の継続が困難となった外国人労働者
- (在留資格「特定技能」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」等) ・採用内定を取り消された留学生
- 技能実習を修了し、帰国が困難となった方 など
2-5 [難易度高] 海外から、技能実習を3年満了し帰国した外国人を同職種で雇用
技能実習を3年経験した職種と同一分野の場合、特定技能の資格が得られます。
しかし、コロナ禍による外国人入国禁止措置により、海外からの入国が大きく制限されていますので、現時点では入国のメドが立たないので、あまりおすすめできません。2-6 [難易度高] 海外から、試験に合格した特定技能有資格者を雇用
技能実習を3年経験した職種と別の業種の場合、特定技能評価試験に合格すれば、特定技能資格が得られます。(介護職種では介護日本語評価試験も合格が必要)
一方、技能実習3年未経験者については、日本語能力試験と特定技能評価試験に合格すれば、特定技能資格が得られます。(介護職種では介護日本語評価試験も合格が必要)
しかし、コロナ禍による外国人入国禁止措置により、海外からの入国が大きく制限されていますし、特定技能の試験勉強をして必要な特定技能評価試験に合格することは簡単ではありませんので、おすすめできません。3.(付属資料)特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在:法務省出入国在留管理庁資料より)
【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在)
国籍・地域 総数 介護分野 ビルクリーニング分野 素形材産業分野 建設分野 造船・舶用業分野 自動車整備分野 航空分野 宿泊分野 農業分野 漁業分野 飲食料品製造業分野 外食業分野 総数 87,471 10,411 1,133 17,865 8,492 2,776 1,220 79 160 11,469 1,050 29,617 3,199 ベトナム 52,748 4,294 649 11,782 5,897 525 606 18 52 4,938 192 21,741 2,054 インドネシア 9,481 1,797 89 596 208 58 0 13 2,243 797 1,536 84 フィリピン 8,681 1,308 147 1,825 897 1,539 454 23 4 1,216 9 1,182 77 中国 6,143 449 17 1.160 524 415 8 1 6 1,078 52 2,186 247 ミャンマー 4,107 1,145 143 300 154 10 57 0 32 211 0 1,828 227 カンボジア 1,872 139 25 48 191 7 7 0 1 1,020 0 422 12 タイ 1.793 896 29 3 48 0 5 19 30 145 0 70 156 ネパール 1,401 896 29 3 48 0 5 19 30 145 0 70 156 その他 1,245 331 29 80 83 1 21 18 21 190 0 154 317 【第1-1図】特定産業分野別割合
【第1-2図】国籍・地域別割合
【第2表】都道府県別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在)
都道府県 総数 介護分野 ビルクリーニング分野 素形材産業分野 建設分野 造船・舶用工業分野 自動車整備分野 航空分野 宿泊分野 農業分野 漁業分野 飲食料品製造業分野 外食業分野 総数 87,471 10,411 1,133 17,865 8,492 2,776 1,220 79 160 11,469 1,050 29,617 3,199 北海道 3,677 342 30 98 309 6 33 0 11 1,190 225 1,365 68 青森県 433 28 0 15 11 9 0 0 0 226 12 132 0 岩手県 604 37 2 55 47 18 8 0 1 75 8 352 1 宮城県 953 78 0 32 89 21 7 0 2 50 117 536 21 秋田県 119 18 2 15 0 0 2 0 1 14 0 67 0 山形県 243 43 0 64 9 0 2 0 3 18 0 102 2 福島県 630 64 3 190 56 1 28 0 4 78 4 175 27 茨城県 4,939 337 6 1,011 188 0 41 0 6 1,643 31 1,640 36 栃木県 1,653 116 4 418 119 0 32 0 4 303 0 639 18 群馬県 2,902 232 7 708 141 0 25 0 3 492 1 1,271 22 埼玉県 4,991 670 56 516 950 1 98 0 1 150 0 2,345 204 千葉県 5,019 484 196 263 628 7 71 34 3 768 81 2,289 205 東京都 4,204 963 207 131 848 0 58 27 4 17 0 1,023 926 神奈川県 4,335 1,020 86 366 792 87 70 14 3 38 0 1,648 211 新潟県 640 29 3 127 51 0 22 0 4 89 1 309 5 富山県 866 94 6 304 101 0 47 0 3 15 11 266 19 石川県 869 78 6 475 71 1 28 0 3 14 43 124 26 福井県 470 88 5 131 51 0 8 0 3 13 43 86 42 山梨県 690 105 7 109 33 0 10 0 0 49 4 359 14 長野県 2,118 77 28 653 70 0 31 0 10 904 0 329 16 岐阜県 2,249 288 10 1,048 173 1 24 0 19 136 0 510 40 静岡県 2,840 144 25 999 218 35 32 0 7 216 10 1,103 51 愛知県 8,012 850 40 2,873 796 77 107 3 2 568 1 2,338 357 三重県 2,209 178 14 960 142 75 36 0 5 112 30 630 27 滋賀県 1,120 68 1 643 54 0 16 0 2 32 0 296 8 京都府 1,735 233 44 391 124 2 22 0 6 124 0 736 53 大阪府 4,990 1,132 154 1,366 646 9 49 1 6 33 4 1,322 268 兵庫県 3,431 514 30 1,063 212 42 54 0 6 164 7 1,235 104 奈良県 535 143 1 123 72 0 25 0 2 23 0 135 11 和歌山県 288 42 3 88 25 0 7 0 4 28 0 81 10 鳥取県 233 20 0 56 22 0 7 0 5 12 13 94 4 島根県 270 12 2 81 37 5 5 0 0 32 9 85 2 岡山県 1,672 178 3 412 174 107 9 0 0 98 8 659 24 広島県 3,389 232 32 650 258 916 67 0 0 143 179 890 22 山口県 722 106 9 106 109 32 8 0 6 23 9 282 32 徳島県 329 23 2 10 32 3 9 0 1 153 5 91 0 愛媛県 1,273 145 1 102 40 608 10 0 0 57 8 296 6 香川県 1,401 124 4 183 85 192 12 0 0 249 7 536 9 高知県 422 18 5 4 23 18 6 0 1 271 20 46 10 福岡県 3,272 369 37 478 291 13 41 0 4 471 0 1,409 159 佐賀県 556 111 1 37 40 15 6 0 0 52 0 282 12 長崎県 789 34 3 25 31 146 4 0 2 321 58 159 6 熊本県 1,866 126 6 249 105 124 6 0 3 877 0 328 42 大分県 736 40 16 70 58 155 10 0 2 270 9 92 14 宮崎県 561 82 0 9 24 0 3 0 3 211 59 159 11 鹿児島県 1,203 111 1 139 52 13 10 0 0 413 6 447 11 沖縄県 689 135 39 3 76 0 14 0 5 176 2 200 39 未定・不詳 324 50 6 16 9 37 0 0 0 58 25 119 4 注1) 本表の数値は速報値である。
注2) 本表の都道府県は在留外国人の住居地の都道府県である。【第3表】特定産業分野・業務区分別 特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在)
介護分野
10,411
ビルクリーニング分野
1,133
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野
17,865
鋳造
鍛造
ダイカスト
機械加工
金属プレス加工
鉄工
工場板金
めっき
アルミニウム陽極酸化処理
仕上げ
850
97
424
2,647
1,844
387
55
213
23
325
機械検査
機械保全
電子機器組立て
電気機器組立て
プリント配線板製造
プラスチック成形
塗装
溶接
工業包装
953
189
2,510
411
249
1,395
859
3,507
427
建設分野
8,492
型枠施工
左官
コンクリート圧送
トンネル推進工
建設機械施工
土工
屋根ふき
電気通信
鉄筋施工
鉄筋継手
1,286
486
155
2
1,394
55
50
20
1,335
28
内装仕上げ
表装
とび
建築大工
配管
建築板金
保温保冷
吹付ウレタン断熱
海洋土木工
533
73
2,027
528
339
117
64
0
0
造船・舶用工業分野
2,776
溶接
塗装
鉄工
仕上げ
機械加工
電気機器組立て
2,288
354
108
12
12
2
航空分野
79
空港グランドハンドリング
航空機整備
76
3
農業分野
11,469
耕種農業全般
畜産農業全般
8,766
2,703
漁業分野
1,050
漁業
養殖業
704
346
自動車整備分野
1,220
宿泊分野
160
飲食料品製造業分野
29,617
外食業分野
3,199
12分野計
87,471
注) 本表の数値は速報値である。
【第7表】(全分野)国籍・地域別 試験ルート・技能実習ルート別 特定技能1号在留外国人数
国籍・地域
総数
試験ルート
技能実習ルート
検定ルート
介護福祉士養成
施設修了ルートEPA介護福祉士
候補者ルート総数
87,471
20,534
66,535
191
1
210
アジア
87,365
20,438
66,525
191
1
210
ミャンマー
4,107
1,561
2,544
2
0
0
ブータン
30
22
8
0
0
0
バングラデシュ
76
57
18
1
0
0
カンボジア
1,872
333
1,539
0
0
0
スリランカ
224
85
135
3
1
0
中国
6,143
838
5,278
27
0
0
台湾
144
144
0
0
0
0
インド
40
20
20
0
0
0
インドネシア
3,227
6,157
4
0
93
韓国
158
157
0
1
0
0
ラオス
76
7
69
0
0
0
マレーシア
14
13
1
0
0
0
モンゴル
375
197
178
0
0
0
ネパール
1,401
1,292
109
0
0
0
パキスタン
1
1
0
0
0
0
フィリピン
8,681
1,577
6,969
23
0
112
タイ
1,793
145
1,648
0
0
0
ベトナム
52,748
10,761
41,852
130
0
0
バーレーン
1
1
0
0
0
0
ヨーロッパ
74
66
8
0
0
0
フィンランド
1
1
0
0
0
0
フランス
6
6
0
0
0
0
ハンガリー
1
1
0
0
0
0
イタリア
13
13
0
0
0
0
キルギス
17
10
7
0
0
0
カザフスタン
1
1
0
0
0
0
ロシア
11
11
0
0
0
0
スペイン
7
7
0
0
0
0
英国
3
3
0
0
0
0
ウズベキスタン
7
6
1
0
0
0
エストニア
1
1
0
0
0
0
オランダ
1
1
0
0
0
0
スウェーデン
1
1
0
0
0
0
スロバキア
1
1
0
0
0
0
ドイツ
1
1
0
0
0
0
ボーランド
1
1
0
0
0
0
リトアニア
1
1
0
0
0
0
アフリカ
2
2
0
0
0
0
ガーナ
1
1
0
0
0
0
マダガスカル
1
1
0
0
0
0
北米
11
11
0
0
0
0
エルサルバドル
1
1
0
0
0
0
メキシコ
4
4
0
0
0
0
アメリカ合衆国
5
5
0
0
0
0
カナダ
1
1
0
0
0
0
南米
16
14
2
0
0
0
アルゼンチン
2
2
0
0
0
0
チリ
6
6
0
0
0
0
ブラジル
4
4
0
0
0
0
ペルー
4
2
2
0
0
0
オセアニア
3
3
0
0
0
0
オーストラリア
3
3
0
0
0
0
注1) 本表の数値は速報値である。
注2) 特定技能1号外国人の受入れのある国籍・地域のみ記載している。
注3) 令和4年6月末時点のデータに基づいて作成したものであり,今後数値が変わることがある。 -
2022.06.14特定技能「登録支援機関」とは|役割・失敗しない選び方
外国人労働者の雇用に関わる皆さんは、「登録支援機関」について、ご存知でしょうか?
登録支援機関は、今注目の在留資格、「特定技能」を活用する上で、重要な役割を果たしています。
今回は、登録支援機関の役割と、その選び方についてご紹介します。
「人手不足解消のために、特定技能を検討している」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
外国人労働者の採用を成功させることは、人手不足解消の糸口となるでしょう。
目次
1.企業と外国人労働者のサポーター「登録支援機関」
1-1.登録支援機関とは
登録支援機関とは、特定技能1号として労働する外国人の、 「入国から帰国までの一連のサポート」を委託することができる機関です。
「受入れ機関」とは、外国人が特定技能労働者として雇用契約を結ぶ企業を指します。
その受入れ機関が行う仕事の中で、彼らの仕事や生活に関わる支援、専門性の高い業務などを、登録支援機関に委託することができるのです。
労働者にとっても、企業にとっても、登録支援機関は心強いサポーターとなります。1-2.受入れ機関の基準・義務
企業が「特定技能1号」として外国人労働者を受け入れるためには、定められた基準を満たし、義務を果たす必要があります。
<基準>
- 適切な雇用契約を結ぶ(例:日本人と同等以上の待遇を準備する)
- 機関自体が適切である(例:出入国に関する法令や労働法令等に違反していない)
- 外国人を支援する体制が整っている(例:生活面やコミュニケーションのサポート)
- 外国人を支援する計画が適切である(例:生活のオリエンテーション)
<義務>
- 雇用契約を確実に履行する
- 支援を実施する
- 出入国在留管理庁への各種届出を行う
- 外国人を支援する計画が適切である(例:生活のオリエンテーション)
以上の項目について体制を整えることで、企業は初めて、特定技能労働者として外国人材を受け入れることが可能なのです。
この中で「支援を実施する義務」の部分については、登録支援機関への委託が可能です。 次の章で、その詳しい内容について確認しましょう。
2.登録支援機関の役割は?支援内容10項目をご紹介
2-1.登録支援機関の要件
支援計画書の作成を行うことができれば、個人でも団体(民間の団体や法人、社労士、行政書士など)でも、登録支援機関になることができます。
出入国管理庁長官の登録を受けることで、登録支援機関としての活動が始められるのです。
この登録のためには、機関自体に法令違反がなかったり、外国人の支援体制が整っていたりといった、基準への適合が必要です。2-2.登録支援機関の役割
登録支援機関は、受入れ機関と支援委託契約を結びます。
これにより、支援計画の全部または一部の実施を、登録支援機関が行うことになります。 具体的な支援内容について、確認しましょう。
2-3.支援内容10項目
事前ガイダンス
受入れ機関と労働者が雇用契約を締結した後、在留資格の申請前に、ガイダンスを行います。
労働条件、活動内容、入国手続き、保証金徴収の有無などについて、対面やテレビ電話で説明をするのです。
これらの説明は、外国人労働者が十分に理解できる言語を使い、お互いの表情が見える状態で行わなければなりません。出入国する際の送迎
入国の際には、空港と仕事先(受入れ機関)もしくは住居間の送迎をする必要があります。
また、帰国の際にも、空港の保安検査場まで送迎・同行しなければなりません。住居確保・生活に必要な契約支援
特定技能外国人の住居として、住居探しの補助や社宅の提供を行います。
賃貸物件を契約する際、特定技能労働者本人の名義で契約するのであれば、受入れ機関に保証人となることをうながしたり、保障業者を探し緊急連絡先となったりすることもあります。
また、銀行口座の開設や、携帯電話の契約、電気・水道などの生活インフラの契約や手続きを補助する必要があります。生活オリエンテーション
円滑に社会生活を送るための、日本のルールやマナーを教えます。
また、公共機関の利用方法や、トラブル発生時・緊急時の連絡先、災害時の対応などについても伝えます。
あいまいな理解や誤った知識のまま生活をスタートすると、深刻な問題に発展することもあります。
母国との文化の違いに触れ、彼らが十分に理解できる言語で、入国したらすぐに実施します。公的手続等への動向
住居や社会保険、税などの手続きの同行や、書類作成の補助を行います。
特定技能労働者自身が、窓口に出向いて行う行政手続きについては、特に手厚く支援をする必要があります。日本語学習の機会の提供
日本語教室への入学案内や、日本語学習教材の提供などを実施します。
特定技能の場合は、一定水準の日本語力を確認する試験を通過しております。
しかし、職務の遂行や日本での暮らしを円滑にするためには、さらなる日本語学習が必要です。相談・苦情への対応
職場や生活する中で出た相談事や苦情などに対して、助言や指導を行います。
この際も、彼らが十分に理解できる言語で行わなければなりません。日本人との交流促進
自治会等の、地域住民との交流の場への参加を促します。
奉仕活動や地域のお祭りなどの情報を提供、案内し、必要に応じて同行します。
交流の際の注意事項や実施方法についても、説明を行わなければなりません。転職支援(人員整理等の場合)
特定技能は、受け入れ側の都合により、雇用契約が解除となる場合があります。
その際に、転職先を探す手伝いや、推薦状の作成をしなければなりません。
また、転職活動のための有給休暇を付与する、転職に必要な行政手続きについてオリエンテーションするといったことも必要です。定期的な面談・行政機関への通報
支援責任者等は、特定技能労働者やその上司に、3か月に1回以上の定期的な面談をする必要があります。
またその際、労働関連法規や入管法の違反が発覚した場合には、通報しなければなりません。
労働者本人への面談は、彼らが十分に理解できる言語で行う必要があります。
上記で説明した事柄は、「義務的支援」と呼ばれ、必ず実施しなければならない項目です。 これに加え、出来る限り実施することが望ましいとされる「任意的支援」もあります。
情報を一覧にした書面で情報提供をしたり、同行を義務付けられていない場面にも一緒に出向いたり、といった内容です。
登録支援機関には、特定技能労働者が安心して働けるように、出来る限りの支援を行うことが求められているのです。3.登録支援機関選びに失敗しない3つのポイント
特定技能労働者の受け入れを成功させるためには、登録支援機関選びがカギとなります。
支援機関としての登録はされているものの、 支援の実態がない機関は多数存在します。
適切な登録支援業務を、実際に行っている機関を選ぶことは大前提です。
加えて、以下の点に注意しましょう。3-1.協議会に加入しているか
特定技能の受入れ機関には「業種別の協議会への加入義務」があります。
この協議会は、特定技能制度を適切に運用するために、管轄の省庁が設置したものです。
特定技能14業種のうち、次の6業種については、登録支援機関についても、その協議会への加入が必須となっております。
・外食業
・飲食料品製造業
・宿泊
・自動車整備業
・航空
・造船・船用工業特定技能労働者の就労分野がこちらに該当する場合には、協議会に既に加入しているか、これから加入する確約のある登録支援機関から選ぶようにしましょう。
3-2.登録支援機関の拠点が近くにあるか
登録支援機関は、自社の近くにあるのが望ましいです。
実際に外国人労働者を受け入れると、就労中や日常生活の中で、予想していなかったトラブルが起こります。
その際に、フットワーク軽く対応してもらえるかどうかは、非常に重要なポイントです。
対応が遅れると、トラブルが大きくなりかねません。
また、支援のための費用として、自社までの交通費を負担するため、近距離の方が費用を抑えられます。3-3.支援費やサポート内容が適切か
登録支援機関を比較し、支援費(監理費、管理費、サポート費、登録支援費とも呼ぶ)やサポート内容、対応言語について、詳しく情報を収集しましょう。
任意支援の内容や支援費は、機関により全く異なります。
支援費が高額だからといって、充実した支援内容であるとも限らいないのです。
特定技能労働者を受け入れる上で、気になる点を事前に確認し、数社の見積もりを比較するようにしましょう。
通訳がその機関に常駐しているか、どのような支援を依頼した場合に別途費用が発生するかなど、トラブルが起こった場合を想定するのがポイントです。4.さいごに
今回は、登録支援機関について解説しました。
登録支援機関は、特定技能での外国人労働者を受け入れる上で、非常に重要な役割を持つ機関です。
優良な登録支援機関の存在は、労働者と企業、双方の心強いサポーターとなるでしょう。
【出典】
法務省 入国管理局「新たな外国人材の受け入れについて」
閉じる
外務省 「登録支援機関について」
法務省 「特定技能における分野別の協議会について」 -
2022.06.14特定技能外国人の住居基準 ルールと最新事例は?
日本企業の約半数が人手不足に陥っている状況にあるという発表もあり、人材不足は社会問題となっています。そんな問題の解決に向け、2019年より「特定技能」という制度が開始され、特に人手不足が深刻な業種において、外国人の就労が認められるようになりました。現在、特定技能の在留資格を取得した外国人を雇う企業が増加しています。
特定技能外国人を雇用するにあたって、外国人採用ならではのいくつかの決まりがあります。今回はそんないくつかある決まりのうち、住居基準と最新事例を解説していきます。目次
まずはじめに、特定技能外国人には「第1号」と「第2号」の2つの在留資格があります。 特定技能第1号とは、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する 業務に従事する外国人向け在留資格のことで、14業種に認められています。
特定技能第2号とは、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け在留資格のことで、現時点での対象業種は、建設業と造船・舶用工業のみです。
第2号は第1号より優遇される点が多いですが、特定の職業しかなることが出来ず、高度試験の合格も必要となり、第1号よりかなりハードルが高くなっています。
今回は特定技能1号外国人の住居基準について説明します。「住居」に関する支援の義務化
住居探し、賃貸契約の援助
住居確保支援の1つ目として、住居探し、賃貸契約の援助があります。
賃貸物件に関する情報提供、不動産仲介事業者を紹介など、住居探し、賃貸契約の援助を行う 必要があります。
また、当該外国人が希望すれば住居探しにつきそい、住居探しの補助を行います。さらに賃貸 契約の際に連帯保証人が必要な場合があります。
もし連帯保証人がいない場合、以下2つのいずれかの支援が求められます。① 連帯保証人を受け入れ機関などが引き受ける
② 利用可能な賃貸料金の債務保証業者を調達し、緊急連絡先を受け入れ機関にする受け入れ機関による住居の確保
支援の2つ目として、住居提供が挙げられます。
採用した時点で、当該外国人の状況が日本在住ではない、日本に住居がない場合、受け入れ機関による住居の準備・確保が必要となってきます。そのため、事前に物件を探し、受け入れ機関側自ら賃貸人として賃貸契約を行い住居として提供します。提供の際にこの住居でいいのか、受け入れ機関と当該外国人の双方で確認が必要です。社宅などを住居として提供
支援の3つ目として挙げられるのは、提供する物件として受け入れ機関が所有する社宅等を利用するというものです。
もし、所有する物件がある場合、それらを住居として提供するのも一つの方法といえます。この場合も2)と同様に、提供の際に受け入れる特定技能外国人へ物件の良し悪しを確認する必要があります。
これら3つのうちのいずれかを行うことが義務化されていますが、どの場合でも特定技能外国人の希望に沿った支援が求められます。上記3つの支援については,受入れ後に当該外国人が転居する場合にも 行うことが求められます。上記の義務以外にも留意しておくべき大事な点があるため、本項では上記の義務以外の重要注意事項や、実際に住居提供となった際に気になるだろう点について述べていきます。
用意する住居における注意点や留意事項
上記の義務以外にも留意しておくべき大事な点があるため、本項では上記の義務以外の重要注意事項や、実際に住居提供となった際に気になるだろう点について述べていきます。
準備する住居において必要な住居面積
法務省より、住居面積は1人あたり7.5m2以上の確保は必ずしないといけないとされています。7.5m2とは、おおよそ4畳半以上に匹敵します。
住居広さ7.5m2以上 = 住居(居室)面積 ÷ 居住人数
複数で住むことも可能ですが、複数人で同居したとしても住居(居室)全体の面積を居住人数で除した面積が7.5m2以上でないといけません。
運用要領にて「居室」とは以下のように示されています。ここにいう「居室」とは、居住、執務、作業、集会、娯楽、その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいい、ロフト等はこれに含まれない ことに留意が必要です。
(引用:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)
ただし、例外もあります。それは元々働いていた技能実習生から特定技能外国人として再度雇用したときに元々住んでいた社宅や寮を住居として利用する場合です。(4.5m2以上の住居面積が必須)。
別の住居に引っ越しを希望する場合は、先程述べたような支援(1人あたり7.5m2以上の住居面積)が必要となります。敷金・礼金等の支払いは受け入れ機関がするべき!?
敷金・礼金などの支払いにおいては、受け入れ機関が必ずしも行わないといけないという義務はありません。よって、基本的には特定技能外国人に支払ってもらう方向でいいと思います。
受け入れ機関による任意の全額負担、割合負担は問題にはなりません。 ただし注意点があり、以下に示します。なお、家賃債務保証業者を利用した場合は、保証料は受け入れ機関が負担する必要があります。(引用:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)
住居における留意事項
①日本人と同等の扱いを行わなければならない
日本人労働者と外国人労働者の扱いに差が出来ないようにする、というのも留意する点となります。例えば、日本人労働者に提供している物件がある場合、特定技能外国人に対してもそれと同等の居室の広さの提供が必要です。
②又貸しや社宅を利用した賃貸による利益を得てはいけない
受け入れ機関が外国人に対し賃貸契約した住居や社宅を、又貸しや賃貸として利用し経済的利益を上げるような行為をはしてはいけません。
法務省より、特定技能外国人から徴する費用についての注意点が述べられており、以下の通りとなっています。・借上物件の場合
借上げに要する費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等を含まない)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額
・自己所有物件の場合
実際に建設・改築等に要した費用、物件の耐用年数、入居する特定技能外国人の人数等を勘案して算出した合理的な額
(引用:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)難しい表現で記載されていますが、簡単に言うと、「特定技能外国人向けの社宅提供で儲けてはならない」ということです。
出入国在留管理庁ホームページには外国人を受け入れる際の注意点やQ&A等の記載があります。目を通してみるのもいいかもしれません。住居確保後に必ず忘れてはいけないこと
それは、住居地に関する届け出の提出を忘れてはいけないことです。住居が確保できたら、必ず所在地の自治体に住所の届け出を出す必要があります!!期間は、住居が決まった90日以内となっています!!
万が一、90日以上を過ぎてそのまま放置してしまうと、在留資格が取り消し扱いの対象となったり、受け入れ機関に対しても不正行為があるとみなされてしまい、特定技能外国人を雇うことができなくなります。
日本人では「注意不足」で済むかもしれませんが、外国人の場合ではそういうわけにはいかないようです。細心の注意を払って、必ず90日以内に自治体に住所の届け出を出すようにしましょう。特定技能外国人の住居【最新事例】
令和元年に「1号特定技能外国人支援に関する運用要領―1号特定技能外国人支援計画の基準についてー」が一部改正されました。住居においても改正点があり、以下のとおりです。
なお、ルームシェアするなど複数人が居住することとなる場合には、居室全体の面積を居住人数で除した場合の面積が7,5m2以上でなければなりません。(引用:法務省ホームページより)
つまり、同居する場合においても居住面積1人あたり7.5m2の確保は必須ということです。2人でルームシェアする場合は15m2以上の居住面積の確保が必要となります。
さいごに
人材不足が深刻な社会問題となっている現代において、外国人雇用は問題の打開策となる改革的な制度と言えます。実際に、外国人を雇用する企業も徐々に増えきており、コロナ化にてやや低迷傾向ではありますが今後も増加することが予想されます。とはいえ、「特定技能」制度自体がまだ新しい制度といえ、聞きなれないことや注意点等を知らない方も多いと思います。
閉じる
企業として、雇用する外国人が安心して在住できるようなサポートは必要不可欠です。住居においても必要なサポートの一つとなってきます。ぜひ今回解説したことを活かしていただければと思います。 -
2022.06.14特定技能の受け入れ人数|建設と介護以外は無制限!?
近年、日本企業は深刻な人材不足に陥っています。そんな中、人材不足の解決策として特定技能外国人の受け入れに注目が高まっており、その受け入れ人数は年々上昇しています。
様々な分野で活躍を始めている特定技能外国人。そこで、今回は採用にあたるうえで、受け入れ人数に制限はあるのか、現在の受け入れ状況ともに説明していきます。目次
在留資格の分野と種類
1)
特定産業分野とは、受け入れできる業種のことです。
「特定技能」は2019年4月より開始された制度で、介護や漁業など人手不足が深刻な14業種に限り外国人の就労が認められています。外国人就労の認められた特定産業分野である14業種は以下のとおりです。介護、ビルクリーニング、素材系産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、
、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁行、飲食料品製造業、外食業特定産業分野は、「特定技能第1号」、「特定技能第2号」でそれぞれ異なります。
特定技能第1号は、上記14業種すべてで受入れが認められています。
一方、特定技能第2号は下線を引いた「建設」、「造船・船用工業」の2分野の業種のみ受け入れ可となっています。2)
前述したように、在留資格には「特定技能第1号」、「特定技能第2号」という2種類があります。
特定技能第1号:
不足する人材の確保を図るべき産業上の分野に属する相当程度の知識又は経験を要する業務に従事する外国人向けの在留資格特定技能第2号:
同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの残留資格それぞれの違いは以下の通りになってきます。
特定技能第1号 特定技能第2号 在留期間 1年、6ヶ月又は4ヶ月ごとの更新 通算で上限5年まで 3年、1年又は6ヶ月ごとの更新 技能水準 試験等で確認 確認不要 日本語能力 水準 生活や業務に必要な日本語能力を 試験等で確認 確認不要 家族の帯同 基本的に認めない 要件を満たせば可(配偶者、子) 受入れ機関、登録 支援機関による支援 対象 対象外 (引用:法務省ホームページ)
特定技能1号が期間5年で家族帯同が認められていないのに対して、特定技能2号は期間の上限はなく、家族の帯同も認められています。これは特定技能2号が高度人材と呼ばれる在留資格「技術・人文知識・国際業務」と同等の在留資格として制度設計されているためです。 しかし、2号は「建設」、「造船・船用工業」の2つの業種のみとされています。
在留資格の分野と種類
1)特定技能外国人の受け入れ状況
(引用:法務省ホームページ)
上記は、出入国在留管理庁より発表された最新の特定技能外国人の在留者数を示したグラフとなっています。2021年2月時点で、22,567人の特定技能外国人が在留しており、グラフからわかるようにその人数は年々増加傾向にあります。
緑のグラフ線は在留資格変更許可を受け「特定技能」で在留する外国人、青のグラフ線は上陸時に「特定技能」の許可を受けて在留する外国人を示しています。
「特定技能」制度が開始されて数年経ちます。徐々に制度の認知度が高まり、技能実習から在留資格の切り替えが広がっています。コロナウイルスによる入国制限の強化により、入国時に特定技能の資格を得て就業に至っている外国人の数は2割増と増加数は少ない状況です。(引用:出入国在留管理庁ホームページ)
2)特定産業分野ごとの受け入れ人数
上記の表は特定産業分野ごとの特定技能外国人の受け入れ人数を表しています。 在留する特定技能外国人が、全14業種のうち「飲食料品製造業:8,104人」、「農業:3,359人」の2種類の業種で半分を占めていることが分かります。これは、技能実習生が多いことが原因として考えられます。
人手不足が深刻な「介護」は1,705人で2020年9月末より約2,6倍、「建設」は2,118人で2020年9月末より約3,3倍と増加率が高く、本制度が本格的に動き出す兆候が見えてきました。3)
現時点で、「技能実習修了者」から特定技能1号となっている場合が84,6%となっており、 特定技能制度を利用する外国人のほとんどが「技能実習修了者」ということがわかります。 ・技能実習修了者 :19,092人(84.6%)
4)
受け入れ目標としては、2018年に出入国在留管理庁より各分野に向こう5年でどの程度人手不足が見込まれるかを算出し、 必要性を考慮したうえで、向こう5年での最大受け入れ人数の設定が行われています。
分野 向こう5年間での
受け入れ上限介護 60,000人 ビルクリーニング 37,000人 素形材産業 21,500人 産業機械製造業 5,250人 電気・電子情報関連産業 4,700人 建設 40,000人 造船・舶用工業産業 13,000人 自動車整備 7,000人 航空 2,200人 宿泊 22,000人 農業 36,500人 漁業 9,000人 飲食料品製造業 34,000人 飲食料品製造業 34,000人 外食業 53,000人 合計 345,650人 左の表は各分野の業種において、出入国在留管理庁が示している向こう5年間での受け入れ上限です。
2)で示した受け入れ人数に対し、20~30%まで到達した業種がわずかで、その他多くの業種が10%にも満たない状況が現状としてあります。特定技能外国人に制限はある?建設と介護以外は無制限?
1)
現在、特定技能制度において受け入れ人数の制限があるのは、特定産業分野に属する14分野のうち、介護分野、建設分野の2分野です。その他の分野は人数の制限がありません。
2)
1)で述べたように介護分野と建設分野には一定の制限がかかることがあります。制限の詳細は下記の通りです。
- 介護分野:事業所で受け入れることができる特定技能1号は,事業所単位で,日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること
建設分野:特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数と特定 活動の在留資格で受け入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が, 受入れ機関の常勤の職員(外国人技能実習生,外国人建設就労者,1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないこと
つまり、既存の日本人社員を超える人数の採用はできないということですね。 介護分野、建設分野以外は受入れ人数は無制限です。
さいごに
今回は特定技能外国人の受け入れ人数について、現在の受け入れ状況を解説してきました。 「特定技能」制度は、開始されてまだ3年しかっておらず、コロナ等の影響もあり、なかなか進んでいないのが現状です。そんな中でも、人手不足が本当に深刻な分野にもようやく特定技能外国人の増加率が増加傾向をみせ始めており、今後さらに期待できる制度となっています。 人手不足に悩んでいる際には、一つの解決策としてぜひ検討してみてはどうでしょうか。
閉じる- 2022.06.09技能実習生の失踪など不幸な出来事の発生を防ぐための座談会
目次
大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者
大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。村瀬 優子 ミャンマー・ユニティ 実習生指導部マネージャー
ミャンマーで大学卒業後2000年に来日、日本で短期大学と専門学校を卒業。2007年に帰化して日本国籍を取得。
2016年にミャンマーユニティに入社。その後現在までに1,381名の技能実習生に対する日本での生活支援や様々な問題について取り組んでいる。
大澤さん
それでは技能実習生の失踪など不幸な出来事の発生を防ぐための座談会を開催いたします。
主に失踪をどのように防いでいくかが今回の話題になります。
実習生指導部の人員構成
まず、ミャンマー・ユニティの実習生指導部の人員構成についてお話します。
ミャンマー・ユニティの実習生指導部は、現在6人体制で日本で技能実習生のサポートをしております。 現在実習生指導部のメンバーは、東京1名、千葉1名、群馬1名、愛知1名、岐阜1名、岡山1名駐在しております。
その後は、技能実習生の配属の地域に合わせて7人目、8人目と人材を増やしていく予定です。(2022年12月1日現在)次は、実習生指導部マネージャーの村瀬より、実習生指導部の仕事内容についてお話しいただきます。
村瀬さん
実習生指導部の仕事内容
実習生指導部の仕事は、基本的には通訳と翻訳などを通じて、技能実習生を受け入れてくださっている監理団体様、企業様をサポートしております。
さらに、監理団体様が受け入れ先や技能実習生のところに訪問するときにいっしょに同行させていただいて、技能実習生に問題があるときにいっしょに解決したり、通訳などをしております。
特に企業様と技能実習生の間で何か問題があったときには、通訳とともに、解決に向かうようにアドバイスを行っております。
あとは技能実習生からいろいろ相談を受けたり、我々からも定期的に技能実習生に連絡して、生活がうまくいっているか、仕事がどうかなどの確認をとっております。以上が基本的な実習生指導部の仕事ですが、それ以外でも監理団体様のご要望があれば柔軟に対応させていただいております。
ミャンマー・ユニティがミャンマーで実施している失踪防止対策
大澤さん
ミャンマーで実施している失踪防止対策をお話しします。
ミスマッチの防止
技能実習生が失踪する原因の一つがミスマッチです。つまり、ミャンマーで聞いていたことと、日本に行ってからの現実が違うという場合にミスマッチが起こります。
ミャンマーでは採用企業はこんな企業だ、雇用条件(給料)はこのくらいだと話を聞いていたが、実際日本に行ってみたら聞いていたことと現実が違う。聞いていた給料と違う。こうしたミスマッチが一番失踪原因になります。
ですからミャンマー・ユニティはミャンマー側での対策として、ミャンマーでの話と日本に行ってからのミスマッチがないように、注力しています。次に、ミスマッチ防止策として、具体的にどのように対策しているかをお話しします。
①具体的かつ詳細な求人情報の提供
面接の手順は、まず日本の企業様から監理団体様を通して求人をいただき、その後ミャンマー・ユニティから求職者数百人に対してその求人情報を案内します。そうしますとその求人に対して数百人から応募が来るという手順になります。
その求人案内をするときに、給料がいくらであるか、税金や保険や家賃がいくら給与から控除されるかを細かく記載した雇用条件書を求職者に案内します。さらに仕事現場の写真、寮の写真、また残業がどのくらいあるかを案内します。
この際に、ミャンマーにいるときに想像していた職場の情報、手取り給与の情報が日本に行ったら違う、というのが一番怖いのです。
ですから、できる限り企業様のありのままの情報を求職者に伝えた上で応募してもらいます。
まずこれが一つ目のミスマッチを防ぐ方法です。その後、面接のときに企業様から企業様自身のご案内をしていただき、そのときに技能実習生から質問があればどんどんしていただきます。
②技能実習制度の詳細説明
面接が終了し企業様から内定が出た技能実習生に対しては日本語教育が始まります。介護以外の一般の技能実習生であれば5ヶ月、介護の技能実習生であれば10ヶ月の日本語教育が始まります。
この教育が始まる際の開講式では、技能実習生と技能実習生の両親等に対して、技能実習生がどんな目的で日本に行くのかなど、技能実習生制度について綿密に説明いたします。ちなみに面接前の段階でも、求職者にはスクリーニング(一次選抜)をし、合格者だけが面接候補者になっています。
このスクリーニングにおいても技能実習制度についての説明を行い、理解度を測るテストを行い、テスト結果が良好な人がスクリーニングに合格します。スクリーニングには他にもテストがありますが、その一つとして技能実習生制度の理解度を確認します。
③給与計算授業
また日本語教育期間は、基本的には日本語の教育がメインですが、日本語以外の教育も実施しています。
その中には、性教育や日本での生活の方法もありますが、給与計算の授業もあります。給与計算の授業がなぜ必要かといいますと、ミャンマーでは例えば3万円の給料だったら3万円がそのまま全額もらえるというのが普通です。しかし、日本では給与が額面通りもらえることはなく、いろいろ控除される金額があります。
その点を雇用条件書に基づいて、何が控除されて自分の手取り給与になるのはいくらか、というのをしっかり理解させるために、例を出しながら授業を行い、理解度のテストを行います。
雇用条件書に記載がある通り、いろいろ引かれて自分に手取りが残るっていうところを理解させるようにしております。ミスマッチの防止に関しては以上です。
失踪対策のディスカッション
ミャンマーで行っている失踪防止対策の二つ目は失踪対策のディスカッションです。
現在新型コロナ対策のためオンライン授業がメインですので、ミャンマー出国直前にヤンゴンに来てもらい、対面授業で補講をする際に、失踪対策のディスカッションを行います。
失踪対策のディスカッションは、グループで例えば
- ①同僚が「失踪したい」と告白してきたらどう対処するか。
- ②自分自身が失踪したくなったらどうするか。失踪する前に誰に相談するか
日本に入国してから、技能実習生自身に「仕事がつらい」「人間関係に問題がある」「不満がある」など心の隙があるときに、同国人から甘い誘いがあり、ついついその誘いに騙されてしまうのが失踪の実態ですが、失踪してもロクなことにはなりません。
うまいウソの話に騙されて、結果的に悪の集団に引き込まれたり、一生犯罪者として逃げ回ることになるだけですので、まずは「決して失踪してはいけない」「同国人の甘い誘いに騙されてはいけない」ということを徹底的に教えます。その上で、グループディスカッションでは「失踪はなぜ発生する?」という問いかけから、技能実習生同士でよく考えていただき、各意見に対しディスカッションを行います。
皆で考え、議論することで新たな気付きを与え、実際に自分がそのような状況になった時にどのように行動・判断すべきかを皆で考えます。
そして、友達から失踪の相談があったときは説得して断念させる、また自分自身も失踪の誘いがあったときに決して甘い言葉には乗らないようにするという方向に結論づけさせます。こうしたディスカッションを経験させることで、日本で本当にそういう状況に直面したときに、ディスカッションを思い出し、失踪を思いとどまってもらうというのが、このディスカッションの目的です。
将来ビジョン設計サポート
失踪防止対策の三つ目は、将来の目的「何のために日本に行くか」をしっかり考えさせる取り組みをしております。
将来の夢や目標を書かせたり、外部の講習に1日参加させて日本に行く目的と将来の自分の目標を立てさせます。
こうした三つの失踪防止対策を行うことで、ミャンマーでの仕事のイメージと実際の日本での業務にギャップが生じないようにし、技能実習生自身の心が折れそうになったときに失踪を思いとどまるよう徹底しております。
日本におけるミャンマー・ユニティの失踪対策
では続きまして村瀬さんから、日本における基本的な失踪対策についてお話をいただきます。
村瀬さん
ミャンマー語での相談窓口の設置
日本においての失踪防止対策としては、まず日本に来る前に、技能実習生と実習生指導部の間で、フェイスブックのメッセンジャーのグループまたはラインのグループを作ります。
それにより、日本に入国してからも技能実習生が送り出し機関(ミャンマー・ユニティ)とミャンマー語で相談できる窓口があることを伝えております。日本で技能実習している間に、技能実習生がミャンマー語で相談できますと、技能実習生に何かあったとき、困ったとき、不満があるときに安心して日本でも生活できますし、安心して実習が続けられます。
安心して実習できる環境を提供することにより、何かあったときにもすぐ失踪しないよう、また失踪したいという気持ちにならないよう、失踪を未然に防ぐことができます。
定期連絡と企業同行
二つ目は、実習生指導部が技能実習生に定期的に連絡すること、および、監理団体様が実習実施者の企業様に巡回や監査に行くときに実習生指導部が同行することです。
この定期連絡と同行により、何か失踪につながるような問題があるときは早期に対策し、失踪にならないように対応しています。
日本語学習の指導
三つ目は、日本入国後も日本語を続けて勉強するように指導することです。
日本での日本語能力試験(JLPT)受験に関して、我々送り出し期間が技能実習生の代わりに申し込みます。申し込みの手伝いをすることにより、少しでも技能実習生が日本語の勉強に集中できる環境をつくるサポートをしております。日本語が上達することにより、日本の生活にも役に立ちますし、仕事においても日本語ができると役に立ちます。
それ以外にも、日本語力向上後の将来構想やビジョンを持つことで、悪い友人や悪質ブローカーからの悪い誘いに対しても、迷わず断わることができ、自分の実習に集中して頑張ることができます。
ですから日本語力の向上も不可欠だと思います。日本においての失踪防止対策としては、以上の三点を実施しております。
大澤さん
村瀬さん、ありがとうございました。
技能実習生の失踪原因とは?
それでは、これから少し込み入った話をいたします。
実習生指導部の村瀬さんが今まで1300人以上の実習生を見てきて、「この実習生は失踪するかもしれない」と思ったことがあると思いますが、そう思うときはどんなときでしょうか?村瀬さん
そうですね、私の経験上でのことになりますが、「この技能実習生は失踪するかもしれない」と思う場合は三つあります。
一つは給料に関すること、二つ目は有給休暇がとれないこと、そして三つ目は現場の人間関係や暴力・暴言です。
給料に関するトラブル
失踪原因の一つ目はどういうものかと言いますと、給料に関しては先程申し上げましたようにミャンマーで給料の計算のしかたを教えていますが、残業代の計算で、例えば一時間残業したのに30分しかもらってないとか、一ヶ月20時間残業したのに18時間しか計算してくれていないとか疑問を持ち始めることがあります。
また、時間外割増についても、例えば土日休日に出勤しているのに割増がついてないとか、深夜残業と休日出勤で割増額が違うとか、そういうことに疑問を持ち始めて相談してくる技能実習生がほとんどです。こうした相談に対して企業様が早期に対応していただければ失踪は防げるのですが、実習生がどうしても納得できない場合は失踪の原因になります。
ミャンマーでは給料は支給額をまるごともらっている場合が多いのに対して、日本では社会保険料や、所得税とか住民税とかいろいろ様々な税金がありまして、その控除額についてちょっと多すぎじゃないですかと言い出す方もいます。
また所得によって毎年税金額が変わったりするので、手取り額に疑問を持ち始めると失踪の原因になります。有給休暇取得に関するトラブル
失踪原因の二つ目は有給休暇の問題です。
有給休暇に関しては、ほとんどの企業は有給休暇を取得できるようになっていますが、一部の企業で有給休暇が取りにくいところがあったり、有給休暇を取りたいとき社長から休むことに対して小言を言われるので有給休暇が取りにくいなどという相談があります。このような環境の実習生は、企業から逃げてしまうケースがあります。
給料やお金のことではないですが、有給休暇取得に関するトラブルも失踪の原因になります。職場の人間関係や暴力・暴言
失踪原因の三つ目は現場の人間関係や暴力・暴言です。
現場で日々毎日いっしょに働いているの方との関係がうまくいってないと失踪になりがちです。
また、現場のリーダーや先輩の日本人から毎日怒鳴られたり、足で蹴られたり、頭を叩かれたり、手で叩かれたりとか、そういう暴力・暴言に関する相談もあります。
しかし、私たちに相談しないまま、我慢できなくなり突然失踪する技能実習生もいます。以上が、失踪する原因となる三つのケースです。
大澤さん
村瀬さん、ありがとうございました。
失踪が予想される場合の具体策
次に技能実習生が村瀬さんなど実習生指導部に対して、お給料のことや、残業代のことや、日本人の先輩とうまくいってないとか、怒鳴られて嫌だとか、いろいろな相談があったとします。
そうした場合に、実習生指導部の皆さんは、監理団体様に報告をすることもあれば、自分で実習生にアドバイスをして終わりということもあり、相談の内容によって対応の仕方はいろいろあると思います。
しかし、我々は送り出し機関の人間であって、監理団体様の人間ではありませんので、必要なときには監理団体様にご相談をし、監理団体様と企業様との間に入って通訳しながら解決をしていくことが多いと思います。しかし、その中でもなかなか解決に至らないこともあると思います。企業さんが悪い、組合さんが悪い、実習生が悪いとかではなくて、三者間の折り合いがつかない場合もあると思います。
また、三者のうち誰かが納得しないときや、うまく解決に結びつかないときとかもあると思います。
そういったのが積もり積もっていくと、技能実習生から「もう失踪します」などと我々を脅してきたりすることもあると思います。
そういったときはどういう対応をしていますか?村瀬さん
本人の要望にできる限り応じる
まずは、監理団体さんと企業さんと相談しながら、できるだけ本人の要望に応えられるように対応します。
しかし、できないことはできないです。
実習生から無茶な要望が出ている場合は、本人にちゃんと応じられない理由を説明して、納得してもらえるよう、実習生が理解できるように説明をいたします。親や先生の力を借りる
解決が難しい場合は、ミャンマーにいる実習生の親の力を借りる場合もあります。
また、ミャンマーにいる間に彼らが5ヶ月なり、10ヶ月なり日本語を勉強していたときの担任の先生からも、実習生に対して事情を説明し、理解してもらえるように説明します。ミャンマー人は仏教徒ですので、親や学校の先生の話をよく聞きます。ですから、私で力不足の場合は、ミャンマー側の親と学校の先生の力を借りて、実習生に理解してもらえるように進めております。
大澤さん
ありがとうございました。
たまに実習生指導部の方からミャンマー側にメールが飛んできて、この実習生が今こういう状態で親からこういう話をしてほしいとか、逆にすごく落ち込んでいる実習生に対して親から励ましてほしいとか、いろいろ要望をメールでいただくことがあります。
先ほど村瀬からありましたように、ミャンマーは先生という職業やご両親は本当に尊敬されていますので、我々はミャンマー側と連携し、先生やご両親の力を借りながら、実習生の指導にあたっております。
今後の課題
ミャンマー・ユニティでは、ミャンマーにおいても日本においても、できる限り失踪を出さないよう取り組んでまいりました。
これは、我々送り出し機関のためではなく、技能実習生が失踪してしまうと彼らの人生が狂ってしまうからです。
中には失踪して本当に後悔しているという話も聞いたことがあります。せっかくミャンマーから日本に来て、仕事をしてもらっている実習生に人生を狂わせて欲しくないと思います。
しっかり実習をしていただき、その後も日本に残るなり、ミャンマーに帰って新しい仕事をするなり、どちらにしても日本に来て本当に良かったと思ってほしいです。
また企業様にもこのミャンマー人実習生に来てもらってよかったと思ってもらえるのが一番だと思いますので、今後も今までやっている失踪防止対策以上にいろいろ努力をしてまいりたいと思います。村瀬さん、指導部の皆さんが現場から見て、今後さらに失踪防止対策をするためにどんな課題があるかというところをお話しください。
村瀬さん
課題はたくさんあります。
今取り組もうとしていることは、実習生から疑問や相談を受けたときに、直接受け入れ先の社長などにすぐ相談できればよいのですが、よ我々は送り出し機関なので、監理団体様の手間、なかなかすぐに行動しづらいとことがあります。
ですから通常は監理団体様を通じて話をするのですが、その場合、監理団体様から受け入れ先の企業様に話が行きます。
しかしその間に、時間がかかってしまうことがあります。
また、人から人へ伝えた話においては、伝言ゲームのようになってしまい、少しずつニュアンスが変わってしまって、ストレートな解決の障害になってしまうケースがあります。
そして解決方法が間違っていたり、解決に時間がかかり過ぎてしまい、その間に実習生が失踪してしまうこともあります。解決に時間がかかってしまうことはよくありません。失踪者を出さないために早急な対応は欠かせません。このあたりを課題と思っております。
そのためには、今後監理団体様との関係を緊密にし、早急に対応する姿勢を持つようにしております。大澤さん
そうですね。
我々だけでは問題は解決できない場合が多く、監理団体様の協力も必要ですので、監理団体様といつでも連絡が取れる信頼関係を作りつつ、実習生からのいろんな相談、問題発生に迅速に対応できるような仕組みを作っていきたいということですね。村瀬さん
今も努力しておりますが、監理団体もたくさんあり、緊密な関係性がとれていないところもまだありますので、もう少し力を入れていきたいと思っております。
大澤さん
わかりました。
★まとめ
ミャンマー・ユニティとしては、ミャンマーでの教育をさらに充実させ、日本での課題の早期解決にさらに取り組んでいきたいと思います。
またミャンマー側のご両親や、先生ともしっかり連携をして、実習生のわがままに対応するということではなく、実習生の理解不足のところをきちんと説明したり、実習生本人が疑問に思っているところを解決したり、企業様との間で何か問題があった場合に早期解決するということをこれからもやっていく必要があります。
村瀬さん
私たち実習生指導部も、さらに実習生制度に関する知識と経験を積んで、実習生に対して正しい道に導くことができるよう指導しております。
実習生に日本へ来てよかったと思ってもらえるよう、また実習を無事に終えられるようサポートしていきたいと思います。大澤さん
村瀬さんには、日本に来た実習生にフェイスブック上で日本語の教育もしていただいていますが、入国制限が解除され、今後実習生がたくさん入国してきますので、村瀬さんを始めとした指導部の皆さん、実習生のサポートをぜひどうぞよろしくお願いいたします。
村瀬さん
はい。
企業さんからもミャンマー人技能実習生を受け入れてがよかったと思っていただけるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。大澤さん
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
それでは技能実習生の失踪など不幸な出来事の発生を防ぐための座談会をこちらで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
閉じる- 2022.06.08特定技能 賃金|給与水準は?日本人と同等はいくら?
外国人の雇用でしばしば問題となっている「外国人の失踪」問題においては、過酷な労働条件や賃金によるトラブルが主な原因とされています。
外国人雇用においては、雇用側の違法行為をなくすこととともに、外国人側の理解不足も対策する必要があります。
外国人雇用の際は、日本人と同等に労働基準法に基づいた賃金を支払わなければなりません。特定技能外国人の場合も同じです。
外国人は安く雇える、日本語が理解できないから誤魔化せるなど、日本人と外国人を差別化するような労働条件は成立しません。
「日本人と同等」の給与を支払うことが、特定技能外国人を雇用するための前提条件となります。
また、理解不足によるトラブルも多く発生しているため外国人との契約時には、わかりやすいサポートが求められています。目次
特定技能外国人にも適用『最低賃金』とは?
『最低賃金』は、【最低賃金法】に基づいて雇用側が労働者に支払わなければならない賃金です。労働者に対しては最低賃金以上の支払いが義務付けられています。
労働者の賃金最低額の保障は、労働条件の改善や業務の生産性向上に繋がっていきます。
『最低賃金』は、外国人労働者に対しても同じように扱われます。法務省の定める特定技能制度に関する規定では、特定技能外国人の給与は日本人と同等以上であることが記されています。最低賃金の種類と金額
最低賃金の種類
『最低賃金』には、2種類があり、いずれかの数値から給与水準を決めることができます。
①各都道府県別による「地域別最低賃金」
②産業別による「特定最低賃金」特定技能外国人の賃金を決める際には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の数値から高い方の最低賃金額以上の給与を支払う必要があります。
この条例に違反した場合は、罰則と特定技能外国人の受け入れ事業の停止が課せられます。罰則に関しては、「地域別最低賃金額」以上の給与を支払わない場合には、50万円以下の罰金。「特定最低賃金額」以上の給与を支払わない場合には、30万円以下の罰金を支払う必要があります。
また、仮に、外国人と雇用側が同意のもとで最低賃金以下の給与で雇用契約した場合でも、これは無効となり支払額との差額を支払わなければなりません。
特定技能外国人の給与査定を行う際は、毎年10月に改定される『最低賃金』のルールにそって給与を決めるようにしましょう。最新の最低賃金額
2021年度「地域別最低賃金」の全国加重平均額では、最低賃金/時給930円。
東京都が最高額で時給1,041円。高知・沖縄では最低の時給で820円となっています。
◇地域別最低賃金の全国一覧
◇特定(産業別)最低賃金全国一覧割り増し賃金の適用
特定技能外国人が、時間外や休日出勤をした場合には、日本人と同様に割り増し賃金を支払う必要があります。
割り増し賃金は、労働基準法に基づいて、1日8時間労働で1週間に40時間の労働時間が定められています。
規定の労働時間以外の割り増しに関しては、時間外労働は25%以上/深夜業務(午後10時~午前5時まで)は25%以上/休日出勤は35%以上となっています。
また大企業においては、さらに1か月60時間以上の時間外労働は50%以上の割増賃金を支払う必要があります。(2023年4月からは中小企業でも月60時間を超える時間外労働について法定割増賃金率が50%以上となります)
これらの時間外の労働時間に特定技能外国人に残業してもらう場合には、労働基準法36条にそった協定のもとに労働基準監督署に届けを出す必要があります。
この協定を結んだことにより、時間外労働も可能となり、上記の内容に合わせて割り増し賃金を支払うことになります。特定技能外国人の給与
在留資格別外国人の給与
厚生労働省が発表している令和2年賃金構造基本統計調査「外国人労働者の在留資格区分別賃金」において、以下のような結果となっています。
外国人労働者 218,100円 専門的・技術的分野
(技術・人文知識・国際業務、経営・管理、高度専門職など)302,200円 特定技能 174,600円 身分に基づくもの
(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)257,000円 技能実習 161,700円 留学(資格外活動) - その他(特定活動/留学以外の資格外活動 205,300円 同調査の結果として、日本人の学歴別賃金では、大卒 226.000円、高卒で177,700となっており、特定技能外国人の賃金174,600円は、日本人の高卒賃金と同等となっています。
特定技能外国人の給与控除
特定技能外国人の給与から控除されるものは、日本人従業員と同等です。
給与から控除されるものは、厚生年金/雇用保険/源泉所得税/住民税(社会人2年目の6月から)/介護保険(40歳から64歳まで)/となります。
給与からの控除については、日本の雇用内容に理解の少ない外国人に対しては、前もって説明が必要です。説明なしで渡された給与明細を見て、思ったより少ないということでトラブルも多く発生しています。お互いに食い違いのないように、特に給与については詳しく母国語を入れて、採用時に十分な説明をしておくべきでしょう。特定技能外国人も適用「同一労働同一賃金のガイドライン」
2020年4月から導入された厚生労働省の「同一労働同一賃金のガイドライン」は不合理な待遇での雇用を防止するために設けられている労働者のための対策です。
「同一労働同一賃金のガイドライン」は、同じ仕事内容には同じ給与が支払われることと、ここに正社員と非正規雇用労働者の差や日本人と外国人の差があってはならないということになります。
例えば、特定技能外国人の従業員2人が、日本語能力や経験の差があって同じ仕事内容だった場合には、日本語能力と経験のある外国人の方に報酬を与えることは問題がありません。ただし、同じスキルの者が同じ仕事内容をした場合には、同じ給与を支払う必要があります。
雇用側は、賃金とスキルに対する待遇が一定のルールに沿って決められるように、外国人との契約時には、基本給、昇給、ボーナス(賞与)、各種手当、教育訓練や福利厚生等、退職手当、住宅手当、家族手当等など、また職務内容について、また職務経験や日本語能力などをもとに、明確な基準を設けて査定する必要があります。
厚生労働省:同一労働同一賃金のガイドライン特定技能外国人へのサポート
特定技能外国人を雇用する場合は、日本人と同等に扱うことが基本となります。ただし、日本の雇用に関して理解していない外国人が多いため、雇用契約時には、母国語での説明は必要となります。
外国人とのトラブルの中には、意図して行った場合以外は、雇用側と外国人のコミュケーション不足から発生することが多く見られます。
ここには、外国人だから別扱いというイメージから離れて、日本人と同等に一従業員としての関係が求められます。★まとめ
特定技能外国人に支払う賃金について説明いたしました。ここでは、労働基準法に基づいて外国人も日本人と同等の扱いとなることがポイントです。
閉じる
外国人にも『最低賃金』による給与の支払いと、規定された労働時間内での勤務が定められています。
外国人雇用の際には、日本人従業員と同じような労働条件のもと、加えて外国人従業員に必要なサポートは大切なポイントとなります。- 2022.06.08特定技能ビザ|転職できる?簡単ではないのか?まとめ
目次
1.特定技能外国人の転職は可能か
「特定技能ビザは本当に転職できるのか」という疑問を持つ人は意外に多いのではないのでしょうか。
結論を先に申し上げると、特定技能外国人の転職は可能です。
しかし、そこにはさまざまな条件や障壁が存在し、日本人が転職する場合よりも遥かにハードルが高いため、簡単にはできるものではありません。今回は、特定技能外国人の転職条件と手続きを中心に、そもそもなぜ転職のハードルが高いのかのご説明をしていきたいと思います。
なお、法令によって下記記載事項は変更になる可能性もあるので、出入国在留庁などのホームページで最新情報を確認しておくようにしましょう。
2.在留資格「特定技能」の転職条件
特定技能での転職が認められる条件は、以下の 1 または 2 をクリアすることです。
この条件をしっかりと理解していなくてはいけません。- 同一の業務区分内
- 技能水準の共通性が確認されている業務区分間
この二点を詳しくご説明していきます。
2-1 同一の業務区分内
特定技能は、「建設」や「外食業」、「介護」など全14分野に分かれており、そのうちの8分野ではさらに業務が分かれます。
例えば、造船・船舶工業分野は6つの業務区分に分かれていますが、前の会社で造船・船舶分野の「機械加工」の仕事をしていた人は、転職先の会社でも「機械加工」をするのであれば転職が認められます。したがって、「機械加工」から「電気機器組み立て」や「塗装」のような転職はできないということです。
ただ、以下の分野は業務区分がないため、同じ分野で転職すれば必然的に同一の業務区分内となるので問題ありません。業務区分がない分野:「介護」「ビルクリーニング」「自動車整備」「宿泊」「飲食料品製造業」「外食業」
2-2 技能水準の共通性が確認されている業務区分間
こちらの条件は、「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」が該当します。
例えば、「素形材産業」と「産業機械製造業」には同じ「鋳造」という業務があります。
前の会社で素形材産業分野の鋳造の仕事をしていた人は、転職先の会社が産業機械製造業分野でも仕事内容が鋳造であれば転職は認められるということです。
したがって、電気・電子情報関連産業分野には鋳造がないので転職はできません。3.特定技能外国人の転職の障壁
条件を満たせば転職は可能ですが、そこには数多くの障壁があります。
ここでは3つご説明します。3-1 政府が引き抜きの自粛を要請している
政府は、企業が他地域で雇用されている特定技能外国人を、積極的かつ無秩序に引き抜いて雇用することを自粛するよう各企業に要請しています。
その雇用によって、都市圏に外国人が過度に集中することや大企業への偏在が生じることが強く懸念されているためです。
例としては、食品産業特定技能協議会が平成31年3月に「特定技能所属機関による外国人労働者の引き抜き防止に係る申し合わせ」を発表しました。加えて、他分野においても自粛の申し合わせが行われています。
これらが、特定技能外国人の転職活動の難易度を上げている一因となっています。3-2 自己退職の場合、アルバイトができない
特定技能外国人の場合、会社の自発的な解雇の場合を除いて、アルバイトは在留資格で許可されていない活動にあたります。
したがって日本人のように、転職先で働き始めるまでアルバイトでお金を稼ぐということが出来ません。特定技能の在留資格変更許可の申請は2〜3ヶ月かかるという状況にあります。
多くの特定技能外国人は自国に稼いだお金を送っているので、その期間に仕送りが途絶えてしまうことへの懸念があります。
そもそも、特定技能外国人自身が転職活動中の無収入期間を耐え抜くような経済基盤は持っていません。
唯一かつ理想の転職活動のシナリオとしては、現在の会社に在職中に、自分自身で人材紹介・人材斡旋業者を探し出してコンタクトを取り、次の就職先を見つけて雇用契約を締結するという流れになります。さらに、登録支援団体が支援計画を作成、その後2〜3ヶ月の手間のかかる在留資格変更申請を経て、やっと晴れて転職することができます。
これらの行動を約半年間、会社に隠れて行うというのは大変困難なことです。
そこまでして、多少の条件面の違いしかない会社に転職しようと思う特定技能外国人はそう多くはないでしょう。3-3 在留資格変更申請が許可されなかった場合
特定技能のビザ変更申請は、100%通る保証はありません。
最大のリスクは、万が一在留資格の変更申請が許可されなかった際に、受け入れができないばかりではなく、自国に帰国しなければならなくなることでしょう。
帰国する可能性を含んだ上での転職活動は、特定技能で就労中の外国人にとっては大変壁が高いものであり、そう簡単に決断できることではありません。4.転職の手続き
特定ビザの転職に必要な手続きは二つあり、転職先の会社(外国人本人)がする手続きと、退職した会社がする手続きです。
4-1 本人(または転職先の会社)がすべき手続き
①所属(契約)機関に関する届出
まず、特定技能に限らず、会社を辞める際と新しい会社が決まった際は、それぞれ14日以内に外国人本人が「所属(契約)機関に関する届出」を入国管理局(入管)へ行う必要があります。
※会社を辞めてすぐに新しい会社に就職する場合はまとめて届出を行うことが可能です。②在留資格変更許可申請
それとは別に、特定技能外国人は、転職をする場合に「在留資格変更許可申請」をする必要があります。
この在留資格変更許可申請は、留学生や技能実習生から変更する時の在留資格変更と同じ手続きをしなくてはいけません。したがって、外国人本人や転職先の会社が用意や作成する書類の数も大変多く、手続き内容としてはかなり手間のかかるものになります。4-2 退職した会社がしなくてはいけない手続き
①雇用保険被保険者資格喪失の届出
ハローワークに雇用保険被保険者資格喪失の届出を行うことで、出入国在留管理局への退職の届出が免除されます。日本人が退職する場合も同様の届出を行いますが、外国人は日本人よりも記載事項が多くなります。
②退職証明書の発行
決まった書式はありませんが、在籍した期間や業務内容、役職、労働賃金、退職の事由などを記載します。
③日本人と同様の退職手続き
当然、日本人社員と同様の退職手続きも行わなくてはいけません。
下記は、基本的な各会社共通の手続きです。- 健康保険証の回収
- 社会保険の資格喪失処理の手続き
- 源泉徴収票の交付
- 雇用保険の離職票の交付
5.自社の外国人に長く活躍して働いてもらうために
現状の市場は、雇用主が有利な状態にあります。だからこそ、自社で抱える特定技能外国人への投資を惜しんではいけません。
転職したいと思うことがないような環境づくりをするための取り組みの例を3つご紹介します。5-1 教育係を同じ国出身の先輩にする
採用した特定技能外国人の教育係を同じ国出身の外国人にすることでコミュニケーションが円滑になります。それによって仕事内容の習得スピードは上がり、また同郷の先輩がいる安心感も生まれ精神面でのケアも可能になります。
5-2 日本人と同様の情報共有・伝達を行う
言語が異なる分、情報共有や情報伝達のスピードに差が生まれてしまうことはある程度は仕方のないことです。しかし、その差を外国人自身が感じてしまうと、自信の低下だったり、実力を発揮できなかったりなどの問題が発生してしまいます。伝え方やその頻度を工夫することで日本人との情報格差をなるべく小さくしましょう。
5-3 正当な評価をする
評価はそのままモチベーションに直結します。妥当な評価を受けていないと感じてしまえば、それだけやる気は低下します。逆に正当な評価を受けていると感じたら仕事のやる気がアップするだけでなく、その会社に対する信頼度も高まります。外国人が活躍したら昇給や昇進といった目に見える評価を行い、その外国人がさらに活躍できるようにサポートすることが大切です。
6.まとめ
今回は、特定技能外国人の転職に関してご説明しました。転職は可能です。しかし、引き抜き自粛要請やアルバイトができないことのリスクにより、特定技能外国人にとって大変困難なものとなっているのも現状です。
また、その際に必要になる在留資格変更の申請は、準備しないといけない書類が多く大変手間のかかる手続きとなりますので、しっかり丁寧に行いましょう。
また、その外国人が退職した会社側にも必要な義務があります。それを怠ると罰則があるので、特定技能外国人が自社から転職した際には迅速に対応することが求められます。- 2022.06.08特定技能「介護」|人気の理由は?その他の在留資格との比較
新たな在留資格として新設された「特定技能」。
その中でも特に介護が人気であることをご存じでしょうか?
新在留資格「特定技能」は就労を目的とした在留資格の1つであり、介護分野についても人手不足を解消する方法として2019年に導入されました。
特定技能「介護」に必要な資格やスキル、その他の在留資格との差について、そして介護分野の現状についてご紹介します。目次
特定技能「介護」とは?
特定技能「介護」は、介護分野の人材不足解消のための手段として外国人の就労を目的とした在留資格です。
在留資格とは、外国人が入国してから在留して行うことのできる活動等を認めるための資格です。日本にいる外国人は必ず何らかの「在留資格」を必要とし、「在留資格」のない者は強制退去処分などになってしまいます。
現在、特定技能制度は14業種に適用されており、どれも人材不足が深刻化している業種となります。
日本は少子高齢化が加速し、長期的な見通しとして40年後には現在よりも労働人口が4割減少するという予測がされています。
日本人だけでは日本を動かしていくことが難しくなっていくのです。
特に介護分野においては現時点でも人材不足が深刻化しているので、今後介護を必要とする人が増加していくこともわかっているので、現時点での早急な人材確保も必要ということになります。
特定技能「介護」は介護職分野での就労が可能となるわけですが、介護職における在留資格は全部で4種類あります。
- ● 在留資格「介護」
- ●EPA
- ● 技能実習「介護」
- ●特定技能「介護」
介護分野では「技能実習」が2017年11月から許可されておりますが、国際貢献と途上国への技能移転を目的とした「技能実習」とは異なり、人材不足対策として現場の即戦力となる人材確保が可能なのが特定技能「介護」なのです。
特定技能「介護」は1年・6ヶ月または4ヶ月の更新を行いながら通算で5年まで日本で働くことが可能になります。必要な資格やスキルなどは?
特定技能「介護」で在留資格を取得して就業を行う場合にどのような資格やスキルが必要になるのでしょうか?
外国人が特定技能「介護」の資格をえるためには、介護業務に関する「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」および「日本語試験」の合格が必要になります。
「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」は公益財団法人社会福祉振興試験センターで試験を行っており、郵送での申し込みが必要です。
試験内容については以下の通りです。《介護技能評価試験・介護日本語評価試験について》
介護技能評価試験 介護日本語評価試験 問題数・試験時間・ 試験科目 全45問 60分
(学科試験:40問)
・介護の基本(10問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20問)
(実技試験:5問)
・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題
►出題基準全15問 30分
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)
実施方法 コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式 サンプル問題 ►介護技能評価試験 ►介護日本語評価試験 受験手数料 1,000円程度 1,000円程度 試験結果の通知 試験終了後、試験会場のコンピュータ画面上で試験結果を表示。
試験実施後5営業日以内を目途に、専用ウェブサイトにおいて、
受験者が受験者名、試験名、試験日、顔写真、総合スコア、
合否などの情報をスコアレポートとして取得可能。
※合格基準:問題の総得点の60%以上
出典:厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受け入れについて「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」はどちらも筆記試験となり実技試験などはありません。
また、「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」以外に日本語試験は「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト」に合格することが必要です。
※介護分野の技能実習3年を良好に終了している場合や、介護福祉士養成施設を修了している場合にはこれら3つの試験が免除されます。特定技能「介護」とその他の在留資格の差について【比較】
特定技能「介護」 在留資格「介護」 EPA 技能実習「介護」 目的 就労 就労 資格取得 実習 管理機関 登録支援機関
特定技能所属機関(受け入れ企業)受け入れ先企業 送り出し企業
受け入れ先企業事業協同組合 商工会議所などの非営利団体 在留期間 最長5年 無制限 介護福祉士候補最高4年 (合格後は無制限) 最長5年 日本語能力 N4以上 N2以上 N5以上 N4以上 受け入れ制限 常勤介護職員の人数を超えないこと 制限なし 原則1か国2名以上5名以下 常勤介護職員の人数に応じて 講習 来日前8時間
来日後3時間来日前原則6ヶ月
来日後原則6ヶ月(実務研修450時間以上)来日前原則6ヶ月
来日後原則6ヶ月(実務研修450時間以上)来日前原則1ヶ月以上
来日後原則1ヶ月以上特定技能「介護」とその他の在留資格の差はどのようなものがあるのでしょうか?
特定技能「介護」
メリット:在留期間が長いこと、および他の在留資格に比べて、就労上の制約が比較的少なく管理がしやすいこと
デメリット:登録支援団体への管理費用が発生してしまう(自社内製化ができない場合)在留資格「介護」
メリット:介護福祉士養成学校を卒業していて、基礎があるために長期的な人材・即戦力として可能・日本語能力が高い・介護に関する知識が豊富
デメリット:母数が少ないため採用がすること自体が著しく難しい
在留資格「介護」は、介護福祉士養成学校を卒業後に「介護福祉士」の国家試験に受かることで得られる在留資格になります。
永続的な在留が可能な人材となりますが、国家試験を受けるための高い日本語能力と費用が必要となるため、取得できる外国人が著しく少ないのがデメリットです。EPA(経済連携協定)
メリット: 日本語力が優れている
デメリット:日本全体での受け入れ数が限られている・研修期間が長い・受入れコストが著しく高い
EPA(経済連携協定)はフィリピン・ベトナム・インドネシアの3か国に限定されている制度で、国家資格「介護福祉士」の取得が目的の制度です。
期間内に介護福祉士の資格を取得できない場合には帰国をしなくてはいけないという条件ですが資格を取得すれば「介護職」として永続的に日本で就労をすることが可能です。技能実習「介護」
メリット:浸透している制度のため採用することが比較的容易である。
デメリット:何も知らない状態から教育するので、ある程度の業務習得までに時間がかかる。技能実習計画に基づき外国人技能実習機構に定期的に書類を提出し、監査を受ける必要があり、月額コストがかかる。
技能実習制度は、日本で開発された技術を発展途上国の経済成長を図るための人材育成に利用し、協力することを目的として制定された在留資格で。日本に最長5年在留することができます。
介護に関する在留資格の中で一番採用しやすいですが、知識や経験のない状態から育成する必要があり、入国までに通常約1年程度時間がかかってしまいます。特定技能「介護」が人気とされる理由とは?
利点の多い特定技能「介護」が人気とされる理由は何でしょうか? 特定技能「介護」のメリットは在留期間が長いこと、および他の在留資格に比べて、就労上の制約が比較的少なく、管理がしやすいことにあります。
EPAや在留資格「介護」に比べて資格取得にかかる工数や時間、コストなどの負担が少なく、従事できる業務も幅広いことが利点となり人気となっています。
但し、特定技能「介護」は前述の通り3つの試験に合格しなければならないため、技能実習「介護」に比べてハードルが高く、特に海外では技能実習のほうが特定技能よりも人気があります。
現時点では、特定技能「介護」の人材を採用する場合は、試験3つに合格した国内在住外国人または、技能実習3年修了者を採用することが一般的です。介護分野においての現状は?
超高齢化社会である日本において、介護問題は重要な問題であり人材不足が課題となっています。
介護サービスの利用者が年々増加しているにも関わらず、介護事業所における人手不足感は強まっており、国としても人材確保が急務となってきています。
介護業界は国内人材の確保を進めるために色々な取り組みをおこなってきましたが、それでも人材を確保することが困難な状況です。
特に、団塊の世代が75歳になる2025年には介護人材が約38万人不足するという試算も出ており、対策は急務です。
そこで、日本政府は人手不足解消のための人材確保の手段の1つとして特定技能「介護」を制定し、外国人労働者の力を借りることで介護分野の人材不足解消に取り組んでいるのです。
しかし、特定技能「介護」は特定技能14分野の中で一番受け入れが進んでいる分野ですが、まだまだ受け入れ人数などは少なく、活用されているとはいえません。
向こう5年間で最大6万人の特定技能外国人の受け入れを想定していますが、まだまだ普及は進んでいません。
特定技能「介護」は、受け入れ側である企業にとっては難しく感じられる制度かもしれません。しかし、制度を十分に理解した上で適切な申請や外国人のサポートをおこない、必要な人材を受け入れられるようにしましょう。まとめ
特定技能「介護」についてのご紹介をしました。 人手不足が深刻な介護分野では、特定技能「介護」に対する期待が高まっています。
閉じる
しかし、特定技能「介護」での外国人の雇用においては、受け入れる企業側が守るべき条件等やサポートなどが細かく決められていますので、企業側の受け入れ体制の整備が必要になります。
登録支援機関に依頼するなどして、しっかりと受け入れ体制を整えた上で、計画的に雇用することをおすすめいたします。- 2022.06.08ノウハウ大公開 |特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)
外国人人材を雇用するために、なぜこんなに書類が必要なのか?できれば専門家におまかせしたい一連の手続きですが、 その前に一通りの流れは把握し、ポイントは押さえておいた方が理解も深まるでしょう。
働く外国人にとっては、もっとわからない複雑な日本語の書類については、やっぱり同じように項目ひとつずつを説明してあげることが、 この特定技能で外国人を雇用し働いてもらうために第一歩にも繋がります。
特定技能で外国人を雇用する場合には、膨大な提出書類を用意する必要があります。 これらの一連の書類作成や申請に関しては、専門性のある事業者等に依頼して、正しい手続きを踏むことも可能です。
今回は、特定技能外国人を雇用する場合に必要な提出書類の中のひとつ、「報酬に関する説明書」法務省HPでは参考様式第1-4号について詳しく説明して行きましょう。 この書類は、特定技能外国人の報酬が不法に設定されていないかを明確に提示するために行います。
目次
1「報酬に関する説明書」はどの時点で必要なのか?
●まずはじめに、雇用したい外国人は、特定産業14分野での「技能試験」と「日本語能力試験」に合格していること、 または「技能実習2号」の修了者であることが条件となります。外国人が日本で働く場合の基本スキルである日本語と業務での即戦力となるための技術水準は 採用時の大きなチェックポイントとなりますので確認するようにしましょう。
【特定産業14分野】
介護業/ビルクリーニング業/素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業/建設業/造船・舶用業/ 自動車整備業/航空業/宿泊業/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業
●受け入れ機関または企業は、特定技能制度の概要を把握し、各分野ごとに定められた基準について確認し手続きを始めます。
法務省:特定技能の受入れ機関に関する基準●採用者が決まったら【特定技能雇用契約】を結びます。ここでは、業務内容や労働時間、そして帰国時の取り決めなど外国人特有の内容も含まれています。
●在留資格申請の手続きを始めます。 「報酬に関する説明書」の提出が必要となるのは、在留資格認定証明書交付申請を行う時です。 この書類の申請によって、不法な労働条件下の雇用は、改善されることとなり、外国人が日本人と同じような職場環境で働くことができるようになります。
2 特定技能外国人を雇用する場合に必要な書類とは?
特定技能の在留資格申請に必要な書類は、各種記載様式一覧が法務省HPから閲覧可能です。「報酬に関する説明書」の様式も含まれています。 ここには、外国人用に翻訳されている言語が、英語とその他9カ国語で、書類様式が公開されていますので、外国人本人が理解できるように話し合いながら進めるとよいでしょう。
【翻訳言語】
出入国在留管理庁:在留資格「特定技能」に関する参考様式3「報酬に関する説明書」はどうして必要?
特定技能外国人受け入れる際に必要な書類参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」は、 外国人の報酬が、同じ企業に勤務する日本人従業員の報酬額と比較して適当であるかを証明するために提出する書類となります。 この書類提出によって、特定技能外国人が正しい賃金設定のもとで雇用されていることになり、法によって守られた報酬の決定は、 雇用する側も雇用される側も平等に定められたことになります。 外国人と雇用側が納得した報酬は、業務の効率化や外国人が長く働きたいと思うような職場環境作りに繋がっていきます。
4日本人と外国人の報酬は同じ条件で
「報酬に関する説明書」の冒頭には“日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること”と記されています。 これは、技能実習生の雇用関係でよく問題視されていた劣悪な労働条件下での就労、そして最低賃金より低い報酬での雇用など、 違法な雇用条件対する防止策として、外国人も日本人従業員と同じ条件で報酬が支払われるようにするために行います。
5 申請記入の方法
5-1申請人(特定技能外国人)に対する報酬の項目
以下の項目については、特定技能外国人の情報を正しく記載します。
- 特定技能外国人の氏名
- 役職,職務内容,責任の程度
- 年齢,性別、経験年数
- 報酬・その他
記入時の留意点は、特定技能外国人の氏名は在留カードと同じ氏名を記入すること。外国人の氏名でファーストネームとセカンドネームが逆になっているような場合は受理されないので気をつけましょう。 経験年数はこれから働く業務と同じ業務での経験年数を記入すること。報酬に関しては月給や時給で記入すること、また、報酬以外の手当てがある場合には、その詳細を記入する必要があります
5-2比較対象となる日本人従業員がいる場合
ここでは、勤務している日本人従業員の賃金設定と就労条件等、外国人と比較できる内容を記入して証明することになります。 以下の記載項目に添って、対象となる特定技能外国人と同じ経験や知識、技能、経験を持つ日本人従業員を選んで記入します。また、参考資料として賃金規定の添付も必要となります。
- 役職、職務内容、責任の程度
- 年齢、性別及び経験年数
- 報酬・賃金規程の有無、賃金規程に基づく賃金
- 特定技能外国人の報酬が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であると理由
- その他
5-3比較対象となる日本人従業員がいない場合
企業内に対象になる日本人従業員がいない場合には、”比較対象となる日本人労働者がいない場合“の欄に記入することができます。 例えば、雇用したい特定技能外国人が全員が未経験者の場合や、業務と経験年数が同じような日本人従業員が存在しない場合など、対象者として適する日本人がいない場合には、 企業内で最も近い内容の対象者を選んで記入することができます。 この場合、対象となる日本人従業員を選んだ理由や、その日本人の報酬やスキル、経験なども詳しく記入して、外国人の報酬との整合性などを説明する必要があります。 また、参考資料として賃金規定の添付も必要となります。
6 まとめ
「報酬に関する説明書」の提示は、特定技能外国人が安心て労働できるための準備となる手続きです。 特定技能外国人の在留資格申請の際には、膨大な書類を申請する必要があり、これらの書類作成と申請によって、特定技能外国人が日本で働きやすい労働環境を得ることと、 雇用する側にとっても法的に守られた体制作りにとても重要な手続きとなります。
閉じる- 2022.06.08外国人留学生の就職活動|特定技能か技人国か
外国人留学生も日本人と同様に日本で就職活動をおこない、日本で働くことができますが、必要な在留資格を取得できなければ就業できません。 企業から内定をもらった後であっても、在留資格を得られなければ日本に滞在することができなくなるため、泣く泣く帰国することも多く起こっています。 本記事では、そのようなことにならないように、留学生・企業採用担当者が何に気をつけたいかをまとめています。
目次
1. 外国人留学生は就職後どのような在留資格が必要?
外国人留学生が日本で就職する場合、「技術・人文知識・国際業務」もしくは「特定技能」の在留資格を得て就労するケースがほとんどです。
1-1 「技術」を取得するケース
下記のような業務に従事する場合に取得することが必要になります。
【業務】
エンジニア、プログラマー、アプリケーション開発、建築設計、研究開発、生産技術、品質管理、システム管理などの理学、工学など自然科学技術または知識を必要とする業務
【取得検討基準】
・従事しようとする業務に必要な知識に関する科目を専攻して大学を卒業した。またはこれと同等以上の教育を受けたとき。または従事する業務について10年以上の実務を行い、相当の技術、知識があること。
・情報処理に関する業務に従事する場合は、定められた情報処理技術に関する試験に合格していること。または、情報処理技術に関する資格を保有していること。
・日本人と同等額以上の報酬が支払われること。
【在留期間】
3ヶ月、1年、3年、5年
1-2 「人文知識・国際業務」を取得するケース
【業務】
通訳、翻訳、語学指導、人事、経理、財務、総務、法務、企画、マーケティング、商品開発、広報、宣伝、デザインなど人文科学知識を必要とする業務。
または、外国の文化にもとづく思考や感受性を必要とする業務。
【取得検討基準】
・従事しようとする業務に必要な知識に関する科目を専攻して大学を卒業した。(これと同等以上の教育を受けた場合を含む)または従事する業務について10年以上の実務を行い、相当する知識を有すること。
・外国の文化にもとづく思考や感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、以下のいずれかに該当することが必要。
-広報、宣伝、または海外取引業務、服飾、室内装飾デザイン、商品開発などの業務で3年以上の実務経験があること。
-翻訳、通訳や語学の指導などの業務に従事する場合は、大学卒業の資格があること。
・日本人と同等額以上の報酬が支払われること。
【在留期間】
3ヶ月、1年、3年、5年1-3 「特定技能」を取得するケース
【業務】
2019年4月に日本の深刻な労働力不足に対応するために新設された在留資格です。決められた14の分野で従事する際に在留資格を取得していれば働くことが可能です。
①介護、②ビルクリーニング、③素形材産業、④産業機械製造業、⑤電気・電子情報関連産業、⑥建設、⑦造船・舶用工業⑧自動車整備、⑨航空、⑩宿泊、⑪農業、⑫漁業、⑬飲食料品製造業、⑭外食業
【取得検討基準】
・「JLPT(日本語能力試験)N4以上またはJFT-Basic (国際交流基金日本語基礎テスト)」の合格
・「特定技能試験(分野別)」の合格
【在留期間】
基本、特定技能1号で5年間の在留が可能。⑥⑦は特定技能2号への更新が認められれば無制限にて在留することが可能。2. 在留資格の変更の審査について
来日中の留学生が日本企業の内定が決まると、在留資格「留学」から在留資格の変更手続きを行う必要があります。 必ず変更申請を行えば認められるわけではありません。平成30年では、在留資格の変更手続きをおこなった学生30924人のうち、 承認されたのは25942人でした。4982人の方は内定を取得しても、在留資格変更が承認されず、入社できませんでした。 「特定技能」は基準が試験への合格が主なので分かりやすいですが、特に「技術・人文知識・国際業務」では注意が必要です。
「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更審査ポイント
・学歴・経歴から相応の技術・知識を有しているか
・従事する業務と本人の有している技術、知識は関連があり、活かせるか
・従事する業務が現場作業(単純労働)になっていないか
・給与等は日本人と比較して同等以上であるか
・雇用する会社の規模・実績から事業に安定性や継続性が認められ、外国人の技術、知識が活かせる機会が安定提供されるか
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得においては、外国人の審査だけではなく、雇用する企業の事業の安定性・継続性や、雇用の必要性が求められるのが特徴です。 外国人留学生が就職活動をする際には、審査で見られるポイントも加味して、どのような企業であれば在留資格変更が認められるか、検討しながら活動する必要があるでしょう。 一方、企業としては外国人留学生の学歴・経歴等が業務としっかりとマッチしているか検討しておく必要があるでしょう。 特に昨今では、外食業、宿泊業などで単純労働とみなされ、在留資格「技術・人文知識・国際業務」が認められないケースが続出していますので注意が必要です。3. ビザ変更に必要な書類・手続き
就職のための在留資格の変更申請は、企業・外国人留学生ともに行うことができますが、原則本人が入国管理局に出向いて行います。 企業担当や大学の担当窓口と相談をし、手続きの準備をしていきましょう。 申請から取得までは2か月かかる場合もありますので、内定が出たら速やかに申請をする必要があります。
在留資格の変更許可申請に必要な書類
・申請書
・写真
・日本での活動内容に応じた資料
・在留カード
・資格外活動許可書を提示(同許可書の交付を受けている者に限ります。)
・旅券又は在留資格証明書を提示
・旅券又は在留資格証明書を提示することができないときは,その理由を記載した理由書
・身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
申請先
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
(参考)出入国在留管理庁(参考)介護業界の外国人採用方法|採用手法から助成金制度まで詳しく解説!
4. 外国人留学生がもっと就職できるようにするためには
令和2年11月24日に文部科学省が発表した調査データによると、日本における就職を希望する外国人留学生は全体の約65%を占めています。 しかし各年度に大学・大学院を卒業・修了した外国人留学生のうち、日本国内で就職した外国人留学生の占める割合は35%に過ぎません。 一方、専門学校卒業生については、日本学生支援機構発表の平成28年度の外国人留学生進路状況調査結果によると、就職率は28.0%とかなり低くなっています。 そして日本語学校留学生については、専門学校や大学に進学しなければほぼ全部の方が日本では就職できていません。(アルバイトを除く)
つまり、日本での就職を希望したが、やむを得ず泣く泣く帰国した留学生は全体の約8割いると思われます。この現状はどのようにして解決できるのでしょうか?4-1 解決策① 日本企業がもっと要求水準を下げること
「日本語がペラペラで、JLPT N1保有で、業務能力が高い人がほしい」 まず、外国人留学生に対して、このような無理な要求をする企業が多すぎるのが問題点です。 外国人留学生にそんな高い水準を求めたら、ほとんど面接に合格できなくなってしまいます。 日本企業が外国人留学生に求める水準をもっと現実的レベルまで下げるべきです。
4-2 解決策② 在留資格「特定技能」を狙うこと
外国人留学生が在留資格「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる技人国ビザにこだわり過ぎていることが、日本で就職できない原因になっていると思われます。 また留学生だけでなく、学校の経営者も先生も、就職=技人国だという固定観念を持ちすぎていることも問題点だと思われます。 2019年4月より在留資格「特定技能」が創設され、外国人留学生に対して日本での就職のチャンスが大きく広がりました。しかしながら、2年以上経過した現在においても、未だに就職=技人国という固定観念から、留学生も学校側も抜け出せていないのが現状です。 技人国ではなく特定技能を狙えば、外国人留学生の日本での就職率は飛躍的に上昇します。もっと在留資格「特定技能」に対する認識を深めるべきだと思います。
(資料)令和2年11月24日文部科学省調査より5. 企業人事担当者が確認しておきたいこと
在留資格変更許可申請の場合、審査の際に外国人がこれまで在留資格「留学」で在留した期間に問題がなかったかも評価されます。 特によくあるケースとしては、アルバイトのやりすぎです。「留学」では1週間にアルバイトとして働けるのは28時間以内と決められておりますが、 どの曜日から起算しても28時間以内である必要があるので注意が必要です。
残念なことではありますが、かなりの留学生が実質的には就労目的で日本に来ており、留学費用を賄うために週28時間を超えてアルバイトをしています。 このオーバーワークは一見して隠し通せるように見えますが、特に特定技能への在留資格変更許可申請の場合は、 納税義務の履行義務を果たしていたかどうかを確かめるため課税証明書と源泉徴収票の提出が求められますので、過去の悪事がほとんどバレてしまいます。在留資格変更が不許可になってしまうことがとても多く発生しています。
また、留学生時代に社会保険料を納付していなかった、または滞納していた場合についても不許可の事例が多く出ています。
この「オーバーワーク」と「社会保険料滞納」については、まずは面接で本人に必ず確認してください。もし疑わしい場合、 また事実が発覚し不許可になりそうな場合は、解決能力のある行政書士に依頼することをおすすめします。
※留学生が在籍する教育期間の校則で定められた長期休業期間に限り、1日8時間以内までのアルバイトが認められます。 その際は、日本人と同じく労働基準法が適用され、就労時間の上限は週40時間となります。 ※職業安定法で職務遂行能力・適正については必要性があれば、企業は求職者の情報を入手することはできますが、 職務遂行能力・適正と関係のない情報は入手できません。アルバイトなどのお話を聞くよりも、在留資格の更新手続きに際して、 懸念となることはないか、実際に認められなかったケースをもとに確認する方がよいでしょう。6. まとめ
労働契約は、内定を出した・内定を出された時をもって成立しますが、実際は労働契約よりも出入国管理及び難民認定法が優先されます。 このため、採用内定外国人の在留資格が各企業の業務に応じた資格に変更できなければ、その外国人内定者は日本で働くことはできなくなりますし、 日本に滞在することさえも難しくなります。このため、外国人留学生・企業採用担当は、「在留資格の変更ができるのかできないのか」を念頭に入れながら就職活動・採用活動を進めていくことが必要になります。お互いに面接の際に不安な点があれば確認をしながら進めていくとよいでしょう。最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。外国人のよい就労・採用につながれば幸いです。
閉じる- 2022.06.08特定技能外国人受入れに関する特定技能運用要領・各種様式等
日本企業における深刻な人材不足の解決策として打ち出された在留資格「特定技能」。
特定の分野により受け入れ状況に差はありますが、徐々に利用状況は増えてきています。
2019年4月より開始されており、開始に伴い運用要領として決まりが定められています。
今回は特定技能運用要領と最新の変更点について解説していきます。目次
1. 特定技能外国人受け入れに関する運用要領
特に深刻な人材不足が生じている14分野に対し、2019年4月より「特定技能外国人」制度が開始されました。 これに伴い、在留資格「特定技能」の適正な運用を確保するため、制度を正しく理解することを目的とし、法令の解釈や運用上の留意点を明らかにするため、「特定技能外国人受け入れに関する運用要領」が策定されています。 運用要領は、「要領本体」、「支援に係る要領別冊」、「特定の分野に係る要領別冊」の三つからなっています。別紙もございますので、ご覧になってください。
2. 要領本体
第1章 在留資格「特定技能」創設の目的
第2章 制度の概要
第3章 在留資格「特定技能」
第4章 特定技能外国人に関する基準
第5章 特定技能所属機関に関する基準等
第6章 1号特定技能外国人支援計画に関する基準等
第7章 特定技能所属機関に関する届け出
第8章 報告徴収・改善命令等
第9章 登録支援機関
第10章 罰則等
第1~10章の詳細と改正点(2021年2月19日)の新旧対照表の詳細は下記をご参照ください
詳細:出入国管理庁 特定技能外国人受け入れに関する運用3. 支援に係る要領別冊
支援に係る要領別冊に記載されている1号特定技能外国人支援に関する運用要領は下記をご参照ください。
詳細:1号特定技能外国人支援に関する運用要領 最新の改正点は以下に記載しております。最新改正点(2021年2月19日)
※赤字が修正部分
事前ガイダンスは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情によりますが, 事前ガイダンスで情報提供する事項 を十分に理解するためには,3時間程度行うことが必要と考えられます。 なお,技能実習生等を同一機関で引き続き特定技能外国人として雇用するような場合であっても, 1号特定技能外国人に従事させる業務の内容,報酬の額その他の労働条件など必要な情報について十分に理解させる必要があります。 なお,1時間に満たないような場合は,事前ガイダンスを適切に行ったとは評価されない可能性があることに留意してください。
↓改正後
事前ガイダンスは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情によりますが, 事前ガイダンスで情報提供する事項を十分に理解するためには,3時間程度行うことが必要と考えられます。 また,技能実習生等を同一機関で引き続き特定技能外国人として雇用するような場合であっても,1号特定技能外国人に従事させる業務の内容, 報酬の額その他の労働条件など必要な情報について十分に理解させる必要があります。 なお,1時間に満たないような場合は,事前ガイダンスを適切に行ったとはいえません。
生活オリエンテーションは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情により異なりますが, 少なくとも8時間以上行うことが求められます。
↓改正後
上記内容は削除となりました
新規として追加
↓改正後
生活オリエンテーションは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情によりますが, 生活オリエンテーションで情報提供する事項を十分に理解するためには,少なくとも8時間以上行うことが必要と考えられます。 また,技能実習2号良好修了者,留学生等を同一機関で引き続き特定技能外国人として雇用するような場合であっても, 相談又は苦情の対応者の連絡先,緊急時の対応に関する事項,外国人の法的保護に関する事項など必要な情報について十分に理解させる必要があります。 なお,このような者であって生活環境に変化がない場合であっても,4時間に満たないようなときは,生活オリエンテーションを適切に行ったとはいえません。
情報提供しなければならない事項は,次のとおりです。 ①~④ (略)
⑤生活ルール・マナー
・就労・生活する地域におけるゴミの廃棄方法等(分別・出し方,収集日,粗大ゴミの捨て方 等)
・夜中に大声で騒いだり騒音を出したりするなど,近隣住民の迷惑になる行為は控えること
・喫煙には一定の制限があること(喫煙,禁煙場所等)
↓改正後
情報提供しなければならない事項は,次のとおりです。 ①~④ (略)
⑤ 生活ルール・マナー ・就労・生活する地域におけるゴミの廃棄方法等(分別・出し方,収集日,粗大ゴミの捨て方 等)
・夜中に大声で騒いだり騒音を出したりするなど,近隣住民の迷惑になる行為は控えること
・ 空き地や畑に無断で入ることは避けること
・喫煙には一定の制限があること(喫煙,禁煙 場所等)
⑧ 我が国で違法となる行為の例
・原則として,銃砲刀剣類の所持が禁止されていること
・大麻,覚せい剤等違法薬物の所持等は犯罪であること
・在留カードの不携帯は犯罪であること
・在留カード,健康保険証等を貸し借りすることは禁止されていること
・自己名義の銀行口座・預貯金通帳・キャッシュカード・携帯電話を他人に譲渡することは犯罪であること
・ATMで他人名義の口座から無断で現金を引き出すことは犯罪であること
・他人になりすまして,配達伝票に署名 ,他人の宅配便を受領することは犯罪であること
・放置されている他人の自転車等を使用することは犯罪であること等
↓改正後
⑧ 我が国で違法となる行為の例
・原則として,銃砲刀剣類の所持が禁止されていること
・大麻,覚醒剤等違法薬物の所持等は犯罪であること
・在留カードの不携帯は犯罪であること
・在留カード,健康保険証等を貸し借りすることは禁止されていること
・自己名義の銀行口座・預貯金通帳・キャッシュカード・携帯電話を他人に譲渡することは犯罪であること
・ATMで他人名義の口座から無断で現金を引き出すことは犯罪であること
・他人になりすまして,配達伝票に署名したり,他人の宅配便を受領することは犯罪であること
・放置されている他人の自転車等を使用することは犯罪であること等
4. 特定の分野に係る要領別冊
本要領では、告示の基準等の詳細についての留意事項を定めることにより, 14分野それぞれにおける特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図ることを目的としています。 14分野各々の詳細と改正点(2021年2月19日)の新旧対照表の詳細は下記をご参照ください
詳細:出入国管理庁 特定技能外国人受け入れに関する運用5. 別紙
・別紙1 新たな外国人材受入れ制度(受入れ機関用)
・別紙2 「特定技能」に係る在留諸申請に関する提出書類一覧表
・別紙3 登録支援機関の登録申請に関する提出書類一覧表
・別紙4 届出一覧表(特定技能所属機関)
・別紙5 届出一覧表(登録支援機関)
・別紙6 特定技能分野
6. まとめ
今回、特定技能外国人受け入れに関する運用要領と最新改正点について紹介しました。
閉じる
2021年2月19日の運用要領改正で、内容が削除された箇所や追加された箇所があります。
そのような点に留意しながら、特定技能外国人の受け入れを適正に運用していく必要があります。
そうして特定技能外国人が増加し、本国の人手不足が少しでも早く解消していくことを望んでいます。- 2022.06.07特定技能の業種追加|コンビニ・トラック・廃棄物処理業界
目次
1.特定技能制度に追加が検討されている業種
外国人材を受け入れる「特定技能制度」には現在12分野14業種が設定されており、人材不足の緩和に向けて外国人の雇用を進めています。
その中で、今後の深刻な人材不足になると予想され、新たに追加を検討している職種があります。
それは、「コンビニ」、「トラック運転や配達荷物の仕分け」、「産業廃棄物処理」の3業種です。
以下では、この3業種の特定技能制度への業種追加検討に関して述べます。2.特定技能へ「コンビニ」の業種追加の検討
コンビニの特定技能制度への追加検討は、2013年から続いています。
日本全国のコンビニでは、慢性的な人手不足により、留学生など外国人の雇用がなければ厳しい状況が続いています。
実際に従業員不足により、深夜営業を無くすなど、営業時間の変更を余儀なくされている店舗もありますが、コンビニの店舗数は毎年増加傾向にあり、人手不足は年々深刻化しています。
日本人の従業員不足を解消するためにも、コンビニの特定技能への追加による外国人雇用の実現が望まれます。
以下はこれから「コンビニ」が特定技能へ追加されるメリットと、保留された理由となります。2-1 業種追加のメリット
- 雇用時間
- 徹底されたマニュアル化
- セルフレジなど無人システムの導入
雇用時間
現在でもコンビニでは多くの外国人が雇用されていますが、その外国人の多くは留学生のアルバイトです。
留学生は「資格外活動」としてアルバイトが可能となっていますが、週に28時間以内の就労時間制限があります。
経済的な負担を感じている留学生であっても、この規制によって長時間働くことができないのが現状です。
また、学生であるためシフトの調整が難しいのが雇用の難点として挙げられます。
特定技能制度への業種追加認められれば、就労時間制限もなくなるため、より効率的に外国人の雇用が可能になります。徹底されたマニュアル化
コンビニなど大手チェーンでは徹底した業務マニュアルがあることがほとんどです。
ローソンは、来日予定の外国人留学生を対象とした海外研修施設を、ベトナムと韓国に設けています。
そこで店内での業務を学んだ留学生は、来日後に即戦力として働くことができます。
また、指導時に使うルールブックやマニュアルも、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語で作成されています。
コンビニでこなす必要のある業務は1200種類以上と言われていますが、徹底されたマニュアル化によってこれらは解消されています。セルフレジなど無人システムの導入
都内を中心に、商品を購入する際に客が自らバーコードをかざして決済が可能な「セルフレジ」の導入が進んでいます。
現在は全店舗で導入されているわけではないですが、コロナウイルス感染症の流行により、現金での支払いによる接触が懸念され、キャッシュレス決済が急速に普及したことも大きな理由です。
セルフレジの導入によってレジでの接客頻度が格段に減少するため、 高度な日本語レベルのない外国人でも、より安心して働ける環境になっていくことが予想されます。2-2 業種追加が保留された理由
- 運用の難易度が高く、雇用コストがかかる
- 雇用条件が外国人の希望に合致するか
- 自民党の事情
運用の難易度が高く、雇用コストがかかる
特定技能外国人を雇用するには、支援計画、各国大使館への申請、在留資格変更許可などの申請が必要となります。
しかし、コンビニエンスストアチェーンにおいては、フランチャイズ加盟店(フランチャイジー)の中小・零細企業または個人事業主が店舗の経営をしていることが多く、特定技能制度の理解と法令遵守、申請等が困難であることが予想され、一般的に特定技能外国人の登録支援機関に委託する必要があると考えられます。
また、特定技能に関して頻繁に事務処理が必要になる場合、専門で事務を行う人材の雇用や、事務作業の委託を考えなければなりません。
そのため、時給の支払い以外で発生する雇用コストが増加する可能性が高くなり、超えるべき課題が多くあると考えられています。雇用条件が外国人の希望に合致するか
日本では長期化する景気低迷により、時給が上がりにくい状況にあります。
また、言語や業務の研修制度が充実していても、日本語は言語として覚えることが高度であるけれども、日本以外では使うことがないので、他国での雇用の条件が良ければ、日本が選ばれないという現状もあります。
今まで外国人留学生のアルバイト(資格外活動)に頼ってきたコンビニエンスストアが、一定の資格取得難易度がある特定技能外国人を雇用するとなると、正社員雇用になります。果たして特定技能の資格を苦労して取得した外国人にとって、魅力的な雇用条件を提供できるか、疑問が残ります。
特に、首都圏、大阪圏、名古屋圏以外の地域においては、待遇が都会に比べて著しく悪いので、実際に地方のコンビニエンスストアが特定技能外国人を雇えるかどうかは疑問が残ります。自民党の事情
本来は特定技能制度開始の2年後、2021年4月から特定技能制度の見直しに取りかかる予定でした。
しかし、新型コロナウイルスの影響で1年先延ばしにされてしまいました。
理由は、菅政権の支持率の低下です。
菅政権のコロナ対策に国民の批判が集まり、菅政権は支持率が低迷。特に外国人の入国に関する水際対策の失敗について国民の批判が多いことから、政府自民党は外国人の入国に関する新しいコメントがとても出しづらい状況に陥っています。
今、特定技能制度の改革や業種追加について話題にすると、また国民の批判を浴びる可能性があるので、今は静観を決め込んでいる状態と言えます。
一方、1年先送りされた特定技能制度の今後の見直しの中で、1番可能性が高いのはコンビニの業種追加です。
新型コロナウイルスの影響で見直しが1年延ばされてしまいましたが、2022年からの見直しの中でコンビニは相当早い段階で業種追加になっていくと思われます。おすすめ記事日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑
新型コロナウイルス水際対策とオリンピック開催の影響で、日本政府の外国人入国政策が迷走する中、日本政府は先般「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」を発表しました。 しかしその内容は、昨年版の焼き直 […]
3.特定技能へ「トラック運転や配達荷物の仕分け」の業種追加の検討
全日本トラック協会は2020年6月11日、トラック運転や配達荷物の仕分け業務について「技能実習2号移行対象職種」に追加するよう、自由民主党の外国人労働者等特別委員会へ要望しました。
2019年からのコロナウイルス感染症によるステイホームやリモートワークによってEコマースサイトの利用が日常化し、今後もさらに運送業の雇用需要は高まると予想されます。
「トラック運転や配達荷物の仕分け」業務の特定技能への追加によって、運送業の人手不足は解消されますが、「コンビニ」「廃棄物処理業界」と同じく、現在も協議中となっています。
以下はこれから「トラック運転や配達荷物の仕分け」が特定技能へ追加されるメリットと、保留された理由となります。3-1 業種追加のメリット
- 長距離ドライバーとしての雇用
- 長時間運転の解消
長距離ドライバーとしての雇用
トラックの運転は特にドライバーの高齢化による雇用の難しさが問題としてあります。
ドライバーが高齢になると、長距離運転が体力的に厳しくなるからです。
特定技能外国人を長距離ドライバーとして雇用することで人材不足の解消に繋がります。長時間運転の解消
現状、長距離ドライバーの雇用が不足しているため、一人当たりの走行距離が長くなってしまうということも問題です。
適度な休憩が義務付けたれていたとしても、長時間運転になると注意不十分による交通事故の危険性が高まります。
雇用の増加によって、長距離運転の解消にも繋がります。3-2 業種追加が保留された理由
- 運送サービスのレベル
- 交通ルールの難しさと危険性
- 業界の団結力不足
運送サービスのレベル
日本に暮らしていると感じにくいことですが、日本の運送サービスのレベルは世界でも高い水準にあります。
海外では運輸中に商品の箱が破損したり、違うものを届けてしまったり、指定時間内に届けられないということが日常的に起きます。
日本で同じことが起きると、顧客の不満に繋がり、運送業者全体の信頼度が低下してしまうことになりかねません。
そのため、特定技能外国人にとっては日本の厳しい水準に適応しづらいのではないかということも保留された理由の一つになります。交通ルールの難しさと危険性
日本の交通ルールは諸外国に比べてとても複雑で厳しくなっています。
特にトラックの運転に関しては、ひとたび交通事故が発生すると、重大事故になりやすく、日本政府もかなり厳しい交通ルールを敷いています。
また、自動車普通免許の取得でさえ外国人には難しいのに、さらに高度な大型免許が外国人に取得できるか、という問題もあります。
外国人にとって日本の複雑な交通ルールを理解し、かつ免許を取得するのは難しいと思われること、また重大事故を防ぐ必要もあり、トラック運転に関する特定技能制度の導入には、かなり時間がかかると思われます。業界の団結力不足
元来、技能実習制度も特定技能制度も、制度を導入したいと考える業界が一致団結し、試験制度を創設したり制度設計をして、長い期間労力をかけて政府と交渉し、制度導入を勝ち取る手順を踏む必要があります。
しかし、トラック業界は複数の団体が乱立し、業界の足並みが揃わない傾向にあります。
また、昨今運賃相場の値上げにやっと成功した運輸業界では、外国人の就労許可を得ると荷主からの値下げ要求の題材になってしまうという懸念の声があり、業界の意見が必ずしも一致していないことも、特定技能制度導入の壁となっています。
特にコロナ不況による運賃相場の値下げ要求が出ている中、運輸業界としても特定技能制度導入に二の足を踏んでいるという事情もあります。4.特定技能へ「廃棄物処理業界」の業種追加の検討
最後に、「廃棄物処理業界」の特定技能制度への業種追加について述べます。
「廃棄物処理業界」の業種追加の理由は、「コンビニ」、「トラック運転や配達荷物の仕分け」と同じく深刻な人手不足の解消です。
しかし、「廃棄物処理業界」は他の2業種よりも問題点が多く、なかなか実現までには辿り着けずにいます。
以下はこれから「廃棄物処理業界」が特定技能へ追加されるメリットと、保留された理由となります。4-1 業種追加のメリット
深刻な人材不足の解消
「廃棄物処理業界」は以前より人手不足が慢性化しています。
日本人にとっても危険であるというイメージの強い業種のため、給料面が良くても選ばれにくいということも人手不足の原因となります。
しかし、日本の経済や生活にとって産業廃棄物処理はなくてはならない業種です。
そのため、特定技能外国人の雇用で、人手不足が解消されることは業界にとってかなりの利点となります。4-2 業種追加が保留された理由
- 安全性
- 言語の問題
安全性
廃棄物処理業務は、爆発性、毒性、感染性、その他にも健康被害を生ずる可能性のある業種であるため、危険の伴う業種です。
原発事故などの労働災害から、外国人にとってもマイナスのイメージがあるということも現状です。言語の問題
上記で述べたように危険性の高い業種であるため、安全に作業するための確実なコミュニケーションスキルが必要となります。
日本語スキルが高い特定技能外国人だとしても、マニュアルにないその場の指示で、微妙な受け取り方の齟齬が生じてしまうだけでも事故の危険性が高まります。
そのため、即戦力として雇用できる外国人が少ないということも問題です。5.まとめ
「コンビニ」、「トラック運転や配達荷物の仕分け」、「産業廃棄物処理」の特定技能への業種追加には、現状では様々な問題があり、個別に詳しく解説いたしました。
今後、各業界の問題改善が進み、特定技能追加への動きが前向きに進められることを期待したいと思います。- 2022.06.06【2022年】特定技能12分野14業種まとめ
2019年に新設された在留資格「特定技能」をご存知でしょうか。
「技能実習生は知っているけれど、何か違うの?」と思われる方もいるかも知れませんね。
「技能実習」と「特定技能」は似ているところがありますが、仕組みや対象が大きく異なるのです。
日本の労働力確保のための在留資格、「特定技能」は今、外国人材市場でも注目を集めています。また特定技能の業種は14分野と認識している方もいると思いますが、2022年4月の閣議により特定技能は12分野となりました。
この記事では最新の特定技能の分野、業種について1つずつ解説します。目次
注目の在留資格「特定技能」とは?
労働力確保のための「特定技能」
現在、日本は深刻な労働力不足に陥っています。
国全体の高齢化が進み、国内における若年層の労働力獲得競争は、激化しているのです。
採用をご担当されている方は、いかにして人材を取り込むか、日々苦慮されているかも知れませんね。
政府としても、特に中小企業に おける深刻な人手不足から、日本の経済や社会基盤の維持が難しくなる可能性があると感じているのです。
そこで2019年に新しく新設された在留資格が「特定技能」です。
この制度は、一定の専門性や技術を持った即戦力を、労働力として採用することができるのです。技能実習制度とは目的が異なる
よく似た名前で、「外国人技能実習制度」がありますが、こちらは、実習生が祖国に技術を持ち帰ることで、その国の経済成長を促す、国際貢献を目的とした制度です。
人手不足を補う目的の特定技能とは、根本的な性質が異なる点に、注意しましょう。
種類別で見る特定技能
特定技能には、2種類の在留資格があります。
①特定技能1号
②特定技能2号それぞれの在留資格のポイントを確認しましょう。
特定技能1号
特定技能1号とは、特定の業種・分野において「相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務」に従事するための、外国人向けの在留資格です。
在留期間は1年(6か月もしくは4ヶ月ごとの更新)とされており、通算で上限5年までの在留が認められています。
専門技術や日本語能力については試験等で確認されるため、一定水準以上の外国人を受け入れることができるのです。
また、技能実習2号を良好に修了した技能実習生については、実習分野と特定技能の分野に関連がある場合、試験が免除されます。
関連が認められる分野については、法務省出入国管理庁作成の 「特定技能ガイドブック」に記載されています。 家族の帯同などは認められていないため、労働者単身で来日することとなります。
また、1号については登録支援機関の支援対象となります。
特定技能2号
特定技能2号とは、特定の業種・分野において「熟練した技術を要する業務」に従事する外国人向けの在留資格です。
広い分野で受入れが可能とされる1号に対し、2号は2分野のみとなっております。
・建設
・造船・舶用工業在留期間の定めはありませんが、1年もしくは6か月ごとの更新が必要です。
また特定技能1号、2号等で10年間日本に在留することにより、日本での永住権が得られる可能性が高くなります。
特定技能2号になるには技術水準を確認する試験のみで、日本語力の水準確認は不要とされています。
一定要件を満たせば、配偶者や子供などの家族を帯同することができます。
また、1号と異なり、登録支援機関による支援は対象外とされています。
特定技能1号|12分野14業種
特定技能1号|12分野14業種一覧
特定技能1号は14分野でしたが、2022年4月の閣議により12分野へ変更することが決まりました。
日本は人手不足で特定技能分野に参入してほしいという業種が多い中、なぜ12分野へと受け入れ業種が減ったのかと考える方もいると思いますが、分野は減っていても実際の受け入れられる業種は変わりありません。
変更点としては、「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)」として統合されたというわけです。
なぜ製造3分野に統合されたかというと、「産業機械製造業」での受け入れ人数が上限を超え4月から新規入国が止まってしまったためです。
新型コロナウイルス禍で半導体製造装置や産業用ロボットの需要が高まり、産業機械製造業の受け入れ人数は上限を超過してしまいました。素材や電気機器を対象とする業種には受け入れ人数に余裕があるため、製造3分野として受け入れ人数に余裕を持たせたというわけです。
今後は「製造3分野」という呼び方をされることが増えると思います。
そのため実際に受け入れられる業種や職種には変わりがないので安心してください。- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
おすすめ記事【技能実習・特定技能】受け入れ可能な職種一覧
「技能実習で受け入れ可能」「特定技能1号による受け入れが可能/不可能」「技能実習3号に移行できない」職種・作業をまとめてご覧いただけます。また、技能実習と特定技能の面接から配属までの期間や雇用人数などを一度に比較できる表が詳細欄からご確認いただけます。受け入れ検討の際にぜひご活用ください。
各業種・職種を紹介
特定技能1号で受け入れることができるのは、次に挙げる12分野14業種と規定されています。
順番に確認しましょう。◆介護業
管轄:厚生労働省
最大受入れ人数:60,000人(全業種の中で最多)
介護分野では、入浴や食事、排せつの介助から、レクレーションの実施や機能訓練の補助などの業務に従事します。
介護は、少子高齢化の影響により、深刻な人手不足に陥っている分野の一つなのです。
特定技能として受け入れるためには、利用者の状況に応じた介護の能力や知識について、一定レベル求められます。
また、日本語についても、ある程度の日常会話力を必要とされます。
今後も、介護分野の人材需要が高まることは間違いありません。
特定技能で外国人材を受け入れる基盤を作ることは、日本の将来の介護福祉を支える、一つの柱となるでしょう。◆ビルクリーニング業
管轄:厚生労働省
最大受入れ人数:37,000人
ビルクリーニング業界は、9万人の人手不足が懸念されています。
この背景には、業界全体の賃金水準が低いことや、仕事の多様化による、他業種への人材流出が考えられます。
厚生労働省が、ビルクリーニング受入機関36社に調査をした結果、25社が既に外国人材を採用していました。
受入れ企業によると、5年間の労働で長期的なキャリアプランを立てやすい、コミュニケーションが図れる、といった点をメリットに感じています。◆素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)
管轄:経済産業省
最大受入れ人数:検討中
【素形材】
鋳造、鍛造、金属プレスなどに関わる職種です。
日本の主力産業である、自動車のパーツや部品に関わる仕事であり、日本経済の柱の一つとなる産業です。
【産業機械】
建設・農業・工業・木工など、各産業に関わる機械を製造する職種です。
製造全体に関わることはもちろん、社会インフラを整備するためにも、必要不可欠な存在です。
【電気電子情報関連製造業】
電子部品を製造する職種です。
テクノロジーの進歩に伴い、ITやAIなどの産業で、需要が急速に高まっています。
上記の製造3業種は、共通して製造分野特定技能1号評価試験が課されます。
日本のものづくりは、女性の社会進出、高齢人材の受け入れ、IT化など、時代に合わせた新たな取り組みをすることで、生産性を拡大してきました。
しかし、大企業・中小企業を問わず、人材は不足しているのです。
日本が受け入れる外国人労働者の数は、業種別に見ると製造業が最多となっています。
今後も更なる、外国人材のニーズが見込まれるでしょう。◆建設業(特定技能2号での受入れも可能)
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:40,000人
いわゆる“大工さん”だけにとどまらず、型枠、左官、とび、鉄筋、配管など、建設に関わる全ての職種において、職人の高齢化、人手不足が顕在化しています。
かつて急成長を遂げた日本においては、今後予想されるインフラの老朽化にいかに対応するかが、今後の課題と言えます。
国を挙げて人材を確保する必要があり、外国人材の需要も高まりを見せています。
◆造船・舶用工業(特定技能2号での受入れも可能)
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:13,000人
造船分野の人手不足は、その業界の特性上、産業の中心地が地方に多いことに起因します。
都市部への人口流出により、高齢化が危惧されているのです。
船舶溶接の職種においては、すでに外国人材の活用がなされています。◆自動車整備業
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:7,000人
自動車整備工場での、点検や分解などの業務に従事します。
整備士は自動車産業における重要な存在ですが、自動車整備士の平均年齢が45歳と高齢化しており、業界全体は売り手市場の傾向が続いているのです。
その背景には、若者の車離れや、整備士の待遇に課題がある点がネックとなっています。
国内人材を集めにくい状況にあるため、外国人材は年々増加しています。◆航空業
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:2,200人
空港において、グランドハンドリング業務(航空機の誘導・手荷物の取り扱い・客室清掃など)、航空機整備業務を行います。
訪日外国人旅行者の増加に伴い、航空業界全体の人材ニーズが高まったことから、人手不足の傾向にありました。
政府としても、今後さらなる観光の活性化を目標に掲げており、外国人旅行者は増える見込みです。
それに伴い、外国人材の需要もさらに高まるでしょう。◆宿泊業
管轄:国道交通省
最大受入れ人数:22,000人
宿泊施設において、フロントやレストランでの接客など、宿泊サービスの提供全般に関わります。
コロナ前においては、訪日外国人旅行者が増加したことにより、宿泊施設の人手不足が常態化しました。
現状ではコロナウィルス蔓延対策として、外国人の入国を制限する水際対策が講じられており、外国人観光客がほぼ入国できませんので、宿泊業界の人材不足はほぼ消滅していますが、今後のワクチン普及による蔓延の沈静化後には、再度外国人観光客の大量入国が予想されますので、外国人材の活用の準備が求められます。◆農業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:36,500人
農業において、労働人口の減少、高齢化は、深刻な問題となっています。
農業は、農機具の購入や修繕などでコストがかかる上、天候や天災による収入のバラつきがあります。
このようなリスクに加え、重労働のイメージがあり、安定志向の若者から敬遠されてしまうのです。
農業分野における特定技能は、直接雇用の他に、派遣事業者から派遣してもらうことも可能です。
また、繁忙期に就労し、閑散期に母国に帰国するなど、入国後10年目までの間で、通算5年間となるような働き方も認められています。◆漁業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:9,000人
漁業は農業と同様に、労働者の高齢化が深刻な問題となり、人手不足に歯止めがかからない状況です。
業界全体が低所得であり、漁船の維持や消耗品にコストがかかる点、また漁獲量で収入が左右される点など、構造的な問題を抱えています。
漁業の分野では、すでに外国人材の受入れに積極的に取り組んでいます。
農業と同様、派遣としての雇用形態も認められており、多様なニーズに柔軟に対応できる人材として、期待が寄せられているのです。◆飲食料品製造業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:34,000人
酒類を除く、飲食料品製造全般の製造・加工、安全衛生に従事します。
お菓子やパンについては、製品を小売りすることも認められています。
業界としてIT化が進んでいるものの、手作業や目視確認など、機械化できない部分があるため、外国人材が必要とされています。
現時点で、特定技能外国人受入れの最大の業種となっております。◆外食業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:53,000人
テイクアウト専門を含む、飲食店や料理店での仕事が対象です(コンビニを除く)。
コロナ前においては、訪日外国人旅行者が増加したことにより、宿泊施設の人手不足が常態化していました。
また訪日外国人が増えたことで、外国人従業員による接客対応のニーズが高まりました。 外国人旅行者が訪れる観光地の中でも、地方では働き手が少なく、外国人材に大きな期待が寄せられていました。
しかし現状では、新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の発令により、外食産業に対する強烈な規制がかかっていること、およびコロナ蔓延防止制作対策としての外国人入国制限対策(水際対策)により、宿泊業界の人材不足は全く無くなっています。
しかし、今後世界的なワクチン普及によってコロナ感染が沈静化し、移動制限や会食に対する制限が解かれた後には、外食産業も再び活気を取り戻し、深刻な人手不足が戻ってきますので、外国人材の活用は避けては通れないと思われます。【まとめ】
新しい在留資格「特定技能」の新設により、外国人材の活躍の幅が大きく広がりました。
今後、各業種・分野での需要がさらに高まり、優秀な人材の獲得競争が予想されます。
これまで外国人の採用を検討していなかった企業も、彼らを受け入れることで、企業が抱える問題を解消するきっかけとなるかもしれません。
これから迎える新しい時代に向けて、外国人材の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
【出典】
法務省 出入国在留管理庁|特定技能制度
法務省 出入国在留管理庁|「特定技能ガイドブック」
ITCO 公益財団法人 国際人材協力機構|在留資格「特定技能」とは
法務省 入国管理局「新たな外国人材の受け入れについて」
厚生労働省「新たな在留資格「特定技能」について」
厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能制度に係る啓発資料」
経済産業省「製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について」
国道交通省「航空分野における新たな外国人材の受け入れについて」
農林水産省「特定技能外国人の受入れが始まりました!」
農林水産省 食料産業局「飲食料品製造分野・外食業分野における特定技能外国人受入れの制度について」 閉じる- 2022.06.02高度人材とは?ポイント制度や優遇措置など解説!
目次
高度人材とは何か
「高度人材」とは、専門的な技術や知識をもつ人材を海外から受け入れて、日本が発展するために必要な外国人材のことをいいます。
通称「高度人材」とは?
一般的に「高度人材」とは、単純労働系の外国人材に対して、一定の学歴や経歴を有する人材のことをいいます。
次の項目で解説する「入管が定める高度人材」とは別の意味で用いられていますのでご注意ください。
一般的に「高度人材」と呼ばれる在留資格は「専門的・技術的分野の在留資格」です。
「専門的・技術的分野の在留資格」は次のように分けることが可能です。在留資格 活動例 教授 日本の大学などでの研究・教育者 芸術 作曲家・画家・著述家など 宗教 外国の宗教団体から派遣される宣教師など 報道 外国の報道機関の記者・カメラマンなど 高度専門職(1-2) ポイントによる高度人材 経営・管理 企業の経営者・管理者 法律・会計業務 弁護士・公認会計士など 医療 医師・歯科医師・看護師 研究 政府関係機関や私企業などの研究者 教育 中学校・高等学校などの語学教師など 技術・人文・国際業務 機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、マーケティング業務従事者など 企業内転勤 外国の事業所からの転勤者 介護 介護福祉士 興行 俳優・歌手・ダンサー、プロスポーツ選手など 技能 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者など 特定技能1号・2号 介護・ビルクリーニングなどの特定産業分野に関する知識・経験・技能を要する業務 この中では、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる「技人国」)の人数が最も多く、一般的には「高度人材」とは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人材のことを指すことが多いのが現状です。
その「技術・人文知識・国際業務」人材(いわゆる技人国人材)は日本または海外の大学や大学院を卒業している、またはそれと同等の実績を有し、理学・工学などの自然科学の分野、または法律・経済・社会学などの人文科学の分野に関する技術や知識を必要とする業務、または外国の文化に基盤を置く思考や感受性を必要とする業務に従事することが認められています。
具体的な職種の例は以下の通りです。
IT系- 社内SE
- アプリケーション開発
- 通信インフラ設計・構築
事務系- 営業職
- マーケティング
- 商品開発
- 貿易事務
- 通訳、翻訳
- 日本在住外国人のサポート業務
機械・電気・電子系技術者- Auto CAD
- 回路設計
- 半導体設計・生産技術
入管が定める「高度人材」とは?
一方、出入国管理局は「高度人材」について以下のように定義しています。
- 入管による定義
出入国在留管理庁が定める「高度外国人材ポイント制度」で、「学歴」「職歴」「年収」「年齢」「その他のボーナス」を点数化した結果合計が70点以上、かつ在留資格「高度専門職1号」「高度専門職2号」を取得した外国人労働者
以前の特定活動の「高度人材」というカテゴリは、 法改正によって「高度専門職1号」と「高度専門職2号」ビザが分離・独立しました。 上記の外国人は、「高度専門職1号」を所有しているとみなされます。 「特定活動・高度人材」と「高度専門職1号」は併用されるということではないです。 高度専門職とは「高度専門職1号」と「高度専門職2号」のことです。- 高度専門職1号の種類
-
- 高度専門職1号イ:高度学術分野に相当(研究者や教師)
- 高度専門職1号ロ:高度専門分野に相当(専門家、エキスパート等のクリエイティブ・クラス)
- 高度専門職1号ハ:高度経営分野に相当(経営者、起業家)
- 高度専門職2号とは
- 高度専門職1号イロハのビザを持って、日本に在留し、その活動を行った後、3年以上経過した場合、高度専門職2号に移行(ビザ変更)することができます。ポイント制度の70点以上及び年収要件を引き続き維持しており、納税義務、社会保険加入義務を履行し、素行が善良であることも条件です。高度専門職2号には「指定書」がなくなります。
高度人材ポイント制度
「高度専門職」ビザは、優秀な外国人を日本に呼び込み、日本の活性化を目指すべく創設された在留資格です。
外国人の学歴や職歴、年収などを点数化し、高度人材の受け入れの判断基準となる「高度人材ポイント制」を導入しています。高度外国人材の活動内容は「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つです。
それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設けて合計ポイントが70点に達した場合に出入国在留管理上の優遇措置を与えることにより高度外国人材の受入れを進めることを目的としています。
引用: ポイント評価の仕組みは? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
合計ポイントが70点未満の場合は、高度専門職の在留資格を取得することができない計算表は下記です。高度人材ポイント計算表は、上記3タイプ(イロハ)に分かれます。
また、日本の大学を卒業した場合や日本語専攻で外国の大学を卒業した場合、日本語能力試験N1合格の場合などボーナスポイントが加算されますので、70点に届きやすいです。年収の要件は、高度専門職1号ロ、1号ハ(そしてそれぞれの2号も)は、ポイントに関係なく、年収300万円必要です。高度専門職1号イには、年収要件はありません。
高度専門職ビザの優遇措置
高度外国人材に認定された人材には,次の優遇措置が受けられます。
高度専門職1号の優遇措置
1)複合的な在留活動の許容
高度専門職では複数のビザにまたがるような活動を同時に行うことができます。
たとえば、会社に雇用されて就労している外国人が、その知識や技術を活かしてベンチャー企業を経営することもできるようになります。2)最長の在留期間「5年」
入管法上の最長の期間である5年が一律に与えられます。もちろん、ビザ延長は可能です。3)永住許可要件が緩和されます。
高度専門職としての活動を継続して3年、または、1年行っている場合には、永住申請を受理し、留学生の場合、高学歴であればあるほど、学生だった期間が長いため、就職する期間が遅れますので、高学歴の留学生にはメリットが大きいです。4)入管での審査が優先処理されます。
入管での審査が優先的に処理されますので、在留資格認定証明書交付申請では約10日以内に、在留資格変更等の申請では約5日以内に審査結果が下ります。これは、通常の審査時間の2週間から3カ月に比べ大きな違いです。5)配偶者の就労が認められます。
配偶者が、「技術・人文知識・国際業務」等の就労系ビザに該当する活動を行おうとする場合、学歴・職歴などの要件を満たさない場合であっても、就労することができます。6)本国からの親の帯同ができます。
高度専門職の親であれば、一定の条件を満たすことで、高度専門職外国人本人又は配偶者の親のビザが認められます。主な要件は以下になっています。
- 高度外国人材の世帯年収が800万円以上
- 高度外国人材と同居すること
- 高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること
7)家事使用人の帯同が認められます。
一定の条件を満たすことで、高度専門職外国人が雇用する家事使用人のビザが認められます。例えば、世帯年収が1000万円以上あり、家事使用人の月給が20万円以上であること等の条件を満たす場合に限定されます。高度専門職2号の優遇制度
幅広い活動を許可
「高度専門職1号」の活動とあわせて、就労可能な在留資格で認められる、ほぼ全ての活動をおこなうことができます。在留期間
「高度専門職2号」は、在留が無期限となります。また高度専門職1号の優遇制度3~7の「在留歴に係る永住許可要件の緩和」「配偶者の就労」「一定条件の下での親の帯同」「一定条件の下での家事使用人の帯同」「入管での審査が優先処理」の5つの優遇措置を受けることができます。
引用:どのような優遇措置が受けられる? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)高度専門職ビザの注意点
高度専門職の注意点
高度専門職1号が認定されると、会社名と会社所在地が記載された「指定書」がパスポートに貼られます。
その所属機関(企業)で就労することとして高度専門職ビザを許可しているので、その所属機関を辞めて転職する場合、在留資格を再度変更する必要があります。高度専門職としての活動を継続している限りは、資格外活動許可を受けることなく、主な就労系ビザの活動が可能となりますが、単純労働は認められないとしています。
高度専門職1号イロハの場合、転職して契約機関(または所属機関)が変わったときには、その都度、在留資格の変更の許可を受けなければなりませんが、高度専門職2号取得後は、転職しても、変更の許可は必要ありません。
高度専門職2号には、「指定書」が交付されません。
しかし、「永住」との違いとして、高度専門職の活動(本来の活動)を6ヶ月以上行わないでいる場合、ビザ取消しの対象となります。
失業した場合は注意する必要があります。
また、会社を辞めた場合、届出義務は発生しますので、ご注意ください。高度専門職ビザの更新後
高度専門職1号
→ (ビザ期限到来時)高度専門職1号の単純更新(延長)
→ (1年経過)永住申請(ポイント計算表で80点以上の場合)
→ (3年経過)高度専門職2号へ変更。親帯同等の優遇を享受。または、永住申請(ポイント計算表で80点未満の場合)。このうち、どの道を選ぶかは、ご本人の選択にゆだねられています。
来日(または高度人材認定後)3年でまずは高度専門職2号へ変更するのは、在留期限が無期限になるメリットがあります。もっとも「永住」の選択もできますので、どちらを選択するかどうかは、例えば、親を帯同できるメリットを享受するかどうかで変わってくるでしょう。申請の流れ
申請者が
- これから日本に入国される外国人の場合は
- すでに日本に在留している外国人の方
- 高度外国人材として在留中で,在留期間の更新を行う外国人の方
次に2つの流れを解説します。
在留資格認定証明書交付申請の流れ
STEP1:地方出入国在留管理局の窓口での申請
「高度専門職1号」(イ・ロ・ハのいずれか)に係る在留資格認定証明書交付申請※を行っていただきます。
※ 入国予定の外国人の受入れ機関の方等が申請を行うことができます。
行おうとする活動に係るポイント計算表と,ポイントを立証する資料を提出し,高度外国人材の認定を申し出ます。
↓
STEP2:出入国在留管理庁における審査
当該申請に係る入管法第7条第1項第2号に掲げる「上陸条件への適合性」の審査を行います。
(この時にポイント計算を行います。)
在留資格該当・上陸条件適合
在留資格非該当・上陸条件不適合
在留資格認定証明書交付
在留資格認定証明書不交付※就労を目的とするその他の在留資格の上陸条件に適合している場合,申請人が希望すれば当該在留資格に係る在留資格認定証明書が交付されます。
手続きの流れは? 必要な申請書類は? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
↓
STEP3:在留資格認定証明書交付
今回の申請により,あらかじめ上陸条件の適合性の審査は終了しているため,在外公館における査証申請の際に在留資格認定証明書を提示し,また,日本の空海港における上陸審査時に本証明書及び査証を所持することにより,スムーズな査証発給,上陸審査手続が行われます。
↓
入国・在留在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の流れ
STEP1:地方出入国在留管理局の窓口での申請
在留資格変更許可申請,在留期間更新許可申請のどちらの場合においても,行おうとする活動に係るポイント計算表と,ポイントを立証する資料等を提出してください。
↓
STEP2:出入国在留管理庁における審査
高度人材該当性等の審査を行います。【ポイント】行おうとする活動が高度外国人材としての活動であること ポイント計算の結果が70点以上であること 在留状況が良好であること 70点以上であるなど必要な要件を満たす場合 70点未満であるなど必要な要件を満たさない場合 不許可 (在留資格変更許可申請の場合,現在の在留資格による在留期間があれば,当該在留資格による在留を継続可能) ↓ 在留資格変更許可・在留期間更新許可まとめ
少子高齢化で人手不足が進む現在、若くて優秀な人材の確保が難しくなってきています。そこで、外国人の採用を視野に入れればこれまでどおり会社の専門性を維持し、会社が発展する可能性も高いです。
高度外国人は雇用する人数に制限がなく、長期雇用も可能です。
専門的な知識を有していて、就労意欲も高い等複数のメリットがります。日本の高度外国人雇用の現状は「専門的・技術的分野の在留資格」の人数は約27.7万です。
高度専門職ポイント制度の数は出入国在留管理庁(入管)公表の資料から、2020年12月時点の高度人材認定者数は、26406人です。
閉じる
政府は、「成長戦略フォローアップ」(令和2年7月17日閣議決定) によると2022年末までに、40000人の高度人材外国人の認定を目指す方針です。
高度外国人材の受入れ状況等について | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp) 高度専門職の在留資格で高度人材の活用を考えてみてください。- 2022.05.31【試験情報】外食業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、外食業もその中の1つです。
「外食業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
1-2 日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」A2以上の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「外食業特定技能1号技能測定試験」の合格が必要です。2.試験情報
下記は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「外食業特定技能1号技能測定試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 計80分 試験方式 マークシート方式 受験料 8,000円(税込み) 2-1 学科試験
衛生管理、飲食物調理と接客全般の知識と仕事で必要な日本語能力を問う試験です。
問題数 30問 満点 100点 合格点 65%以上 2-2 実技試験
実技試験は判断試験と計画立案の2つから構成されています。
判断試験は図やイラストなどから、ふさわしい行動はどれかを選択する問題です。
計画立案は計算して作業の計画をたてることができるかを問う問題です。
問題数 判断試験9問/計画立案6問 満点 100点 合格点 65%以上 3.学習用教材
言語 外食業技能測定試験学習用テキスト 外食業技能測定試験学習用テキスト 外食業技能測定試験学習用テキスト 日本語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controls英語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controlsベトナム語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controlsクメール語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controlsミャンマー語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controls- 2022.05.31【試験情報】製造業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業もその中の1つです。「素形材産業の特定技能1号」「産業機械製造業の特定技能1号」「電気・電子情報関連産業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
また、特定技能1号は2022年4月の閣議により14分野から12分野へ変更することが決まりました。
変更点は「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)」として統合されます。なぜ製造3分野に統合されたかというと、「産業機械製造業」での受け入れ人数が上限を超え4月から新規入国が止まってしまったためです。 新型コロナウイルス禍で半導体製造装置や産業用ロボットの需要が高まり、産業機械製造業の受け入れ人数は上限を超過してしまいました。素材や電気機器を対象とする業種には受け入れ人数に余裕があるため、製造3分野として受け入れ人数に余裕を持たせたというわけです。
今後は「製造3分野」という呼び方をされることが増えると思いますが、実際に受け入れられる業種や職種には変わりがないので安心してください。1-2 日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は株式会社サーティファイが実施する「製造分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。2.試験情報
下記は株式会社サーティファイが実施する「製造分野特定技能1号評価試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 学科試験:60分/実技試験60~90分(業種によって異なる) 試験方式 CBT方式、ペーパーテスト方式または製作等作業試験方式 受験料 2,000円 2-1 学科試験
合格点 65%以上 2-2 実技試験
合格点は以下の通りです。
製作等作業試験方式を採用する試験区分 判定方法は各試験区分により設定 溶接 手溶接作業はJIS Z 3801、半自動溶接はJIS Z 3841に基づいて判定 上記以外の試験区分 60%以上 3.学習用教材
鋳造 学科・実技サンプル 鍛造 学科・実技サンプル ダイカスト 学科・実技サンプル 機械加工 学科・実技サンプル 金属プレス加工 学科・実技サンプル 鉄工 学科・実技サンプル 工場板金 学科・実技サンプル めっき 学科・実技サンプル アルミニウム陽極酸化処理 学科・実技サンプル 仕上げ 学科・実技サンプル 機械検査 学科・実技サンプル 機械保全 学科・実技サンプル 電子機器組立て 学科・実技サンプル 電気機器組立て 学科・実技サンプル プリント配線板製造 学科・実技サンプル プラスチック成形 学科・実技サンプル 塗装 学科・実技サンプル 溶接 学科サンプル(半自動溶接)
学科サンプル(手溶接)工業包装 学科・実技サンプル - 2022.05.31【試験情報】飲食料品製造業特定技能1号試験
目次
特定技能と試験について
特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として14業種が認められており、飲食料品製造業もその中の1つです。
「飲食料品製造業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」の合格が必要です。
試験情報
下記は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 計80分 試験方式 マークシート方式 受験料 8,000円(税込み) 学科試験
HACCPなどによる衛生管理や労働安全衛生の知識を問う試験です。
問題数 30問 満点 100点 合格点 65%以上 実技試験
実技試験内容は判断問題と計画立案の2つから構成されています。
判断問題は図やイラスト等から、ふさわしい行動はどれかを選択する問題です。
計画立案は計算して作業の計画をたてることができるかを問う問題です。問題数 判断試験8問/計画立案2問 満点 50点 合格点 65%以上 学習用教材
以下は特定技能1号技能測定試験飲食料品製造業試験に合格のための学習用テキストの情報です。
特定技能受け入れに関する相談窓口
農林水産省:飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について- 2022.05.31【試験情報】農業 特定技能評価試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、農業もその中の1つです。
「農業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験(耕種農業、畜産農業)」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
農業は耕種農業と畜産農業に分かれているため、技能試験はそれぞれ該当する方の試験を受けます。1-2 日本語試験と技能試験(耕種農業、畜産農業)
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人 全国農業会議所が実施する「農業技能測定試験」の合格が必要です。2.農業 試験情報
下記は一般社団法人 全国農業会議所が実施する「農業技能測定試験(耕種農業、畜産農業)」の情報です。
※耕種農業、畜産農業の試験問題は異なりますが、試験情報については共通です。試験科目 学科試験、実技試験、日本語能力の確認(業務上に必要な日本語) 試験時間 学科試験+実技試験+日本語能力の確認:60分 試験方式 CBT方式 受験料 8,000円
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)2-1 学科試験、実技試験 、日本語能力の確認
※耕種農業、畜産農業の試験問題は異なりますが、試験情報については共通です。
問題数 全70問 試験言語 日本語、英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ミャンマー(ビルマ)語、モンゴル語、ネパール語、カンボジア(クメール)語、中国語、ウズベク語、シンハラ語、タミル語、ヒンディー語 合格点 非公開 出題形式 学科試験、実技試験:2肢一択と四肢一択
日本語能力の確認:四肢一択、記述式出題基準 耕種農業
畜産農業
日本語能力の確認3.学習用教材
以下は建設分野特定技能1号評価試験に合格するための学習用テキストの情報です。
- 2022.05.31【試験情報】建設業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、建設業もその中の1つです。
「建設業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
建設業では、現在以下の18職種が特定技能の対象になっています。そのため、技能試験の内容は職種によって異なります。- 型枠施工
- 左官
- コンクリート圧送
- トンネル推進工
- 建設機械施工
- 土工
- 屋根ふき
- 電気通信
- 鉄筋施工
- 鉄筋継手
- 内装仕上げ/表装
- とび
- 建築大工
- 配管
- 建築板金
- 保温保冷
- 吹付ウレタン断熱
- 海洋土木工
1-2 日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)が実施する「建設分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。
2.試験情報
下記は一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)が実施する「建設分野特定技能1号評価試験」の情報です。
※建設業では、現在18職種が特定技能の対象になっています。そのため、技能試験の内容は職種によって異なります。試験科目 学科試験、実技試験 試験時間 学科試験:60分/実技試験:職種ごとに異なる 試験方式 学科試験:CBT方式/実技試験:職種ごとに異なる 受験料 4,000円
受験会場にて現金で集めます。2-1 学科試験
問題数 30問 試験言語 日本語(必要に応じてフリガナあり)
専門用語等については他言語で併記される合格点 合計点の65%以上 出題形式 真偽法(〇✕)および2~4択式 2-2 実技試験
問題数 職種ごとに異なる 合格点 職種ごとに異なる 出題形式 職種ごとに異なる 3.学習用教材
以下は建設分野特定技能1号評価試験に合格するための学習用テキストの情報です。
職種 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 型枠施工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 左官 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 コンクリート圧送 テキスト1
テキスト2
テキスト3
テキスト4
テキスト5学科サンプル問題 実技試験問題 トンネル推進工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 建設機械施工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 土工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 屋根ふき テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 電気通信 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 鉄筋施工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 鉄筋継手 テキスト全体
テキスト1
テキスト2
テキスト3学科サンプル問題 実技試験問題 内装仕上げ/表装 テキスト(壁装)
テキスト(ボード仕上げ)学科サンプル問題(壁装)
学科サンプル問題(ボード仕上げ)実技試験問題(壁装)
実技試験問題(ボード仕上げ)とび テキスト 学科サンプル問題 準備中 建築大工 準備中 準備中 準備中 配管 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 建築板金 準備中 準備中 準備中 保温保冷 テキスト1
テキスト2
テキスト3
テキスト4学科サンプル問題 実技試験問題 吹付ウレタン断熱 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 海洋土木工 テキスト全体
テキスト1
テキスト2
テキスト3学科サンプル問題 実技試験問題 - 2022.05.31【試験情報】宿泊業 特定技能評価試験
目次
特定技能と試験について
特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として14業種が認められており、宿泊業もその中の1つです。
「宿泊業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人宿泊業技能試験センターが実施する「宿泊技能測定試験」の合格が必要です。
宿泊業試験情報
下記は一般社団法人宿泊業技能試験センターが実施する「宿泊技能測定試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 学科試験:45分/実技試験10分 試験方式 CBT方式 受験料 7,000円 宿泊施設のフロント業務、企画・広報業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生、宿泊業の基本事項に関する問題が出題されます。
学科試験
問題数 30問 合格点 65%以上 出題形式 選択真偽法 実技試験
問題数 4問 合格点 65%以上 出題形式 口頭による判断問題 学習用教材
以下は宿泊技能測定試験に合格するための学習用テキストの情報です。
【過去問題】2019/04/14 第1回(国内)学科試験並びに実技試験
【資料】宿泊業における生活・業務マニュアル学習用テキストは今後宿泊団体から発行される予定です。
- 2022.05.31【試験情報】ビルクリーニング業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。 「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として14業種が認められており、ビルクリーニング業もその中の1つです。 「ビルクリーニング業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
1-2 日本語試験と技能試験について
ビルクリーニング分野の特定技能1号の在留資格を得るためには、「技能水準」と「日本語能力水準」の両方を満たしている必要があります。
「日本語能力水準」は、独立行政法人国際交流基金が実施する「日本語能力判定テスト」 又は独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会が実施する「日本語能力試験」において判定されます。
ビルクリーニング分野の「技能水準」は、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施いたします「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」において判定します。
日本語試験は「日本語交流基金基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施する「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。
※ビルクリーニング職種の技能実習2号修了者は、「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」と日本語試験を受験する必要はありません。2.試験情報
下記は公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施する「ビルクリーニング分野特定技能1号技能測定試験」の情報です。
試験科目 判断試験と作業試験 試験時間 計32分 試験方式 択一方式・実技試験 受験料 1,100円(税込み) 2-1 学科試験
写真・イラスト等により判断する試験です。
問題数 17問 満点 40点 合格点 60%以上 2-2 実技試験
作業試験は 床面の定期清掃作業、ガラス面の定期洗浄作業、洋式大便器の日常清掃作業の中から作業を行います
問題数 床面の定期清掃作業、ガラス面の定期洗浄作業、洋式大便器の日常清掃作業 満点 60点 合格点 60%以上 ・判断試験の点数が満点の60%以上(24点以上)、かつ作業試験の点数が満点の60%以上(36点以上)で合格になります。
3.学習用教材
以下は特定技能1号技能測定試験飲食料品製造業試験に合格のための学習用テキストの情報です。
- 2022.05.31【試験情報】介護 特定技能評価試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。 「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、介護もその中の1つです。 「介護の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
1-2 日本語試験と介護技能評価試験と介護日本語評価試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
介護技能評価試験は厚生労働省が実施する「介護技能評価試験」の合格が必要です。
介護日本語評価試験は厚生労働省が実施する「介護日本語評価試験」の合格が必要です。
※介護技能評価試験、介護日本語評価試験の作成は厚生労働省ですが、試験実施及び運営はプロメトリック株式会社が行っています。2.介護 試験情報
下記は厚生労働省が実施する「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験 」の情報です。
2-1 介護技能評価試験
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 計60分 問題数 全45問
学科試験:40問
・介護の基本(10問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20問)
実技試験:5問
・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題試験言語 日本語、英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ビルマ語、モンゴル語、ネパール語、クメール語、中国語、ウズベク語から選べる 合格点 60%以上 試験方式 CBT方式 出題形式 4肢択一 受験料 1,000円(税込み)
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)出題基準 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000503362.pdf 2-2 介護日本語評価試験
日本語試験とは異なり、介護で使用する日本語を問う問題が出題されます。
試験時間 30分 問題数 全15問
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)試験言語 質問のみ2つの言語で表記
日本語+英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ビルマ語、モンゴル語、ネパール語、クメール語、中国語、ウズベク語合格点 60%以上 試験方式 CBT方式 出題形式 4肢択一 受験料 1,000円(税込み)
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)3.学習用教材
以下は介護技能評価試験、介護日本語評価試験合格のための学習用テキストの情報です。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html
- 2022.05.25在留資格一覧表|いまさら聞けない「外国人が働ける在留資格」とは?
目次
1.外国人雇用が成功するかが企業の命運を分ける
世界はグローバル化を続けています。
かつて閉鎖された「島国」を謳歌していた日本も、世界のグローバリズムの波には逆らえず、今や在留外国人は288万人に達しています。
一方で、日本は少子高齢化が進行し、生産年齢人口(労働人口)は減少の一途をたどっており、もはや「外国人に頼らなければこの日本はやっていけない」ところまで来ています。しかし、未だ日本人のほとんどは外国人と共存することに慣れていません。
それは、言語の壁もあるでしょう。
単に、外国人に不慣れだということもあるでしょう。
しかし、明らかに差別的に外国人を見ている人たちがいることも否定できません。今後、日本が、そして日本企業が、特に中小企業が生き残って行くためには、外国人雇用にチャレンジできるかどうかがその命運を握っています。
「事業を永続的に伸ばしていきたい」
「グローバル展開をしていきたい」企業がそのように思うなら、外国人の採用は避けては通れません。
しかも、外国人雇用には大きなメリットがあります。外国人雇用への挑戦は、企業に飛躍のチャンスを与えてくれます。
ここでは、外国人雇用への基本知識としての、在留資格について徹底解説します。2.滞在目的別在留資格
在留資格は全部で以下の29種類があります。
在留資格を滞在目的で分類すると次のとおりです。①就労が滞在目的の在留資格
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習
②就労ができない在留資格
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
③身分により付与される在留資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
④法務大臣が個々の外国人に与える許可により滞在できる在留資格
特定活動
3.在留資格一覧表
滞在目的 在留資格
本邦において行うことができる活動 該当例
在留期間
就労が目的の在留資格 外交 日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 外交活動の期間 公用 日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(この表の外交の項に掲げる活動を除く。) 外国政府の大使 館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族 5年,3年,1 年,3月,30日又は15日 教授 本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究,研究の指導又は教育をする活動 大学教授等 5年,3年,1年又は3月 芸術 収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(この表の興行の項に掲げる活動を除く。) 作曲家,画家,著述家等 5年,3年,1年又は3月 宗教 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 5年,3年,1年又は3月 報道 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 外国の報道機関の記者,カメラマン 5年,3年,1年又は3月 高度専門職 1号
高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるものイ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動 ポイント制による高度人材 5年 ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 2号
1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動
イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動
ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行うこの表の教授,芸術,宗教,報道,法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,介護,興行,技能,特定技能2号の項に掲げる活動(2号イからハまでのいずれかに該当する活動を除く。)無期限 経営・管理 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・ 会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。) 企業等の経営者・管理者 5年,3年,1
年,6月,4月又は3月法律・会計業務 外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 弁護士,公認会計士等 5年,3年,1年又は3月 医療 医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 医師,歯科医師,看護師 5年,3年,1年又は3月 研究 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除く。) 政府関係機関や私企業等の研究者 5年,3年,1年又は3月 教育 本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動 中学校・高等学校等の語学教師等 5年,3年,1年又は3月 技術・人文知識・国際業務 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く。) 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 5年,3年,1年又は3月 企業内転勤 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動 海外の事業所からの転勤者 5年,3年,1年又は3月 介護 本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動 介護福祉士 5年,3年,1年又は3月 興行 演劇,演芸,演奏,スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除く。) 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 3年,1年,6
月,3月又は15日技能 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 外国料理の調理 師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 5年,3年,1年又は3月 特定技能 1号 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(入管法第2条の5第1項から第4項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人 1年,6月又は4月 2号 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人 3年,1年又は6月 技能実習 1号 イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 技能実習生 法務大臣が
個々に指定する期間(1年を超えない範囲)ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 2号 イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 法務大臣が
個々に指定する期間(2年を超えない範囲)ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 3号 イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 法務大臣が
個々に指定する期間(2年を超えない範囲)ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 就労ができない在留資格 文化活動 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動(この表の留学,研修の項に掲げる活動を除く。) 日本文化の研究者等 3年,1年,6月又は3月
短期滞在 本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポ―ツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動 観光客,会議参加者等 90日若しくは3 0日又は15日以内の日を単位
とする期間留学 本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動 大学,短期大学,高等専門学校,高等学校,中学校及び小学校等の学生・生徒 4年3月,4年, 3年3月,3年, 2年3月,2年, 1年3月,1年, 6月又は3月 研修 本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(この表の技能実習1号,留学の項に掲げる活動を除く。) 研修生 1年,6月又は3月 家族滞在 この表の教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,特定技能2号,文化活動,留学の在留資格を
もって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動在留外国人が扶養する配偶者・子 5年,4年3月, 4年,3年3月, 3年,2年3月, 2年,1年3月, 1年,6月又は3月 法務大臣が個々の外国人に与える許可により滞在できる在留資格 特定活動 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 外交官等の家事使用人,ワーキング・ホリデー,経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等 5年,3年,1
年,6月,3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)滞在目的 在留資格 本邦において有する身分又は地位 該当例 在留期間 身分により付与される在留資格 永住者 法務大臣が永住を認める者 法務大臣から永住の許可を受けた者
(入管特例法の「特別永住者」を除く。)無期限 日本人の配偶者等 日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 日本人の配偶者・子・特別養子 5年,3年,1年又は6月 永住者の配偶者等 永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 5年,3年,1年又は6月 定住者 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者 第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等 5年,3年,1 年,6月又は法
務大臣が個々に指定する期間
(5年を超えない範囲)4.いまさら聞けない、一般的に使われる「外国人が働ける在留資格」とは?
前述のように、就労が滞在目的の在留資格は、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習とたくさんあります。
また、身分により付与される在留資格も、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者があり、それぞれ就労ができます。
外国人を雇用する際は、必ず在留資格を在留カードで確認しましょう。しかし、一般企業が外国人を雇用する場合に使う一般的な在留資格は限られています。
まずは、在留者が多い在留資格順に見ていきましょう。- 永住者 800,872人(27.8%)
- 技能実習 402,422人(13.9%)
- 特別永住者 309,282人(10.7%)
- 技術・人文知識・国際業務 288,998人(10.0%)
- 留学 280,274人(9.7%)
- 定住者 203,847人(7.1%)
- 家族滞在 200,299人(6.9%)
- 日本人の配偶者等 143,759人(5.0%)
この中で、一般企業が外国人を雇用する場合に使う一般的な在留資格は、永住者、技能実習、特別永住者、技術・人文知識・国際業務(技人国)、留学、定住者、日本人の配偶者、そしてランキング外ですが特定技能です。
(注意:留学は資格外活動の許可を得ればアルバイトとして週28時間働けます)中でも注目されているのが、特定技能制度です。
特定技能は、人材不足が激しい14業種に認められた新しい在留資格で、日本の労働力不足を補う制度として、今後の拡大が期待されています。5.在留資格別構成比
在留資格別の構成比は以下のとおりです。
おすすめ記事閉じる就労ビザと在留資格の違い
外国へ入国する時に必要な証明書であるビザは、特に就労目的で入国する場合に「就労ビザ」と呼びます。一方で、技能実習生や特定技能1号は日本で働くための「在留資格」として必要な資格です。この2つの言葉の違いについて、分かりやすく解説しています。
- 2022.05.24特定技能「製造業(製造3分野)」|外国人を製造業で雇用するには?
1.特定技能制度とは
特定技能制度とは、2019年より始まった、労働人口が不足している職種において、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。
これまでは専門的に知識のある外国籍労働者の受け入れを積極的に行なっていましたが、国内の人口減少が進む中で、人手不足が悪化し、専門知識を必要としない製造分野においても技能試験に合格した外国人の受け入れが可能となりました。
特定技能制度によって、これから約34万人の外国人の受け入れが見込まれ、労働人口不足の緩和を目指しています。関連リンク2.製造業について
特定技能制度を利用した外国人技能者の雇用は、製造業では以下の3つの分野が認められています。
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
参考:経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて」
原材料・部品の調達・搬送作業、各職種の前後工程作業、クレーン・フォークリフト等の運転作業などの、付随業務をすることも可能です。
ただし、「機械加工」以外の業務区分で受け入れた人材に対して、「機械加工」を付随業務として行うことは禁止されています。2-1 製造3分野とは
製造業は製造3分野とも呼ばれています。
上記で説明した素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業をまとめた呼び方が製造3分野です。また2022年4月の閣議で製造3分野に関して変更点がありました。
特定技能1号は14分野でしたが、2022年4月の閣議により12分野へ変更することが決まりました。
日本は人手不足で特定技能分野に参入してほしいという業種が多い中、なぜ12分野へと受け入れ業種が減ったのかと考える方もいると思いますが、分野は減っていても実際の受け入れられる業種は変わりありません。変更点としては、「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)」として統合されたというわけです。
なぜ製造3分野に統合されたかというと、「産業機械製造業」での受け入れ人数が上限を超え4月から新規入国が止まってしまったためです。
新型コロナウイルス禍で半導体製造装置や産業用ロボットの需要が高まり、産業機械製造業の受け入れ人数は上限を超過してしまいました。素材や電気機器を対象とする業種には受け入れ人数に余裕があるため、製造3分野として受け入れ人数に余裕を持たせたというわけです。
実際に受け入れられる業種や職種には変わりがないので安心してください。3.在留資格「特定技能1号」とは
「特定技能制度」を利用し取得できる在留資格には、「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。
製造業の3つの分野での外国人雇用においては、「特定技能1号」の在留資格が必要となります。
「特定技能1号」での在留は、5年間有効です。4.「特定技能1号」の在留資格を取得するためには
外国人が「特定技能1号」の在留資格を取るためには、以下の2つの方法があります。
4-1特定技能評価試験に合格
「特定技能評価試験」に合格することで、「特定技能1号」の在留資格を取ることができます。
「特定技能評価試験」には両方の合格が必要となります。- 日本語試験
- 技能試験
日本語試験の合格基準は、「日本語能力試験」でN4以上であること、または、「国際交流基金日本語基礎テスト」でA2以上であることです。
どちらか片方の合格で問題ありませんが、両方を受験することも可能です。技能試験については、作業区分の「技能測定試験」に合格する必要があります。
<製造3分野(素形材産業 産業機械製造業 電気電子情報産業)の技能試験>
製造分野の技術試験は、日本のみで実施されています。(2020年1月にインドネシアで実施されましたが、その後は日本のみ。)
厳しい合格基準のため、これまでの合格率は15%を下回っています。
特定技能外国人の受け入れ人口の増員に伴って、これからさらに試験会場国の多様化と試験実施回数の増加が期待されます。また、特定技能試験の受験は、短期滞在のビザでも受験可能なため、観光ビザで来日した際でも特定技能在留資格を取得できます。
新型コロナウイルスの影響で入国の制限がありますが、コロナが収束した際にはこの選択肢も有効になるでしょう。4-2「技能実習」から「特定技能1号」への移行
国際貢献を目的とした「技能実習」を3年間修了した外国人は、同じ職種であれば「特定技能1号」へ在留資格を移行することができます。
5.「特定技能1号」外国人の採用ルート
「特定技能1号」の外国人を採用するルートとしては、以下の方法があります。
5-1留学生からの採用
留学生の在留資格から「特定技能1号」の在留資格に切り替えた外国人を雇用することが可能です。
留学生は国際貢献のための文化的な分野での雇用を望んでいる傾向がありますが、「特定技能1号」では日本に「5年」という在留期間の制限があるため、留学生は「特定技能1号」よりも永住権が取得できる「技術・人文知識・国際業務」での就労を望む人が多いため、「特定技能1号」の在留資格を取得する留学生は現状ではまだ少ない状況です。また、留学生を擁する大学、専門学校、日本語学校が、留学生に対して未だに「技術・人文知識・国際業務」での就労のみを勧めていることも多く、これら教育機関の経営層や就職部、さらに教師が在留資格「特定技能1号」に関する知識と理解が不足しているのも、留学生の「特定技能1号」在留資格取得が低迷している原因となっています。
しかし現在は新型コロナウイルスの影響で国内の就職難が問題としてあるため、留学生の「特定技能1号」在留資格を取得も増える可能性があります。
留学生の受け入れをしている学校と連絡をとり求人票を送付したり、学校や留学生と直接契約している人材サービス会社に依頼したりすることで採用につながります。5-2技能実習からの採用
前項でも記載したように、「技能実習」を3年間修了した外国人は、同職種であれば「特定技能1号」へ在留資格の移行ができます。
現在、製造業で雇用されている特定技能外国人はこのパターンがほとんどです。
2020年6月末に、1366人の外国人が製造業の「特定技能1号」を取得していますが、その全員が「技能実習2号」を修了した実習生です。
技能実習生時に働いていた企業の中で在留資格を移行することが多いですが、帰国した技能実習生を雇用することも可能です。
以前日本で技能実習2号を修了し帰国した外国人を採用する場合は、監理団体やその国ごとの送り出し機関と連絡をとり「特定技能1号」への移行の提案ができます。また、国内の人材サービス会社を通じて、製造業で雇用されていた技能実習2号修了者を探す方法があります。5-3海外からの採用
最後に、海外にいる「特定技能評価試験」に合格した外国人の採用です。
これから海外での技能試験の開催が増えれば、採用もコンスタントに行えることが期待できます。
採用方法としては、海外との結びつきが強い人材サービス会社を利用することで採用がスムーズ進みます。6.雇用する企業が押さえておくこと
6-1協議会への加盟
特定技能外国人を受け入れる企業は、産業分野ごとに設置された「協議・連絡会」への加盟が必須となります。
<製造3分野(素形材産業 産業機械製造業 電気電子情報産業)の協議・連絡会>
経済産業省が、特定技能外国人制度を適切に運用していくために必要となるもので、
製造業の3分野では、「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」が設置されています。6-2雇用形態と報酬
特定技能の外国人を製造業で雇用する際は、派遣会社を通さずに、直接外国人を雇用することが原則とされています。
フルタイム勤務が義務付けられており、報酬は日本人と同等か、それ以上であることが定められています。6-3早期転職のリスク
製造業の分野に関わらず、特定技能外国人は常にいい条件の企業を探しているため、早期転職のリスクがあります。
そのため、企業の重要な情報や技術に関して、その他の情報の開示に関しては気をつけおく必要があります。
早期転職のリスクに関しては、特定技能外国人の雇用支援をしている人材サービス会社に相談することをおすすめします。
人材サービス会社は長年外国人と接してきたノウハウがあるため、適切に対応してくれることが期待できます。
また、各言語でのわかりやすいマニュアル制作など、雇用してすぐに働きやすい環境を整えることも早期退職のリスク回避に役立ちます。7.さいごに
これまでは、永住者・定住者・日本人の配偶者などしか単純労働に従事することはできませんでしたが、「特定技能1号」での雇用制度により、製造業においても単純労働を含むさまざまな付随業務に従事する外国人の雇用が可能になりました。
製造業においては、現状では技能実習生が技術を活かして特定技能外国人として就職することがほとんどですが、留学生や海外からの受け入れが増えていくことが考えられます。リスクをうまく回避しながら制度を利用することで、深刻な人手不足も解消に向かうでしょう。- 2022.05.24特定技能「ビルクリーニング」|外国人を雇用するには?
特定技能とは、特定産業14分野で働く外国人に雇用が認められる在留資格です。特定技能では人手不足の企業で即戦力となる人材を受け入れています。
「ビルクリーニング」の分野では特定技能1号での雇用と在留資格5年間での就労が可能となります。
「ビルクリーニング」業界では、他の業界と同様に人手不足の深刻化が進む中、外国人労働者に焦点を合わせて、業界への受け入れ体制が始まっています。
目次
「ビルクリーニング」業界の人手不足
「ビルクリーニング」業界も人手不足の問題を抱えている産業です。
日本政府の方針では、特定技能「ビルクリーニング」分野での受け入れ人数は37,000人を見込み、特定技能外国人の募集を積極的に始めています。ビルクリーニング業界では、今、若い労働力の確保に苦戦し、65才以上の高齢の労働者に頼らざるを得ない状況であり、労働者の高齢化が進んでいます。ビルクリーニング業界では女性や高齢者の雇用を積極的に進めていますが、他の業界でも同様になかなか人材確保までに及んでいない状況です。
近年、ビルクリーニング業界では、産業ロボットや清掃機械などの導入などを進めていますが、同業界での人手不足はまだ解消されていません。2017年には建物清掃員の有効求人倍率は、2.95倍に達し、ビルクリーニング業界での人材確保が追い付かない状況では、清掃の行き届かない建物の衛生面の問題も生じています。
ビルクリーニング業界では、技能実習生の受け入れも行っていますが、現状は人手不足の問題は残ったままです。今回、在留資格特定技能外国人の受け入れが始まったことで、特定技能で認められる在留期間5年の間に人手不足が改善されることが期待されています。
「ビルクリーニング」分野での雇用条件
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を雇用したい場合には、一定の雇用条件にそって行う必要があります。
-
受け入れ機関は、特定技能外国人を受け入れ日から4か月以内に、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。
厚生労働省のホームページから申請手続きが可能です。
ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入申請について - ビルクリーニング分野特定技能協議会の行う調査と指導に対しての協力する必要があります。
- 建築物清掃業、または 建築物環境衛生総合管理業の登録がされていることが必要です。
- 厚生労働省の行う調査と指導に対しての協力することが求められます。
「ビルクリーニング」技術水準と日本語能力水準について
厚生労働省が定義する「ビルクリーニング」を運用要領については以下の通りとなっています。
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を雇用する場合には、以下の基準をもとに受検合格者を採用することとなります。
- 技術水準について:多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、 方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベル
- 日本語能力水準:ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有する
「ビルクリーニング」分野の特定技能外国人のために
特定技能「ビルクリーニング」では、外国人対象にベトナム語、ミャンマー語、タガログ語(フィリピン)クメール語(カンボジア)で、特定技能制度の説明と「ビルクリーニング」の業務内容が紹介されています。
この内容は、受入機関向け、外国人向け、送り出し機関向けに紹介されています。
厚生労働省:各国翻訳のリーフレット特定技能1号での「ビルクリーニング」業務について
清掃管理業務のうち、建築物内部清掃業務(床、天井、内壁、トイレ、洗面所など)と客室以外のベッドメイク作業が対象となります。
YouTube動画でビルクリーニング業の紹介をしています。特定技能「ビルクリーニング」に必要な試験について
特定技能外国人を「ビルクリーニング」で雇用するためには、試験と日本語能力試験が必須条件となります。
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
試験は全国ビルメンテナンス協会主催の「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」で判定します。
試験内容
- 判断試験
- 写真やイラストなどで判断する試験17問で40点
- 実技試験
- 12分の試験時間に3つの課題を解く問題で60点
床面の定期清掃作業について/ガラス面の定期洗浄作業について/洋式大便器の日常清掃作業について/
合格水準
判断試験が40点。作業試験が60点。それぞれ60%以上が合格の基準です。
教材
ビルクリーニング外国人材受入支援センターが発行のテキストとDVDが活用できます。
ビルクリーニング外国人材受入支援センター:特定技能評価試験対策教材手数料
2.200円(消費税 10%込)銀行振り込み。
試験の合格者に対しては合格証明書が発行されます。
合格した場合、合格証明書発行手数料14,300円となります。受験資格
17才以上。在留資格取得者。短期滞在者でも可能です。
申し込みの方法
「ビルクリーニング」分野で技能実習2号修了者は、「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」の受験は免除されます。
技能実習生で「ビルクリーニング」分野での経験者は、技術的にも、また在留日数から日本語能力のレベルが高いことが想定できます。
雇用の際には、特定技能外国人と技能実習生からの移行からも雇用できるので、検討されると良いでしょう。
日本語能力試験
日本語能力試験は、独立行政法人国際交流基金(JFT-Basic)の「日本語能力判定テスト」
または、独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会(JPLT)の「日本語能力試験」N4以上において判定します。JPLTは、国内・国外で受験可能。JFT-Basicは海外のみの試験実施となっています。
「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」実施予定
2021年11月に実施された受検結果では、受験者数 332名/合格者数 279名/合格率 84.0%となっています。
最新の情報は、以下の公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HPより確認できます。
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HP:試験実施予定「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」海外でも可能
2019年にミャンマーで、2020年にフィリピンで「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」が実施されています。
さいごに
在留資格、特定技能の「ビルクリーニング」分野での雇用について説明いたしました。
各業界に共通する人手不足には、特定技能外国人が即戦力として活躍できることで解消されることが期待されています。
日本人従業員に代わって外国人を雇用する際には、制度上の規定にそって行うことと、外国人が長く働ける労働環境と体制づくりが必要となるでしょう。
- 2022.05.24特定技能「漁業」|外国人を漁業で雇用するためには?
目次
特定技能とは
特定技能とは日本の企業の人手不足を解消するための在留資格の一つです。各省庁が選出した人手不足である業界ごとに一定の基準がありますが、在留資格特定技能の創設により、特定技能外国人の受け入れがはじまりました。
特定技能1号、2号とは
特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」が存在します。
1号の在留期間は計5年になっています。同じ分野での在留資格では5年を超えての日本在留は不可能になっています。
2号では要件を満たしていれば更新することが可能です。さらに更新の回数も制限がありません。特定技能2号の就労者であれば日本で特定の産業の担い手になる可能性もあります。
しかし現在漁業は1号の対象ではありますが、2号には該当しません。したがって漁業で外国人の受け入れを行う場合は通算5年間の期間限定になります。
計5年というのは、繁忙期限定での受け入れをすることで長期間の受け入れをすることも可能です。例えば、半年受け入れを行い、半年帰国してもらうという形式をとると計5年の受け入れの場合、10年間業務に就いてもらうことが可能です。仕組みを理解して特定技能の制度を活用していきましょう。漁業 特定技能人材の基準
漁業分野で特定技能1号として受け入れするには二つの基準を満たした外国人を雇用する必要があります。
一つ目は漁業技能測定試験に合格する必要があります。この試験には「漁業」と「養殖」の2種類があり、この試験ではそれぞれに関する知識や技能を有しているかを確認します。受け入れを検討する人材が職場の業務に適した試験に合格しているかよく確認しておきましょう。
二つ目は日本語の試験である「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験でN4以上」に合格する必要があります。日常会話や生活に支障をきたさないかを判断します。
この二つの基準を満たした人材(二つの試験に合格した人材)が特定技能「漁業」を取得することが可能です。
さらに特定技能1号の受け入れにおいてもう一つ方法があり、漁業分野の技能実習2号を特に問題なく修了した者であれば上記の二つの試験をパスすることができます。現在はこの技能実習2号から移行する方法が主流です。
現時点では前述の二つの基準を満たしている人材(二つの試験に合格した人材)が少なく、技能実習で知識と経験を有し、日本の風土にも慣れている実習生がそのまま特定技能を取得するという流れが一般的です。
ここで一つ注意が必要なります。技能実習で「漁業」の分野を修了した者は特定技能でも「漁業」しか従事することはできず、「養殖」は従事することはできません。逆の場合も同じです。「養殖」の修了者は「養殖」しか従事することができません。
しかし同じ漁業分野であればほかの作業を行えます。
例えば、定置網漁業で技能実習を修了した者であっても、特定技能1号でひき網漁業の作業に従事することが可能になります。
以上のことに注意して人材の受け入れを検討しましょう。従事可能業務
受け入れ後にどんな業務も任せてよいというわけではありません。携わってもらう業務にも決まりがあります。
水産庁ホームページ内の「特定技能外国人の受け入れ制度について」の9ページに分野ごとの担当可能業務が記載されています。
従事可能業務の中にも注意が必要な点がいくつかあります。
記載にある「主として従事させる業務」であっても外国人を船長に配置するなど業務の中で外国人がメインとして業務を行うことは禁止されています。あくまで特定技能人材は事業者側の責任者からの指示に従い働くことになります。
他にも関連業務を従事させることができますが、関連業務ばかり従事させることも禁止されています。基本的に「主として従事させる業務」に記載のある業務に従事してもらい、付随する形で関連業務を担当してもらうようにしましょう。違反してしまうと在留資格の取り消しになる場合や、事業者側にも罰則が科される可能性がありますので注意して業務の指示をする必要があります。受け入れまでの流れ
受け入れのために満たすべき条件
受け入れを行う際に誰でも受け入れが可能なわけではありません。人材側にも基準が存在するように雇用側にも満たたすべき基準が存在します。基準を満たしていない事業者は雇用の意思があっても受け入れはできません。
こちらも「特定技能外国人の受け入れ制度について」の5ページに事業者側に設けられた基準が記載されています。受け入れの検討をする場合にはまず自身が基準に適しているか確認してからにしましょう。人材の探し方
基準に適していることを確認したら次に職場に適した人材を探してきます。
人材を探す場合は漁業協同組合や公共職業安定所、民間の職業紹介所に相談することでスムーズに受け入れを検討することができます。他には海外にネットワークがある民間団体や現地コーディネーターを利用するとよいでしょう。
紹介された人材が自身の事業の業務に適しているか確認しましょう。自身の事業が漁業にもかかわらず、養殖の特定技能を取得している人材を雇用してしまうなどのミスマッチが起こらないようにしましょう。雇用契約を結ぶ
次に雇用契約を結んでいきます。
漁業の分野では事業者と直接雇用契約が可能なだけでなく、派遣としての雇用が可能になっています。
これには漁業には繁忙期、閑散期が存在しているため派遣契約で柔軟な対応を可能にするという背景があります。
特定技能は日本の人員不足解消のための制度です。外国人を低賃金で労働させるものではありません。契約する際には所定労働時間や賃金が、同じ技術を有している日本人と差がないように心がけましょう。支援計画の作成
雇用契約が結ぶことができたら次は雇用側が特定技能外国人材に向けた支援計画を前もって作成し、計画に沿って支援を行わなければなりません。支援の内容にも規定があります。
「特定技能外国人の受け入れ制度について」の12ページに記載のある10項目を含めた支援計画が必要になります。
支援計画は異国の地で働く人材に必要な支援です。その中には日本での日常生活にかかわるものから、帰国時の送迎など幅広い内容になっています。
支援は事業者側が行う場合と、登録支援機関に依頼する場合の2パターンあります。
登録支援機関を利用すれば、事業者が作成した支援計画のすべてを行ってもらえます。漁業協同組合などが登録支援機関になる場合には、相談窓口を設置してもらえたり、生活ガイダンスを開催してもらえたり援助を受けることができます。
自ら支援計画を行うか機関に委託するかは事業者の自由になりますが、支援の項目も多岐にわたるので受け入れ側の負担を減らす意味でも機関を使用する方が良いのではないでしょうか。漁業特定技能協議会への加入
漁業特定技能協議会とは水産庁が漁業分野での特定技能制度を適正な運用を図るため組織された機関です。
受け入れを行った事業者は受け入れた日から4ヶ月以内に協議会に加入が義務付けられています。他にも事業者は「協議会に置いて協議が調った措置を講じる」「協議会及びその構成員に対し、必要な協力を行うこと」などの要件が科せられます。さいごに
漁業に携わる人数は毎年のように減っています。東京や大阪などの大都市に就労していく若者が増え地方の担い手が減少しており、働き手の需要を日本人だけでまかなうことが難しくなっています。
閉じる
そこで特定技能を利用し、外国人を採用することで生産力向上を期待ができます。現在、漁業は特定技能1号しか認められておらず、期間の制限がありますがいずれ特定技能2号が認められた際には更新が可能になり永住することもできます。ゆくゆくは一時的な労働力としてだけでなく長期的に担い手として受け入れを行うことになるかもしれません。 十分に制度を理解した上で検討してみてください。- 2022.05.24特定技能「電気・電子情報関連産業」|外国人を雇用するためには?
今回は特定技能「電気・電子情報関連産業」について解説をしていきたいと思います。
他の業種の場合も同様ですが、
「実際にどうすれば電気・電子情報関連産業分野で特定技能人材を雇用できるのだろうか?」
「雇用した後、どのように特定技能外国人を活用していけばいいのか?」
こう言った疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
こうした疑問にお答えすべく、この記事では実際に電気・電子情報関連産業において特定技能外国人を受け入れるために、知っておくべき知識や実務上の注意点を紹介していきます。
特定技能外国人の雇用を検討されている方は、ぜひこの記事を読んでいただければと思います。目次
特定技能1号の誕生背景とは?
電気・電子情報関連産業分野が特定技能制度の対象になった一番のきっかけは、人材不足が叫ばれていたためです。
採用自体は年々難しくなっており、電気・電子情報関連産業の有効求人倍率は2017年度において2.75倍という数値で、全産業平均は1.50倍になっているのを見ると、採用難度が高くなっていることがわかるかと思います。
電子部品に対する需要は増え続けています。年2%の増加率となっており、このペースで需要が拡大し続けていくと人材不足はかなり深刻なものとなってくるでしょう。
こうした事態を受けて、政府は特定技能1号の対象として電気・電子情報関連産業を指定しました。特定技能1号外国人が従事できる業務
特定技能1号に認定された外国人は、以下記載の業務を行うことができます。
・機械加工
・金属プレス加工
・工場板金
・めっき
・仕上げ
・機械保全
・電子機器組立
・電気機器組立
・プリント配線版製造
・プラスチック成形
・塗装
・溶接
・工業包装ちなみに同様の業務を行う日本人が普段従事している関連した業務に、特定技能1号外国人が付随して従事することも可能となっています。
関連業務として考えられるのは、クレーン・フォークリフト等の運転作業、原材料・部品の調達・搬送作業、清掃・保守管理作業、各職種の前後工程作業となります。特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格取得方法
では、実際にどうすればこの特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得することができるのでしょうか?
・技能試験及び日本語能力試験への合格
条件として、現場で作業を行うに支障のない技能及び日本語力あると認定された場合にこの「電気・電子情報関連産業」が認可されます。
具体的には以下2つのいずれかをクリアする必要があります。
・電気・電子情報関連産業分野で指定されている職種において、技能実習2号を修了していること以下詳細を解説していきます。
技能試験及び日本語能力試験への合格
特定技能「電気・電子情報関連産業分野」を取得するためには、必要とされている技能レベル及び日本語レベルをクリアしていることを証明する必要があります。
そのためには、以下の2つの試験を受験し、合格する必要があります。①製造分野特定1号評価試験
こちらの試験でみられるのは、必要とされている技能レベルをクリアしているかどうかになります。
具体的には、以下記載のように定められています。
「監督者の指示を理解し的確に業務を遂行または自らの判断により業務を遂行できるものであること」
「一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものであること」出典:経済産業省「製造業における特定技能外国人の受け入れについて」
試験の実施内容ですが、行う業務ごとに分かれており、実技試験と学科試験の2つを受験する必要があります。
なお、実施場所は日本国内およびインドネシアとなっています。
詳細が示されているホームページがありますので、こちらから参照お願いします。②国際交流基金日本語テスト、もしくは、日本語能力試験(N4以上)
こちらの試験で見られているのは、必要とされている日本語のレベルをクリアしているかどうかと言う点です。
具体的な基準としては、日本語能力試験のN4以上の定義として「ある程度日常会話をすることができ、日常生活を問題なく過ごすことのできる日本語能力」とされています。
この「日本語能力試験」は試験方式としては、マークシートが採用されています。1年に2回実施されており、実施場所は日本各地と海外の指定機関です。
「国際交流基金日本語基礎テスト」に関しては、日本語能力試験と同じ目的で実施されますが、実施場所によってスケジュールに違いがあります。
スケジュールに関して詳細を記載したホームページがあるので、詳しくはこちらからご確認ください。技能実習2号の修了
電気・電子情報関連産業分野で指定されている職種において、技能実習2号を修了していると、これまで説明してきた試験を受験せずに特定技能第1号に移行が可能となります。
理由としては、技能実習2号を修了していることは日常生活に支障ない程度の日本語力があり、技能水準も問題ないと判断されるので、求められている技能・日本語のレベルに達しているとみなされます。特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得している外国人を採用するには?
特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得している外国人を採用したい企業は、以下の3つを満たし、なおかつ、該当する外国人を直接雇用しなければなりません。派遣社員での雇用は不可となっていますので、注意が必要です。
①雇用企業が「日本標準産業分類」で、対象となる産業を行なっているか
雇用企業は以下に記載の産業に関して、いずれかひとつを行っていることが必須となります。
・中分類28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
・中分類29 電気機械器具製造業
・中分類30 情報通信機械器具製造業「産業を行なっている」状態の定義ですが、特定技能外国人が従事する職場で、製造品出荷額が直近の1年間で生み出されていることと定義されます。
②「製造業特定技能外国人材受け入れ協議会・連絡会」への入会
今まで特定技能外国人を受け入れたことがない企業は、雇用する前に「製造業特定技能外国人受け入れ協議会・連絡会」への入会が行われている必要があります。
③特定技能外国人に十分な支援がなされているか
特定技能外国人を雇用する場合には、法律で規定されている支援が実施できる体制を整えていることが条件となります。
ただし、登録支援機関に支援を委託している場合には、支援する体制が十分に整っているとみなされます。特定技能「電気・電子情報関連産業」外国人労働者の雇用形態や給与体系について
雇用形態
特定技能「電気・電子情報関連産業」をもつ外国人を雇用する場合には、直接雇用のみが許されています。派遣社員やアルバイトでの雇用は認められていませんので、雇用の際は注意が必要です。
給与体系
給与体系に関しては、同様の作業に従事している日本人と同等の水準、または同等以上の報酬を支払うことが規定されています。
さらに、当該外国人の技能レベルに合わせて、昇給するということもきちんと雇用条件に明記することが求められます。さいごに
今回は特定技能「電気・電子情報関連産業」について、取得要件や実際に雇用する場合について解説をしてきました。
閉じる
電気・電子情報業界は冒頭に述べたように、人材不足が叫ばれている業界です。こうした外国人労働者を電気・電子情報関連産業にて雇用できれば、人材不足の問題を解決できる可能性があります。
特定技能外国人の雇用を考えられる場合には、手続きも複雑になるため、ぜひ登録支援機関や人材紹介会社などの専門家に相談することをおすすめします。- 2022.05.24特定技能「造船・舶用工業」|外国人を採用するには?
目次
1.造船・舶用工業界の人手不足
日本では多くの業種で人手不足が深刻化していますが、その中でも造船・舶用工業分野は人手不足がかなり深刻な状況にあります。
国内の造船・舶用工業の生産拠点のほとんどが、瀬戸内海や九州などの地方圏に存在しています。 しかし、地方人口の減少に伴って、造船・舶用工業分野の雇用人口も減少し、現状で6,400人程度の人手不足が生じていると言われています。 地方人口の減少の原因は、若者の都市部への労働力の流出や、少子高齢化の問題です。
有効求人倍率を見ても、他の業界と比べ、圧倒的に人手不足であるということがわかります。 2017年度の「造船・舶用工業」分野における有効求人倍率は、溶接が2.50倍、塗装が4.30倍、鉄工が4.21倍、仕上げが4.41倍、機械加工が3.45倍、電気機器組立てが2.89倍となっています。 現状のままであれば、2023年には22,000人以上の人手不足となると予想されています。
現在、造船・舶用工業の担い手を拡大するために、従来以上に、採用の幅を拡大するための国策として様々な取り組みがされています。 国内では特に、女性の受け入れやシニア戦力の活用も視野に入れた人材確保を、産学官や地域が連携して取り組んでいます。
また、外国人の新しい採用制度として、2019年4月に外国人技術者の在留資格「特定技能」を施行し、外国人技術者の受け入れ拡大を図っています。 この「特定技能」で即戦力となる外国人技術者の雇用が進めば、急速に人手不足の緩和が期待できます。
以下では、特定技能外国人を、造船・舶用工業分野で雇用することについて述べます。
2.特定技能「造船・舶用工業」とは?
「特定技能」とは、人手不足が深刻な業種に対して、一定の専門性と技術を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
2019年4月に在留資格「特定技能」が創設され、造船・舶用工業の「特定技能1号」「特定技能2号」の在留資格を持つ外国人の雇用が可能となりました。
「特定技能1号」の在留資格は5年間有効となっており、「特定技能2号」は在留資格の更新が何度でも可能で、家族を呼び寄せることもできます。
造船・舶用業分野は、2019年4月からの5年間で最大13,000人の「特定技能1号」外国人を受け入れる計画となっています。2015年から、造船・舶用工業分野では、中国、フィリピン、ベトナムからの技能実習生の採用が始まっています。
それに対して、特定技能はほぼ全ての国から外国人の受け入れが可能であることから、技能実習の外国人より採用の幅が広い ことが特徴です。
今後も海外での特定技能試験の実施が増加していけば、さらに技術者が増え、即戦力としての外国人雇用がスムーズにできることが期待できます。3.「造船・舶用工業」の特定技能試験
特定技能には、「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類の在留資格があります。
現在12分野14業種ある特定技能の中で、「特定技能2号」の受け入れが認められているのは、「建設」と「造船・舶用工業」の2分野のみとなっています。3-1「特定技能1号」の試験について
外国人技術者が特定技能1号として建設業で働く場合、特定技能試験に合格する必要があります。
特定技能試験には、日本語試験と、職種ごとの技能試験があります。
日本国際教育支援協会の日本語能力試験「N4」レベル、または、国際交流基金の運営する日本語基礎テストに合格し、 一般財団法人日本海事協会の運営する「造船・舶用工業技能測定試験」に合格することで、特定技能1号の在留資格が得られます。
また、実務経験を積んだ特定技能2号の場合は、上記に追加して、「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接)」の合格資格が必要になります。「造船・舶用工業技能測定試験」は海外でも行われ、現時点では、フィリピン、インドネシアにおいて受験が可能となっています。
造船・舶用工業分野の特定技能1号技能評価試験結果は、2019年11月にフィリピン (バコール)で行われた溶接の技能試験の合格率は50%、 2020年5月〜12月の間に東京で行われた技能試験の合格率は100%となっています。
「造船・舶用工業分野特定技能協議会」また、技能実習2号以上の3年修了者は、無試験で特定技能1号に在留資格を移行できます。
3-2「特定技能2号」の試験について
特定技能2号は、1号からの昇格が前提となっているため、日本語試験を受ける必要はありません。
そのため、試験は技能試験のみとなります。4.特定技能「造船・舶用工業」の対象職種
2019年に、特定技能1号で従事できる業務は以下の6種と制定されました。
- 溶接(手溶接、半自動溶接)
- 塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)
- 鉄工(構造物鉄工作業)
- 仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業)
- 機械加工(普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業)
- 電気機器組立て(回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業)
技術と関係のない準備や点検などの付属業務においても、特定技能外国人でも行うことができます。 特定技能2号で従事できる業務は、「溶接」のみになります。作業員の指揮、命令、管理する「監督者」としての業務が可能となります。
5.雇用について
5-1 雇用形態
造船・舶用工業分野では、雇用は直接雇用のみと定められています。
派遣での雇用はできません。5-2 給与
特定技能では、給与は日本人と同等か、それ以上にするよう定められています。
また、安定的に報酬の支払いをする必要があるため、基本的には月給制で、日給や日払いでの雇用は認められていません。
給与においては、3年以上の経験を積んだ人材と同等とすることが無難です。
特定技能外国人の技能によって昇級を行うということも記載しておく必要があります。5-3 人員の上限
介護分野や建設分野と違い、造船・舶用工業分野の企業が特定技能外国人を雇用するときの人員の上限はありません。
そのため、特定技能外国人の人数が、常勤職員の人数を上回っても問題ありません。5-4 転職について
「技能実習」では認められていない、同業種間での転職は、特定技能では認められています。
他業種への転職、アルバイトは不可能です。6.受け入れ企業(特定技能所属機関)に求められる条件
特定技能外国人材を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内の間に、 国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協議会」の構成員になる必要があります。
特定技能外国人の適正な受入れと、外国人の保護に有用な情報を共有し、企業と協議会の連帯を図るためのものです。
そのため、受け入れ企業は、「造船・舶用工業分野特定技能協議会」に対して必要な協力を行わなければなりません。
また、受け入れ企業は、国土交通省、またはその委託を受けた者が行う調査・指導に対し、必要な協力を行う必要もあります。外部の登録支援機関に特定技能外国人の支援計画の実施を委託する際は、上記の条件を全て満たす登録支援機関に委託する必要があります。
「造船・舶用工業分野特定技能協議会」7.おわりに
造船・舶用業分野では、今後もさらに、人手不足が深刻化することが予想されます。
技能実習生として主に中国、フィリピン、ベトナムからの外国人を受け入れていましたが、そのほとんどが溶接での雇用だったため、この特定技能では作業内容の汎用性が高くなり、より雇用の幅が広がるというメリットがあります。島国である日本にとって、「造船・舶用業」は海上輸送のための船舶をつくるための非常に重要な産業です。
また、船という特殊な労働環境であるがゆえに、作業が機械化されにくく、人間の労働力が必要な割合が多い分野でもあります。
コロナ収束後、特定技能試験の実施回数が増え、即戦力となる外国人技術者の雇用が進めば、この深刻な人手不足の状況が改善していくことが期待できます。- 2022.05.24技能実習「介護」|外国人を介護で雇用するためには
目次
「介護士の不足を解決するために、技能実習生を採用したい」など、介護業界で人手を補う為に外国人技能実習生の雇用方法について知りたいというかたも多いのではないでしょうか。
実際、現在介護人材不足対策として政府が特に力を入れて行っているのは「外国人人材の活用」であり、現場でも介護士として活躍されている外国人の方をよく目にするようになってきました。
この記事では、介護業界における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。介護業界の人手不足は深刻化している
現在介護業界では深刻な人手不足に直面しています。
2021年7月に厚生労働省が公表した介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人を追加で確保する必要があるとされました。
介護業界の採用率は他産業と比較しても高く、年々介護職員の数は増加しています。しかし、介護業界の約65%が「人手が不足している」と感じており、人手不足によるサービスの低下や労働環境の悪化による離職率の上昇、経営状態の悪化など深刻な問題が起こっているのです。
なぜ介護業界で人手不足が起こるのか
介護業界はなぜ人手不足に陥っているのでしょうか?ここからは人手不足の理由について説明していきます。
少子高齢化
まず日本の社会背景として挙げられるのが「少子高齢化」です。令和2年版「高齢社会白書(内閣府)」によると、現在日本の全人口のうち約28.4%を65歳以上の高齢者が占めており、年々高齢者の増加がみられています。
その反面、出生率の低下による少子化の進行も起こっており、その結果、介護を必要とする人口の増加に対し介護者が減少しているため需要と供給のバランスがとれなくなっているというのが現状です。(資料:高齢化の推移と将来推計 内閣府令和2年版高齢社会白書より)
採用困難
介護業界での人手不足の原因としてまず挙げられるのが「採用困難」です。
令和元年度介護労働実態調査によると90.0%の事業所が人材不足の理由として「採用が困難であること」を挙げています。
同調査から採用難の主な理由として、同業他社との人材獲得競争が激しい56.9%、他産業に比べて労働条件が良くない55.9%、景気がいいため、介護業界へ人材が集まらない44.5%ということがわかりました。給与の低さ
介護職というのは専門的な知識・技術などが要求される上で責任も大きく、肉体的にも精神的にも過酷であるのにも関わらず平均月給が20万を下回ります。
厚生労働省の「平成29年 賃金構造基本統計調査」によると、2017年度全産業平均月給30万4300円となっており、平均からみても介護職は非常に低い給与水準ということがわかります。離職率が高い
現場のスタッフの多くが悩んでいるのが人間関係です。
また女性のスタッフの割合が高いことによる結婚や出産といった介護職員のライフステージの変化、不規則な勤務形態、肉体的精神的にきつい、一人ひとりの介護職員にかかる負担が大きいなどが主な理由として挙がっています。介護業界で外国人技能実習生を雇用する方法
2017年11月、日本の国際貢献を目的とした技術移転のために介護職種での技能実習生の受け入れがスタートしました。
一方で2019年4月には人材確保が特に困難である特定分野について、従来よりもかなり緩やかな条件のもとに外国の人材を受け入れることができる「特定技能」という制度もスタートしました。
これにより、指定された3つの試験に合格した外国人が特定技能「介護」の在留資格を得て就労できるようになったとともに、技能実習「介護」を3年修了した外国人が、さらに最長で5年間介護職として就労できるようになりました。
人材不足が深刻化する中、外国人技能実習生を受け入れる施設も年々増加しています。しかし、介護職種の技能実習生を受け入れる場合、技能実習制度本体の要件に加え介護職種固有の要件を満たす必要があります。
技能実習生に関する要件
日本語能力要件
指導者や利用者とのコミュニケーションを図るため一定水準以上の日本語能力が必要です。そのため技能実習生は日本入国する際に日本語能力試験N4レベルに合格する必要があり、技能実習計画認定申請を行う際には成績証明書を提出しなければなりません。
職歴要件
「日本において従事しようとする業務と同種の業務に外国において従事した経験があること」もしくは「団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること」と介護経験などがあることが条件として挙げられています。
実習実施者に関する要件
技能実習指導員
技能実習制度本体の要件には、技能実習指導員の配置人数について技能実習生に応じた基準はありません。しかし介護職種の場合、看護師あるいは職務歴5年以上の介護福祉士を技能実習生5名につき1名以上配置することが必要です。
介護事業所の体制
技能実習「介護」を実施する事務所は、介護を提供する場であり、開設から3年以上経過していること、訪問系サービスは対象外です。技能実習生が夜勤業務や緊急対応を行う場合は利用者の安全を確保するため必要な措置を講ずること、又、技能実習生が業務を行う際は、技能実習生以外の介護職員を指導に必要な人数配置するなどといった受け入れ体制を整えなければなりません。
受け入れ人数の制限
事業所の常勤介護職員に応じて、受け入れできる技能実習生の人数枠の条件が決められています。
詳しくは下記の表でご確認ください。<団体監理型の場合>
事業所の常勤介護職員
の総数一般の実習実施者 優良な実習実施者 1号 全体
(1・2号)1号 全体
(1・2・3号)1 1 1 1 1 2 1 2 2 2 3~10 1 3 2 3~10 11~20 2 6 4 11~20 21~30 3 9 6 21~30 31~40 4 12 8 31~40 41~50 5 15 10 41~50 51~71 6 18 12 51~71 72~100 6 18 12 72 101~119 10 30 20 101~119 120~200 10 30 20 120 201~300 15 30 20 180 301~ 常勤介護職員
の20分の1常勤介護職員
の20分の3常勤介護職員
の10分の1常勤介護職員
の5分の3<企業単独型の場合>
一般の実習実施者 優良な実習実施者 1号 全体
(1・2号)1号 全体
(1・2・3号)常勤介護職員
の20分の1常勤介護職員
の20分の3常勤介護職員
の10分の1常勤介護職員
の5分の3(資料:技能実習「介護」における固有要件について 厚生労働省より)
介護技能実習生を雇用するメリットとデメリット
メリット
介護の現場に外国人技能実習生を雇用するメリットとして以下の2点が考えられます。
1つ目に挙げられることは「転職がない」という点です。
特定の技術を習得することを目的としている技能実習生は仕事の種類や就業場所を変更することができないため転職という選択肢はありません。そのため離職率が高いと悩んでいる事業所としては一定の年数は人材の確保が見込めることから人手不足の解消となります。2つ目に挙げられることは、介護業界での外国人の受け入れはサービス利用者の生命や安全に大きく関わるということから基準が厳しく定められているため、高レベルの人材を雇用できるという点です。
外国人技能実習制度を利用する外国人は、介護の経験がある、または一定の介護技術や知識をもっているということが条件となっている為、現場での即戦力としても期待できます。デメリット
一方で外国人技能実習生を雇用するデメリットとして以下の3点が考えられます。
1つ目は、外国人技能実習生の日本語能力の不足です。
日常会話は問題なくできますが、施設利用者様の身体状態の把握や専門的な会話をする際には、日本語能力検定N4レベルでは不足することがあります。N3レベルの人材であれば、日本語のコミュニケーションも問題なく取れるといえます。2つ目は、通常3年、最長5年と期間が定められている技能実習制度では受け入れ期間を超えての雇用が不可能ということです。
3つ目は、書類の手続きが複雑な上、実際に配属されるまで1年以上の時間がかかる点もデメリットといえます。
4つ目は、日本人を採用するよりコストがかかるということです。
移住環境の整備や、日本語研修の費用など、日本人を採用するよりもコスト面の負担が大きいといえます。
度重なる介護報酬の改訂により、特に収益環境が厳しい民間介護事業者の中には、コスト面から外国人技能実習制度の活用ができないと答える介護事業者もいます。まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は介護業界で技能実習生を雇用する方法について解説しました。2025年に団塊の世代が75歳以上となり日本は超高齢社会となる「2025年問題」が目前に迫っています。医療や介護の需要と供給が成り立たなくなり、今以上に介護業界では人手不足により多くの事業所が悩まされることになるでしょう。
日本での労働を希望する外国人を雇用できる外国人技能実習制度を利用することで、人材不足により低下したサービスの質の向上や、スタッフの負担軽減などが期待できます。今後もより良い介護を提供することができるようにぜひこの技能実習生雇用制度を検討していきましょう。
- 2022.05.24技能実習生の面接・配属までの手続きと流れ(ミャンマー編)
今回は技能実習生としてミャンマーの方を受け入れるまでの流れについてまとめました。
本記事を読むことで、ミャンマー人技能実習生受け入れに際してどのような手続きが必要で、自社でどのような準備をしておく必要があるかがわかります。
またミャンマー独自の「スマートカード」の発行の流れも記載しておりますので参考にしてください。目次
面接実施までの流れ(監理団体を利用する場合)
技能実習希望者が行うこと
日本の技能実習制度を利用して日本で実習を受けたい方(ミャンマー人)は、まず送り出し機関に希望を伝えることからスタートします。
送り出し機関は技能実習希望者に対して技能実習の詳しい説明を行い、意